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ドライブインまほろば の商品レビュー

4.1

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

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2018/11/29

陰惨量産機械の遠田潤子さんがとうとうハートフル小説を書くのか?!と題名見た時に思いましたが、結局はそれなりに陰惨で痛みのある物語でありました。 でも潤子さんの本は基本光に向かって行きながら途中でどろどろに悲惨な目に合うので、ハートフルと言えばハートフルなのかな。 登場人物が皆心に...

陰惨量産機械の遠田潤子さんがとうとうハートフル小説を書くのか?!と題名見た時に思いましたが、結局はそれなりに陰惨で痛みのある物語でありました。 でも潤子さんの本は基本光に向かって行きながら途中でどろどろに悲惨な目に合うので、ハートフルと言えばハートフルなのかな。 登場人物が皆心に傷を持っていて、一番敵役に位置する「銀河」「流星」の双子ちんぴら兄弟すら、その痛みで心から血を流しております。 憂鬱の「憂」なんていう名前を付けられて虐待されて、生まれて来たくなかったという男の子が、ドライブインまほろばで過ごすうちに次第に心開いていく所は、ベタな展開ですが大好きです。

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2018/11/28

良かったです。 比奈子さんと憂くんには幸せになってほしい。 何があったとしても、流星は許せないです。

Posted byブクログ

2018/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今年初めて読んだ作家でお気に入りの遠田潤子さんの新作。 今年遠田さんのいろんな作品を読んだけど、そこにはいろんな家族が描かれている。今回は義父を殺してしまった小6の憂、実の母が起こした交通事故により一人娘を亡くした比奈子、親に捨てられ双子の弟と肩を寄せ合い生きてきた男・銀河を通し、親子、兄弟、家族、そういうものについて深く考えさせられる作品だった。

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2018/11/19

最初の数ページでやられた。 自分の犯した犯罪を見つめる主人公の描写。 逃亡しようとする彼はランドセルを開ける。 親子関係の難しさを軸に、少年とドライブインまほろばの経営者の女性との出会い。 幻の10年池の透明な美しさ、深い緑の木々の風景。人間の汚さと自然の美しさ。 一気に読ませて...

最初の数ページでやられた。 自分の犯した犯罪を見つめる主人公の描写。 逃亡しようとする彼はランドセルを開ける。 親子関係の難しさを軸に、少年とドライブインまほろばの経営者の女性との出会い。 幻の10年池の透明な美しさ、深い緑の木々の風景。人間の汚さと自然の美しさ。 一気に読ませてくれました。

Posted byブクログ

2018/11/18

山々に囲まれた峠越えの酷道沿いに、赤い三角屋根の「ドライブインまほろば」はあった。祖父母が亡くなり一度は閉店した店を、一人娘を亡くした比奈子がほそぼそと営業していた。 そんな鄙びたドライブインに、義父を殺したという少年が妹を連れてやって来る。二人を受け入れた比奈子のもとに、殺され...

山々に囲まれた峠越えの酷道沿いに、赤い三角屋根の「ドライブインまほろば」はあった。祖父母が亡くなり一度は閉店した店を、一人娘を亡くした比奈子がほそぼそと営業していた。 そんな鄙びたドライブインに、義父を殺したという少年が妹を連れてやって来る。二人を受け入れた比奈子のもとに、殺された弟の復讐のために双子の兄がやって来る。 深い森のなかに、十年に一度奇跡的に現れる「十年池」で一夜を過ごした者たちに、一筋の光が射してくる。

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2018/11/17

奈良の山の中にある寂れたドライブイン。娘を亡くし、離婚した私は長らく営業していかなったまほろばを再開した比奈子。パイパスが出来て、あまりお客は来なくなってしまったが、多少の固定客はいる・・・小学生の憂は義父の流星を殺した。まだ保育園に通う妹の来海を連れて逃げた。まほろばに向かって...

