国宝(下) の商品レビュー
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一気に読み終わえてしまった後虚脱感が。 主人公は身近な人を失うごとに人間を捨てて神に近づいて行ってしまった。 そして最後は天に召されてしまったのか? と思ってしまう。 性格的にいろいろと難ありのお人だったけれど友二人を失ってからの本人は生きていいても死んでいるのと同じだったのかもしれない。切ない。
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語り口は新鮮であり、演技の表現も面白かったが、歌舞伎を知らない自分にはやや冗長に感じた。 父に捧ぐということで、ラストの主人公がまさにゾーンに入ってくような表現には、作者のリスペクトが伺えた。 映像化したら歌舞伎流行るかな?
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一心に芝居・演技に取り組む二人に容赦のない悲劇と幸せな瞬間が交互に訪れる。周囲の人々を巻き込み、最後は自身で全てを受け止めることになるが、何があっても芸を究めることに邁進する。一人は燃え尽き、一人はたどり着くのだが、一つのことを究めようとすると、狂ってないとできないのかと思わせる壮絶さ。しかも自分だけでなく、周囲も狂わせる。向こう側とこちら側の区別もつかなくなる恐怖(本人は幸福なのだろう)。著者の本では「怒り」も読んだが、最後が消化不良気味だった。こちらは最後の3ページが素晴らしく納得の一冊。
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歌舞伎役者として、一切をかなぐり捨てて日本一になる執念を抱き、悪魔との取引が成就する。おのれの技が芸術に昇華されたその果てで、喜久雄は現世から放たれる。望みどおりたどり着いた歌舞伎の精神世界では、もはや舞台を問わずすべてが演じる場所であり、永遠に幕は下りない。歌舞伎すなわち狂言芝...
歌舞伎役者として、一切をかなぐり捨てて日本一になる執念を抱き、悪魔との取引が成就する。おのれの技が芸術に昇華されたその果てで、喜久雄は現世から放たれる。望みどおりたどり着いた歌舞伎の精神世界では、もはや舞台を問わずすべてが演じる場所であり、永遠に幕は下りない。歌舞伎すなわち狂言芝居では、常軌を逸した芸が求められるのならば、悪魔はきっちりと奪うべきを奪い、与えるべきを与えたのだ。徳次さえそばにいてくれましたならと悔やまれますが、その別れさえ取引のうちなのでございます。
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出奔していた俊介の再登場に胸を躍らせたけれど、下巻も思いがけないいろいろなドラマが・・・。 この物語はどこか飄々としていて、ドロドロとした嫌なシーンが印象に残らないというか、そもそもあまりないようにも思える。そこが魅力なのかもしれない。 ただ、重荷を背負いながら芸道を究めて...
出奔していた俊介の再登場に胸を躍らせたけれど、下巻も思いがけないいろいろなドラマが・・・。 この物語はどこか飄々としていて、ドロドロとした嫌なシーンが印象に残らないというか、そもそもあまりないようにも思える。そこが魅力なのかもしれない。 ただ、重荷を背負いながら芸道を究めて高みに上るにつれ、孤独になっていく喜久雄の人生を思うと壮絶で、涙を流さずに読み進めることが出来なかった。 読後の万感の思いをどう表現したらいいのか。 とにかく、面白かった。
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ラスシーンの情景が美しく目に浮かび、またその狂気性に戦慄を覚える。まさに自分がその舞台の目撃者であるような圧倒的な読書体験。一代記として吉田修一作品の金字塔になった作品である。
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歌舞伎の世界を、一人の女形を通して描いた作品。吉田修一って、このジャンルも書けるのに驚いた。歌舞伎の知識があればもっと楽しめると思うがなくても楽しく読めた。歌舞伎を観てみたくなった。
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最後のシーンが目に浮かぶ。 美しく、儚く、そして哀しい。 芸の神に愛された喜久雄。 幕の降りることのない世界で、いまも美しく舞っているのでしょう。 読めて良かった。 この本に出会えたことに感謝します。
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素晴らしい❗️ラストシーンを読み進めると鳥肌が立ちました。稀代の女形役者を描き切った筆力。物凄いと思います。
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これでもかというくらいの波乱を突きつけてくる様は、見ていてもうその辺で勘弁してあげてと声をあげてしまいたくもなるも、どう乗り越える?とぐっとまた読む速度が上がる。相変わらず物語の筋はてんぽよく細かいところははしょりはしょりであれはどうなってるんだろうなぁといった脇役のことが気になるも本編はグイグイ突き進み、それでも気持ちよく千穐楽(巻末)へと向かっていく。徳次がラストに喜久雄に絡めなかったのは残念だったけれど、ラストは役者らしい終わり方だなぁと思いつつも物悲しいかった。 いやぁ、歌舞伎を見に行きたくなる!
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