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の商品レビュー

4.4

46件のお客様レビュー

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2021/08/16

原宿の太田記念美術館で見た「夜桜美人図」「吉原格子先之図」 ?サントリーだったかしら? ?北斎美術館だったかしら?動く人形もあったし? 図書館でカラーコピーした絵を見続けてたら本物を見た気に? いやいや匂いを嗅ぎたいと考えたんだから、見ているわ。それに、おえいちゃんがいた場所...

原宿の太田記念美術館で見た「夜桜美人図」「吉原格子先之図」 ?サントリーだったかしら? ?北斎美術館だったかしら?動く人形もあったし? 図書館でカラーコピーした絵を見続けてたら本物を見た気に? いやいや匂いを嗅ぎたいと考えたんだから、見ているわ。それに、おえいちゃんがいた場所と私のいる場合が重なっているのね!と感動したし。 あの北斎についていけるのは、並大抵の人間じゃないよね。 凄い人が、さらりと生きた話しでした。

Posted byブクログ

2023/01/30

評価が高い! 購入済み。いつか読もう 2023.01.30.どうしても興味がわかない。ブックオフへ

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2021/04/25

北斎やお栄の、絵つまり仕事に向き合う姿勢が本当に一本気で真剣で、ときに周りに迷惑をかけようが信じる道を行くというところが、芸術家だな、と思う。とてもそんな気持ちをずっと保ってはいられないなと思う一方、仕事とは一面かくあるべきなんだろうなとも思う。 「これが稼業だ。限りある時でいか...

北斎やお栄の、絵つまり仕事に向き合う姿勢が本当に一本気で真剣で、ときに周りに迷惑をかけようが信じる道を行くというところが、芸術家だな、と思う。とてもそんな気持ちをずっと保ってはいられないなと思う一方、仕事とは一面かくあるべきなんだろうなとも思う。 「これが稼業だ。限りある時でいかに描くか、その肚がくくれねぇんなら素人に戻れ」 「たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る。――こうして恥をしのぶからだ」 と、出来映えに満足できない弟子たちに納期の大切さを説くかと思えば、 「描けば描くほど、絵がよくわからなくなる」 と最晩年になっても満足していないことを吐露する。そうやって全身全霊で絵に向かった父の背中をお栄はずっとそばで見て、共に走り続けた。善次郎の結婚に心をざわつかせ、その死に打ちのめされてもなお、絵を描くことで自分を奮い立たせる。 「挑む方が、面白いじゃないか」 誰にも助言を求めず、ただ己の心とのみ向き合い自問するお栄は端から見れば偏屈で生きるのが下手なのかもしれない。でも本人は自分をごまかさずに生きて前へ進んでいるのだから、常に求める何かがある、生きがいのある人生だったんだろうなあ。

Posted byブクログ

2021/03/18

江戸時代の暮らしぶり、浮世絵を生業とする人々の生活が伝わってくる作品。後から葛飾北斎や葛飾応為の作品と合わせてみると、なお染み入る。「吉原格子先之図」と「夜桜美人図」は、その繊細な美しさに溜息が漏れてしまった。

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2021/12/27

 葛飾北斎の娘、お栄。絵を描くことが好きだが「北斎の娘」という肩書きが重い…しかし、あまりに偉大な父の影響を受けながら自分も絵師となり、父に負けない、いい絵を描こう…だが…父にはかなわない………と、もがくお栄。 兄弟子への恋情、納得のいく作品が描けないことへの苛立ち、借金の...

 葛飾北斎の娘、お栄。絵を描くことが好きだが「北斎の娘」という肩書きが重い…しかし、あまりに偉大な父の影響を受けながら自分も絵師となり、父に負けない、いい絵を描こう…だが…父にはかなわない………と、もがくお栄。 兄弟子への恋情、納得のいく作品が描けないことへの苛立ち、借金の尻拭い… 地べたにはいつくばり、形のないものを形にしていく地道な生業に、身も心も捧げる…。 眩しく、愛おしい話です。

Posted byブクログ

2021/02/27

楽しかったー。 葛飾応為こと、お栄の半生。百日紅は嫁ぐ前の話だったが、こちらは離縁したあとのお話。 数少ない(よく知らないけど)史実から、ここまで人物像を描けるなんて。 お栄は、しっかりと自分の絵の仕事に向き合う。口うるさい母親、介護、とんでもない甥っ子、恋心。心が乱れそう...

楽しかったー。 葛飾応為こと、お栄の半生。百日紅は嫁ぐ前の話だったが、こちらは離縁したあとのお話。 数少ない(よく知らないけど)史実から、ここまで人物像を描けるなんて。 お栄は、しっかりと自分の絵の仕事に向き合う。口うるさい母親、介護、とんでもない甥っ子、恋心。心が乱れそうになっても、仕事と向き合う。現代の女性となんら変わりはない。かっこいいなあ。 そしてお栄を通して伝わる、画狂老人の偉大さよ。 北斎美術館にお栄の痕跡をさがしいにいこうかな。 まかてファンになりそうです。

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2021/01/29

色を示す言葉が文章の中からポンと浮かび上がって見える。葛飾応為の半生を追えば、あらゆる出来事は必然で、全て『吉原格子先之図』に向かって収斂してゆくのであった。老いてなお「挑む方が、面白いじゃないか」と言う彼女だからいつまでも若々しい。こと善次郎に関してはいつまでも初心なお栄であっ...

