国宝(下) の商品レビュー
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本家の息子が復活 ヤクザの息子は悪役 それで互いに成長していく 海外公演も経験 ヤクザの20周年の宴会によばれる 芸人となったほうは断った 宴会に警察が踏み込み、自分の経歴がばれる 幼馴染は足を失ったが、それでも演じた 病は全身に転移して死亡 長崎のヤクザの息子は国宝となった
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上下巻一気読み! 重たい出来事満載ではあるが、語り口があっさりとさせ しかも、ときに華やかに、ときに情景深く、読み進められた。 下巻 歌舞伎にのめり込む喜久雄の一生 歌舞伎の華やかな部分と裏での葛藤、苦悩、孤独。 俊介、喜久雄、春江、徳ちゃん、子どもたちなどなど多くの人との人間...
上下巻一気読み! 重たい出来事満載ではあるが、語り口があっさりとさせ しかも、ときに華やかに、ときに情景深く、読み進められた。 下巻 歌舞伎にのめり込む喜久雄の一生 歌舞伎の華やかな部分と裏での葛藤、苦悩、孤独。 俊介、喜久雄、春江、徳ちゃん、子どもたちなどなど多くの人との人間模様。 美を求めて、狂と現実がごっちゃになっていく喜久雄。 求めていた景色はあの日の雪景色。父の姿。 歌舞伎の舞台の美しさが、切ない。 ラストは圧巻であった。 徳ちゃん間に合ってほしかった。
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人間国宝となる歌舞伎女方の一代記。 著者のこれまでの作風を超えた渾身の力作だと思います。 特に地の文の視点と口調がドラマのナレーション調で、上巻では戸惑いましたが、下巻ではこの物語にピッタリで違和感を感じませんでした。 歌舞伎の演目についても簡単な紹介があり、この地の文だからこそ物語をぶち切られたように感じず、歌舞伎知識のない人でも物語と歌舞伎演目の関係が理解できると思います。 上巻は青春グラフティなのに対し、下巻は主人公の喜久雄を中心に俊介、春江、徳治、竹野、弁天の同世代の物語に前の世代、次の世代が絡んでくる大河小説となっています。 このままドラマ化しても面白いと思いましたが、最後の2章は圧巻で、脳内に直接映し出されるような主人公の描き出す完璧な美の世界は映像では表せないように思いました。 また、気になっていた伏線もすべて回収されたので小説としても完璧だと思います。 最後に、この小説が新聞連載中に著者のお父さんが亡くなられたようで、巻末の奉文がこの小説への著者の思い入れが表れていると思います。
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まさに上下巻あっという間に熟読してしまった。 長崎から始まった喜久雄の人生。そしてそして永遠の友、 ライバルでもあった俊夫二人の波乱万丈ながら、 どこか刹那く、美しい女形の桜の様に儚い人生観が 心を打つ。芸に生きる事は、光と闇を背負い孤高で崇高な 生き方でなければ成し得ないのだと...
まさに上下巻あっという間に熟読してしまった。 長崎から始まった喜久雄の人生。そしてそして永遠の友、 ライバルでもあった俊夫二人の波乱万丈ながら、 どこか刹那く、美しい女形の桜の様に儚い人生観が 心を打つ。芸に生きる事は、光と闇を背負い孤高で崇高な 生き方でなければ成し得ないのだとこの国宝で思った。
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はぁ〜、久しぶりにガチで引き込まれて読んだって感じ。 全体が3人称の語り口で書かれていて、物語全体が舞台で演じられているかのような雰囲気だった。 どんどん引き込まれていって、主役の喜久雄はどこへ行くのか、この舞台から目が離せない、そんな感じで終わりを迎えた。
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読み始め、舞台は長崎、そして登場するヤクザ達。吉田作品で私が一番苦手だった極道もの『長崎乱楽坂』の世界です。さて困ったなと思ったのですが、これが読んむと意外に軽い。いや、書かれている内容はドロドロと生々しい恩讐の世界なのですが、どうやら「~でございます」の語りが物語めいて、それを...
