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の商品レビュー

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2020/07/30

北斎の娘・お栄。父同様に絵の道を進む、彼女の熱い生涯を描く。 第一章 悪玉踊り  第二章 カナアリア  第三章 揚羽 第四章 花魁と禿図 第五章 手踊図    第六章 柚子 第七章 鷽     第八章 冨嶽三十六景  第九章 夜桜美人図   第十章 三曲合奏図  第十一章 冨士越...

北斎の娘・お栄。父同様に絵の道を進む、彼女の熱い生涯を描く。 第一章 悪玉踊り  第二章 カナアリア  第三章 揚羽 第四章 花魁と禿図 第五章 手踊図    第六章 柚子 第七章 鷽     第八章 冨嶽三十六景  第九章 夜桜美人図   第十章 三曲合奏図  第十一章 冨士越龍図  第十二章 吉原格子先之図 参考文献有り。葉室麟による解説と対しての謝辞。 絵を描くこと、色彩に魅せられ、絵師の道を歩む北斎の娘・お栄。 家族との確執、報われぬ恋、老いた父・北斎の世話等、 ままならぬ生活の中での、彼女の生き様を描いています。 それにしても北斎の存在の重さ。独り立ちした者にも、お栄にも、 北斎の側にいた喜びと共に“本物の絵師”への憬れからは 逃れられない。絵師を辞めた善次郎。苦悩する五助。時太郎も? 人生ばくち打ちなのは“北斎の孫”が付き纏うからなのか? 悪事に手を染めるのも、自分を見て欲しいという愛への渇望か? だからこそ、大地震の時の「姉ちゃんっ」の叫びは、本心と 思いたいです。 先に画集と評伝に接していたため、史料と作品の少なさは 知っていましたが、それらを創作に取り込み描いたお栄の姿。 なんて生き生きと動いていることか! ラスト・・・どこでも行ける。どこで生きてもあたしは絵師。 60歳になっても絵師と言い切る潔さは、素晴らしい! 章も、応為の絵の題名や関連のある名称で、画集で観た絵を 思い出させてくれました。

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2020/05/05

葛飾応為、お栄を浅井まかて流に描いた一作。山本昌代の応為坦坦録が北斎とお栄に焦点を当てているのに対して、お栄を中心に虚実の物語を組み合わせて、新たな物語を紡ぎだしている。巣ごもりのこの時期に退屈させないi一冊だった。

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2020/04/25

葛飾北斎の娘にて、”江戸のレンブラント”とも称される天才絵師の知られざる生涯を描く筆者渾身の物語。お栄は、町絵師と夫婦になったのも束の間、絵筆を忘れる事が出来ず北斎のもとへ戻ることに。そして、北斎も追及してやまなかった光と影に生涯をかけて情熱を注ぐ事になる。時が過ぎ、北斎もこの世...

葛飾北斎の娘にて、”江戸のレンブラント”とも称される天才絵師の知られざる生涯を描く筆者渾身の物語。お栄は、町絵師と夫婦になったのも束の間、絵筆を忘れる事が出来ず北斎のもとへ戻ることに。そして、北斎も追及してやまなかった光と影に生涯をかけて情熱を注ぐ事になる。時が過ぎ、北斎もこの世を去り、お栄は一つの真実にたどり着く。。。特徴は、歯切れの良い江戸弁を交え、色彩豊かな文体にて圧倒的なリアリティを描いている点かな。迷いながらもひたむきに生きたお栄の生き様が詰まった最後の一行に間違いなくパワーをもらえますよ。ちなみに、真実にて描かれた作品を、すみだ北斎美術館にて目にした時は心が震えました!コロナが収束したらぜひ、見学にいく事をお勧めしま〜す。

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2020/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

葛飾北斎の娘、お栄ちゃん。 才能はあるのに、いつも父親の影となり、本人はそれで満足なようだが、自分の作品として勝負して欲しいなーと(これは善さんも言っていた)歯痒い部分もありましたが。 彼女の作品て実は知らないのだが、本の表紙がそうなんですね。ライティングが素晴らしい! 光と影の陰影に気付いた彼女は素晴らしい絵師なのでしょう。 あんなクズな時坊のために、借金を返済し、彼女の人となりも魅力的。

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2020/03/15

葛飾北斎の娘にして女絵師の葛飾応為、名はお栄。彼女の作品として確認されたのは10数点しかなく記録に残る伝聞も少ない、謎の多い彼女を人間味溢れる一人の絵師としての生き様を描いた作品。 北斎や応為の代表作の制作シーンが随所に躍動感のある文章で語られる。 『夜桜美人図』、『三曲合奏図』...

