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の商品レビュー

4.4

45件のお客様レビュー

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2024/04/12

葛飾北斎の娘である応為の物語。たばこやお酒を嗜み江戸っ子のきっぷのいい姿が気持ちいい。 絵に対する姿勢もいい。 同年代の友達のような感覚で読む。

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2024/01/29

余韻の残る良い話でした。場面転換が激しくて途中着いて行くのに苦労したところはありましたが、その分主人公の生き方の迫力は増したと思います。親しい人たちが去って行くところは寂しかった。絵画は何も分からないのですが吉原格子先之図は素晴らしいと思います。

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2024/01/24

朝井まかてさんらしい今回も、化粧っ気のない女性のストーリーでした。エピソードが絵の名前ごとに別れていて、絵をネットで検索して見ながら読むと面白かったです。天然の絵の具で絵を描くことは一苦労である事がわかり、自分の中で昔の絵の価値がグッと上がりました。

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2024/01/16

葛飾北斎の娘、応為の視点で彼女自身と北斎の絵にかける想いを綴った作品。 いずれかの代表作が完成するまでの過程を描きながらも作品そのものへの描写ではなく、あくまでそれが完成するまでの過程を父娘の生き方を交えて辿っている。 各作品の肝となる部分が、もしかしたらこんな背景から生まれたも...

葛飾北斎の娘、応為の視点で彼女自身と北斎の絵にかける想いを綴った作品。 いずれかの代表作が完成するまでの過程を描きながらも作品そのものへの描写ではなく、あくまでそれが完成するまでの過程を父娘の生き方を交えて辿っている。 各作品の肝となる部分が、もしかしたらこんな背景から生まれたものかもと想像しながら読むと、小説と浮世絵の2つを同時に味わえるような非常に贅沢な一冊でした。 ここまで深みのある作品となったのは、朝井さんの絵に対する視点の賜物だと思います。

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2024/01/15

始まりからぐいっと引き込まれ、晴れ晴れと終わる。小気味よい一冊だった。 決して明るく楽しい日々が描かれているわけではない。思うようにいかないことの方が多く、理不尽に苦しめられ、親しく心を通わせた人たちとも死に別れ、富にも名誉にも縁がないまま、年老いていく。こう書けば鬱々とした暗い...

始まりからぐいっと引き込まれ、晴れ晴れと終わる。小気味よい一冊だった。 決して明るく楽しい日々が描かれているわけではない。思うようにいかないことの方が多く、理不尽に苦しめられ、親しく心を通わせた人たちとも死に別れ、富にも名誉にも縁がないまま、年老いていく。こう書けば鬱々とした暗い物語になりそうなものなのに、そう感じないのは、北斎もお栄も、自分の人生を自分の生きたいように生き切っているからなのだろうか。

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2023/09/17

ずっと読みたいと思っていた本。この夏に北斎展を見に行く機会があったので、今だ!と思い手に取った。とても良かった!!時代物?を読むのは久しぶりだったので、独特の言い回しや語彙は調べながら…(勉強になった)江戸の人々の生き生きした様子や人情、季節の移ろい、何といってもお栄のサバサバし...

ずっと読みたいと思っていた本。この夏に北斎展を見に行く機会があったので、今だ!と思い手に取った。とても良かった!!時代物?を読むのは久しぶりだったので、独特の言い回しや語彙は調べながら…(勉強になった)江戸の人々の生き生きした様子や人情、季節の移ろい、何といってもお栄のサバサバした感じが読んでいてスカッとした。 お栄は色彩感覚に優れていたらしいのだが、文章中の色彩表現、描いている動きの表現は豊かで楽しかった。読了後、各章の題になっている作品を調べたら驚いてしまった。『夜桜美人図』『吉原格子先之図』、お栄が探究した灯籠の光と影の描き方に感動した。なんて幻想的で美しいのだろう。ぜひ調べてみてほしい。 物語は、父と娘、母と娘の親子関係から、淡い(?)恋、甥とのいざこざなどなど…読み応えあると思う。善次郎いい男らしいけどどんな顔だろう…妄想が広がる…

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2023/08/26

お栄さん、格好良かった。善さんとの関係は切ないけどなんか分かる気がする。 時太郎が憎い。 本物を見てみたいな 「もう六十かもしれないが、先々のあたしから見たら、今日のあたしがいっち若いじゃないか」

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2023/05/22

なおなおさんの北斎本レビューおしゃべりで、みんみんさんからお勧めされてお取り寄せ。みんみんさんありがとうございます! カバー装画 「吉原格子先之図」 時代小説読めるかなと心配してたけど、ページをめくるのが楽しくて夢中に。 章ごとにドラマをみているような臨場感。 お栄の生き様、枠に...