読み始め、舞台は長崎、そして登場するヤクザ達。吉田作品で私が一番苦手だった極道もの『長崎乱楽坂』の世界です。さて困ったなと思ったのですが、これが読んむと意外に軽い。いや、書かれている内容はドロドロと生々しい恩讐の世界なのですが、どうやら「~でございます」の語りが物語めいて、それを中和しているようです。インタビューの中で「これまでのキャリアを全部捨てるくらいの覚悟」と吉田さんが言うこの文体は、しかし後半の歌舞伎の世界で芸を突き詰めて行く主人公を描くにはちょっと軽すぎたようにも思います。 吉田さん、この作品の執筆にあたり四代目中村鴈治郎の知己を得て、全国の劇場を一緒に回り、ときには黒衣となって役者の呼吸を感じとったそうですが、そんな経験が物を言っているのか歌舞伎の世界を内側から描く事に成功しているようです。登場人物もみんな魅力的です。でもちょっと発散しすぎて、もう一つ生かし切れて無いかな。営業会社の竹野なんか、もっと奥深く面白い扱いが出来たような気がします。 それにしても色々な意味で大きな作品です。ちょっとジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』を思わせるような、あまり日本には無いスケールの大きな、力強いサーガでした。
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吉田修一「国宝」読んだ https://publications.asahi.com/kokuhou/ つまんなかった涙。映像化を意識したような作りでものすごく表層的というかそれこそドラマのノベライズみたいでこれが小説として書かれる意味はないと思う。人をちゃんと書ける作家なのに...
吉田修一「国宝」読んだ https://publications.asahi.com/kokuhou/ つまんなかった涙。映像化を意識したような作りでものすごく表層的というかそれこそドラマのノベライズみたいでこれが小説として書かれる意味はないと思う。人をちゃんと書ける作家なのに今回は役者サーガを描くことに執着しちゃったのかな(おわり
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好みのライバルものとして大変美味しゅうございました。 喜久雄の演技が見てみたい〜。 しかしここに出てくる人たち人間関係円満やな〜。
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下巻です! ヤクザの子として生まれた主人公の喜久雄は関西の歌舞伎界に芸養子として出され、そこで知り合った御曹司の俊介と切磋琢磨しながら芸を磨いていくという大河小説です。 上巻は、先輩等からの嫌がらせやいじめ、世間の風当たりなどもがむしゃらに夢に突き進む上では通るべき道のような気...
下巻です! ヤクザの子として生まれた主人公の喜久雄は関西の歌舞伎界に芸養子として出され、そこで知り合った御曹司の俊介と切磋琢磨しながら芸を磨いていくという大河小説です。 上巻は、先輩等からの嫌がらせやいじめ、世間の風当たりなどもがむしゃらに夢に突き進む上では通るべき道のような気がしたし、頑張る様はある意味微笑ましくもあり、単純に応援しながら読むことが出来ました。 また、豪華絢爛な衣装や舞台にうっとりする楽しさというか、私自身の心の余裕もありました。 が、下巻は読み進めるほどに喜久雄の芸への執念が凄まじく、唯々圧巻されるだけ。 能天気に応援なんてしていられません。 芸を極め抜くとは、「自分」というものでさえが邪魔になり、空っぽにならなければならない。 それが出来た喜久雄は「狂人」となりながらも、それを歌舞伎界が、世間が求めているというジレンマがあり、一方、才能があり芸を極めた万菊は、極め抜くためのあと一歩、自分を芸に明け渡すことが出来ずに苦しみ出奔してしまうという対比が、非常にわかりやすく胸を打ちました。 芸を極め抜いた人だけが見える景色を垣間見させてもらい、そこは素晴らしいどころか恐ろしい世界だと、へとへとになって読み終えました。
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下巻、花道篇は圧倒されっぱなし(^^) まさに一気読み(笑) 芸を極めるということは、常人で計り知ることができない域ですね。まさに"孤高"という表現がドンピシャです(^^) 娘からお父ちゃん、そないに長く何拝んでんの?の投げ掛けに、「歌舞伎が上手くなるなら、他...
下巻、花道篇は圧倒されっぱなし(^^) まさに一気読み(笑) 芸を極めるということは、常人で計り知ることができない域ですね。まさに"孤高"という表現がドンピシャです(^^) 娘からお父ちゃん、そないに長く何拝んでんの?の投げ掛けに、「歌舞伎が上手くなるなら、他は何もいらんから」ってお願いしてたんや。 家族であって、家族じゃない。ただ我が身との戦いに感情が高ぶります。
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