葛飾北斎の娘にして女絵師の葛飾応為、名はお栄。彼女の作品として確認されたのは10数点しかなく記録に残る伝聞も少ない、謎の多い彼女を人間味溢れる一人の絵師としての生き様を描いた作品。 北斎や応為の代表作の制作シーンが随所に躍動感のある文章で語られる。 『夜桜美人図』、『三曲合奏図』、表紙にある『吉原格子先之図』の絵の構図や色合いをどのように考えぬいて描いたのか、手元の図録で作品を眺めながら読むとナルホド!と感心するばかり。天才的才能を持っていたとしてもその人の心の持ちようと飽くなき努力によって人を感動させる作品が生まれるのであろう。

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2020/02/28

北斎の娘の一生 派手な事件が起きるわけでもないのだけれど物語は起伏に富み、最後まで飽きさせない作者の力量が素晴らしい。

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2019/12/20

葛飾応為こと北斎の娘・お栄の物語。 今の時代にも通じる、女性にありがちの日常のあれこれのわずらわしさ、家族のごたごた、こちらの思いを理解しようともせず、自分の価値観を押し付けてくる母親との軋轢、泡沫の恋・・・そんなものを背中にしょったまま、絵画の道を歩く女性の姿が、身に染みる。...

葛飾応為こと北斎の娘・お栄の物語。 今の時代にも通じる、女性にありがちの日常のあれこれのわずらわしさ、家族のごたごた、こちらの思いを理解しようともせず、自分の価値観を押し付けてくる母親との軋轢、泡沫の恋・・・そんなものを背中にしょったまま、絵画の道を歩く女性の姿が、身に染みる。お栄は、作者の分身でもあるのかしら。 この作品をもとにしたドラマがあった(と思う)せいか、冒頭の北斎が絵筆を取る場面を読んでいたら、絵が浮かび上がってきて動き出すのが見えたような気がしました。合奏の場面も、3人の姿が見え、音が聞こえるようで、楽しかったです。

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2019/08/19

初まかて。兎に角、葛飾応為こと北斎の娘・お栄の人物描写が秀逸。絵に真っ直ぐな、お栄の姿が眩しい。こんなにまで自分を捧げる“何か”があるってのは本当に羨ましい——。ただ物語を描く上で必要だったとは言え、北斎の孫・時太郎が最後の最後までクズすぎて…。評価は星四つ。

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2019/07/07

葛飾北斎の娘、お栄(葛飾応為)を主人公とした物語。北斎の工房に小さな時から入り浸りいつのまにか自身も絵描きになったお栄。北斎の絵の凄さを身近に知っているが故に、自身の画力に満足せずひたすら研鑽に努める様が心地よい。北斎もお栄も絵を描くのが好きでたまらないというのが伝わってくる。小...

葛飾北斎の娘、お栄(葛飾応為)を主人公とした物語。北斎の工房に小さな時から入り浸りいつのまにか自身も絵描きになったお栄。北斎の絵の凄さを身近に知っているが故に、自身の画力に満足せずひたすら研鑽に努める様が心地よい。北斎もお栄も絵を描くのが好きでたまらないというのが伝わってくる。小説にも出てくる晩年近くの作品、吉原格子先之図は、夜の光と影を自分のものとしたお栄の技がよくわかる作品だ。当時としては画期的だったと思う。小説とともにネットで絵を見ながら読むとより一層深く読める。たまたま北斎の浮世絵に影響されたゴッホの人生を描いた原田マハの「たゆたえども沈まず」を読んだ直後だったので、連作のように感じられて楽しかった。観てはいないが、宮崎あおいをお栄役としたNHKのドラマは、宮崎の演技力でこそ表現できたのではないか。

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2019/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018/4/6 北斎の娘お栄の話。 芸術家の業の話大好物。 とは言え、お栄は芸術家だから仕方ないと周りから保護される部分が少なくもどかしい。 そしてそのもどかしさがなかなか新鮮。 疫病神の甥っ子や弟の嫁なんかは本気で腹が立つんだけどね。あと贋作作らせようとした奴らとか。 家出してくれてスッキリしたわ。 芸術ってやっぱりウチから迸り出るものなのだろうね。 マグマのように溜まっているものがあるのだろうね。 それを写し取るべく技術を磨くのだろうか。 シンプルで美しいよね。

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