色を示す言葉が文章の中からポンと浮かび上がって見える。葛飾応為の半生を追えば、あらゆる出来事は必然で、全て『吉原格子先之図』に向かって収斂してゆくのであった。老いてなお「挑む方が、面白いじゃないか」と言う彼女だからいつまでも若々しい。こと善次郎に関してはいつまでも初心なお栄であった。

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2020/10/14

女性が活躍する時代は、平和である。 平和だからなのか、女性だからなのかは、たいした問題ではない。 江戸時代は、身分制度に縛られだ封建社会で、貧しく虐げられた階層と権力階層の武士、影の支配層の商人の構図がよくあるが、「町民」は案外自由で闊達で逞ましく、武士より人生を謳歌している。...

女性が活躍する時代は、平和である。 平和だからなのか、女性だからなのかは、たいした問題ではない。 江戸時代は、身分制度に縛られだ封建社会で、貧しく虐げられた階層と権力階層の武士、影の支配層の商人の構図がよくあるが、「町民」は案外自由で闊達で逞ましく、武士より人生を謳歌している。 物語の背後の情景には、その様子が「隣町」のように生き生きと描かれている。 読書中は、お栄とともに江戸の町の「北斎工房」で暮らしていた。 物語自体は、ブクログ「作品紹介」や、この本の巻末の葉室麟「あとがき」に尽き、それ以上の表現は、思いつかない。 傑作でした。

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2020/09/30

藤沢周平の次の時代小説の担い手は朝井まかてかもしれない。 私はまかてのファンでは無い。読了もこれが3冊目だ。1冊目は、直木賞受賞直前で、「恋歌」の読者モニターで感想を送ってサイン本さえ頂いてはいるが、ファンにはならなかった。もちろん傑作だったが、女性の情念には私はのめり込めない...

藤沢周平の次の時代小説の担い手は朝井まかてかもしれない。 私はまかてのファンでは無い。読了もこれが3冊目だ。1冊目は、直木賞受賞直前で、「恋歌」の読者モニターで感想を送ってサイン本さえ頂いてはいるが、ファンにはならなかった。もちろん傑作だったが、女性の情念には私はのめり込めない。 それでも、これは「恋歌」よりも更に一歩踏み込んだ傑作だと思う。一頁一頁の書き込みが、そんじゃそこらの他の作家の比では無い。「自分は親父どの(北斎)の才能を引き継いでいない」と自覚しながら、のめり込まざるを得ない美の世界への執着を、これでもかと描いている。ドラマでは美人の宮崎あおいが力演していたのだが、私は北斎美術館のリアルなジオラマのお栄を見ている。痩せていて顎がしゃくれてお世辞にも美人とは言えなかった。コンプレックスを情熱に換えて、彼女は焔の見せる緋色と闇の中の光と影に美を見出す。それを表現する。その過程の描写にやはり、私は藤沢周平を想起した。 冨獄三十六景。小説では、お栄は失恋し、北斎は孫の時太郎の不良化に悩み、板元の西村屋は大火事で焼け出され、それらが末の逆転劇として描かれている。大判錦絵。 「景色に金子を出す物好きなんぞ、いやしねぇよ。三代目は自前で打ってでるらしい」 「正気の沙汰じゃねぇな。葛飾親父も三つ巴印の泥舟に乗せられなすって、気の毒なこった。情に流されてとうとう一緒に沈みなさるか。なんまいだぶ」 事前の評判は最悪だ。けれど北斎が提示した10枚に魅力されて彫り師も、摺し師も、当時の名人が集った。西村屋はそれを見て三十六景を提案する。 最初の刷りは、神奈川沖浪裏。今や、北斎のアイコンである。錦絵は、版木は8枚使われる。北斎も、8枚に色指定をしながら描かなくてはならない。それを寸分違わず彫り、寸分違わず摺る。それを三十六景仕上げる。全て富士山の絵で、趣向を全て変えて。今でこそ、我々は文庫本(岩波文庫)で観ることはできるが、当時としては大博打で、しかし、北斎の天才がなければ無理の趣向だったことは間違いない。初板摺が二百枚だった「冨獄三十六景(実際は四十六景)」は、5年後には軽く万を超えたらしい(とは言っても重版出来で潤ったのは西村屋だけらしいが、北斎の名前は売れた)。そして、細かいところはお栄が描いた。 文庫表紙にもなっているお栄の代表作「吉原格子先之図」。安政の大地震で浅草の山之宿町に移った、新吉原の図とは知らなかった。西洋画の陰影も取り入れながら、浮世絵しか描けない真実を描く。「命が見せる束の間の賑わいをこそ、光と影に託すのだ」くらくらするような傑作である。

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2020/09/18

歴史小説としてはやや短いけど、葛飾親子の生涯が1章ごと1作品ごと、人生の節目をコンパクトに描いていて疾走感がありました。北斎大好きだし長命だったのでもっと読んでたいなぁとは思ったけど。。日本人本来の職人気質と少しのドロ臭さがカッコよくて、日本が誇る偉人だと再認識しました。北斎に滝...

歴史小説としてはやや短いけど、葛飾親子の生涯が1章ごと1作品ごと、人生の節目をコンパクトに描いていて疾走感がありました。北斎大好きだし長命だったのでもっと読んでたいなぁとは思ったけど。。日本人本来の職人気質と少しのドロ臭さがカッコよくて、日本が誇る偉人だと再認識しました。北斎に滝沢馬琴が喝を入れるシーンと宮崎あおいが好きです

Posted byブクログ