奈良の山の中にある寂れたドライブイン。娘を亡くし、離婚した私は長らく営業していかなったまほろばを再開した比奈子。パイパスが出来て、あまりお客は来なくなってしまったが、多少の固定客はいる・・・小学生の憂は義父の流星を殺した。まだ保育園に通う妹の来海を連れて逃げた。まほろばに向かって・・・流星と銀河の双子。昔は野球少年として将来を期待されていたが、今ではやくざの下請けのような仕事をしている。憂が仕事のヤバイ情報が入った流星のパソコンを持って逃げた。銀河は追いかける・・・ とてつもなく悲しい過去を持った者たちの邂逅物語。遠田潤子らしい。 親子や兄弟姉妹の関係がかなり色濃く描かれる。個人的には比奈子の娘里桜が死ぬ原因になった主人公の母親が印象に残った。三回忌に来るのを拒まれても何度となく謝罪しようとする。誰も謝罪の言葉など聞きたくもないのに。許して欲しいというエゴで謝罪することの罪。謝罪によってさらに罪が加わるのだと知った。

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2018/11/06

1ページ目でいきなり少年が義父を金属バットで撲殺するシーンから始まり、これまで数々の虐げられた子供たちを描いた遠田作品を読んできた経験から、また重量感のある怒涛の展開に期待が高まる。 過去の事例にもれず、この作品の少年も実父母、義父から酷い扱いを受けてきた。「生まれてこなければよ...

1ページ目でいきなり少年が義父を金属バットで撲殺するシーンから始まり、これまで数々の虐げられた子供たちを描いた遠田作品を読んできた経験から、また重量感のある怒涛の展開に期待が高まる。 過去の事例にもれず、この作品の少年も実父母、義父から酷い扱いを受けてきた。「生まれてこなければよかった」と思うほどに。その義父と双子の兄もまた、親に棄てられた過去を持つ。まさに虐待の連鎖。少年の育った環境には吐き気すら覚える。 一方、秘境の旧道沿いに建つ寂れたドライブイン「まほろば」を細々と営む女性は、幼い娘を実母のせいで亡くし、離婚もし、母との確執を抱えたまま人生を前に進めないでいた。 出てくる人間すべてが過去への屈折した思いを抱いており、大人も子供も精神的に歪んでいるあたり正に遠田作品の真骨頂。 今回勝手が違ったのは、「十年池」という山の中に十年に一度だけ現れる池を見ると生まれ変われるという夢のような話に、なんだか結末も見えていて作品全体を覆う景色が明るいこと。 「アンチェルの蝶」の時はドヴォルザークの新世界が作品を支配していたけれど、今回はバッハのG線上のアリアというあたり、それだけで作品全体がドロドロではなくほの明るい光に覆われていることがわかる。 帯の「十年に一度の奇跡」という言葉にも終盤の大団円は想像でき、遠田作品らしからぬ明るさに戸惑いながらも最後までノンストップで読み続けたのは、やはり作者のリーダビリティの高さだろう。 終章では登場人物たちのその後が丁寧に描かれ、絵にかいたようなハッピーエンドでよかったような、遠田さんらしくないような・・・(笑) タイトルが「まほろば」ってところが既に遠田さんらしくないんだけどね。

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2018/11/05

新刊が出ると購入してしまう。ハードカバーの本はほとんど買わないのだけれど、この方の作品は別。 今作も読んでいて痛くなるくらい辛い状況に置かれている子供たちが出てくる。 毎度思うのだけれども、こんな糞親を書いていて作者の精神はやられないのだろうか。心配。 今回はわかりやすくちゃん...

新刊が出ると購入してしまう。ハードカバーの本はほとんど買わないのだけれど、この方の作品は別。 今作も読んでいて痛くなるくらい辛い状況に置かれている子供たちが出てくる。 毎度思うのだけれども、こんな糞親を書いていて作者の精神はやられないのだろうか。心配。 今回はわかりやすくちゃんと希望を提示してくれていたので、読み終わりホッと一安心。 森の中に現れる十年池。私も是非とも見てみたい。

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