なおなおさんの北斎本レビューおしゃべりで、みんみんさんからお勧めされてお取り寄せ。みんみんさんありがとうございます! カバー装画 「吉原格子先之図」 時代小説読めるかなと心配してたけど、ページをめくるのが楽しくて夢中に。 章ごとにドラマをみているような臨場感。 お栄の生き様、枠にはまりきれない才能と心意気が格好いい。絵師としていろんな材料で色を創る場面が真剣勝負。酒が強いお栄と甘いものに目がない北斎親爺どのとの掛け合い。人たらしの善次郎(渓斎英泉)がとても魅力的。純黒朱「びろうどみてえな深い光」の話をしている善次郎との魂が通い合ったような時間。いちは三味線、ゆきは琴、なみは胡弓という三人の合奏を聞きながらの宴。夜桜美人画に対する善次郎の相対するような絵、「井のはたの、桜あぶなし、酒の酔」。シーボルトからの西画の依頼に対するやりとりに腕試しと呟く。馬琴の叱咤激励と柚子の卒中薬のお見舞いという粋な計らいと奇跡的な親爺どのの復活。富嶽三十六景の誕生の様子や日課獅子に向き合う親爺どのの姿勢を見つめるお栄。どの場面も生命力があって絵師としての生涯に疾走感があり、作品を途中調べたりして味わうことも楽しい。「その名にふさわしい絵をいつか、ものにするために。描こう。」

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2023/05/21

とにかく面白かった。北斎の娘がかっこよすぎる。男前すぎる。 最後の数ページ、なんだかぐっと来てしまった。 なんか、背中を押してもらえた感じ。 なんか、素晴らしい読後感。

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2022/12/04

葛飾北斎の娘、葛飾應為ことお栄さんの話。 当時では女性絵師は珍しい。女性は家事というジェンダーロールが疑いなく信じられていた頃。 お栄は、描かずにいられない絵師の業が身体に備わっている。絵の才もある。父親の北斎と同じ。 しかし女性であるお栄の感覚は、母親や夫からは欠陥としか見做さ...

葛飾北斎の娘、葛飾應為ことお栄さんの話。 当時では女性絵師は珍しい。女性は家事というジェンダーロールが疑いなく信じられていた頃。 お栄は、描かずにいられない絵師の業が身体に備わっている。絵の才もある。父親の北斎と同じ。 しかし女性であるお栄の感覚は、母親や夫からは欠陥としか見做されない。 やりきれない夫婦生活が破綻したところから小説が始まる。 父であり師であり親方の北斎の工房で、お栄は絵筆を振るう。この辺りはワクワクするお仕事小説になる。 北斎を慕う渓斎英泉との交流も読みどころ。 渓斎英泉がとても良い。色っぽい男だなあと思った。 女性だから、元夫よりも、絵への情熱も才気もあるのに、独り立ちの仕事をさせてもらえない状況は、何とも息苦しい。 表紙絵もお栄さんの作品で、現代の目で見ても、上手いと思える。これを浮世絵の時代に描いたお栄さんは、北斎の娘というだけではない、絵の才と技術、探究心のあるすごい絵師。しかし、家事も苦手で子も産まない、当時の女性の常識としては欠陥だらけ。夫に勝る才能があることも、当時の感覚としては生意気で欠点扱いになる。 早く亡くなった姉の子を北斎一家で面倒を見るが、この甥がまあとんでもないクズ。後半はこの甥に北斎とお栄さんは苦しめられ続ける。 窮屈な価値観の中で、絵師としてしっかり自分を確立していこうとするお栄さんの人生。 とても読み応えのある小説だった。

Posted byブクログ