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国宝(上) の商品レビュー

4.3

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2019/01/16

 歌舞伎の物語ということで、なかなか手に取ることができなかった作品。でも、好きな任侠も絡んでいるし、吉田修一だし、一応読んでみるかと重い腰を持ち上げ手にしてみると、気づけば一気に物語に引き込まれている自分がいた。  巨大組織、立花組の親分を父親に持つ喜久雄は、年に一度の新年会で...

 歌舞伎の物語ということで、なかなか手に取ることができなかった作品。でも、好きな任侠も絡んでいるし、吉田修一だし、一応読んでみるかと重い腰を持ち上げ手にしてみると、気づけば一気に物語に引き込まれている自分がいた。  巨大組織、立花組の親分を父親に持つ喜久雄は、年に一度の新年会で歌舞伎の真似事を演じ、観る者を魅了していた。その新年会のさ中、立花組に敵愾心を燃やす宮地組が襲撃してきた際、親分を亡くした立花組。立花組は次第に勢力を欠いていく。  喜久雄はそんな中、大阪の歌舞伎役者、二代目半二郎の元に行き、歌舞伎を習うことになる。半二郎には喜久雄と同い年の俊介という子どもがいた。2人で競い合うように稽古に没頭していくが、やがて2人の進む道は明暗に分かれていき・・・。  いやあ、面白い!正直、興味がなかった歌舞伎が舞台の物語でこんなに夢中になるとは思いもしなかった。この2人、この先どうなるのだろう?続きが気になり続きが読みたくてしょうがない。今のところの評価は4で。下巻に期待!

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2019/01/11

その人に適した運命が開けているということかしら? 好きが仕事になると、かなり没頭してしまいそう。だって、好きなことをし続けるのって苦にならないもんなぁ。 苦戦しているが、何がきっかけになるのかはわからない。辛抱も時には必要か。

Posted byブクログ

2019/01/01

昭和を舞台に芸の道に邁進する男の激しくも真っ直ぐな生き様、上巻は長崎→大阪→東京と飛躍していく青春篇! 前半は長崎が舞台ということで、この老舗料亭もモデルになった料亭がすぐわかるし、色々と補足説明もしてあり、まずは吉田修一さんの長崎愛が感じられる嬉しい始まり方でした。他、出てくる...

昭和を舞台に芸の道に邁進する男の激しくも真っ直ぐな生き様、上巻は長崎→大阪→東京と飛躍していく青春篇! 前半は長崎が舞台ということで、この老舗料亭もモデルになった料亭がすぐわかるし、色々と補足説明もしてあり、まずは吉田修一さんの長崎愛が感じられる嬉しい始まり方でした。他、出てくる地名も馴染みあるとこが多く、これは地元民お得感満載です! 喜久雄が長崎を離れてからも、またいろんなドラマが待っていて、読み応えあり! 喜久雄と半二郎の息子、俊介の2人を中心にそれを取り巻く女性達、業界人、様々な人間模様が面白い! ただ新聞連載だったせいか、場面転換の早さが多少気になりました。あー、もう少しこの後読みたかった…と思わせる箇所も。特に舞台場面。「蜜蜂と遠雷」で言葉の世界でクラシック音楽のコンクールを味わったように、歌舞伎の舞台をもっと味わってみたかったなと思うのは私の我儘かなぁ。 でもそれ故か、生の歌舞伎を見てみたくなりました!出来れば歌舞伎座で✧‧˚

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2018/12/26

立花喜久雄の一代記。親はヤクザで、立花喜久雄は入れ墨も入れている。しかし、親は出入りで殺され、懇意にしている歌舞伎役者に預けられ、話は歌舞伎役者の話になる。歌舞伎の修行の厳しさ、水物の人気など舞台裏の話が面白い。あります調で語られて、講談風なところが珍しく、面白い。 『その辺り...

立花喜久雄の一代記。親はヤクザで、立花喜久雄は入れ墨も入れている。しかし、親は出入りで殺され、懇意にしている歌舞伎役者に預けられ、話は歌舞伎役者の話になる。歌舞伎の修行の厳しさ、水物の人気など舞台裏の話が面白い。あります調で語られて、講談風なところが珍しく、面白い。 『その辺りの情けない事情につきましては、ぜひ次章にて本人からの言い訳を少しばかりでも聞いていただければと、心よりお願いする次第でございます。』なんてちょっとないタッチだ。役者としては栄枯盛衰でいいことばかりではない。最後は莫大な借金を背負ってしまっている。後半盛り返すのだろうが、少し話としては停滞てしている感じもある。

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2018/12/25

鴈治郎さんのそばで黒衣になってみていたという記事だけで、本を読んだら任侠の話から始まってどうしようかと思ってしまった。文体が苦手だったけど引き込まれた。

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2018/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長崎のヤクザの組長の息子、喜久雄。新年会に父が殺された 仇討ちで失敗し鑑別所にいれられた徳次が大晦日に脱獄。 喜久雄が仇討ちしないことに不満。 相手ヤクザ組長が市議として中学に演説にきた。喜久雄がドスで刺す。手ごたえあったが皮の財布でカスリ傷。 ヤクザの息子の喜久雄を目の敵にしていた教師が、美談にするよう交渉。ドスも竹製として訴えなし。代りに喜久雄は長崎を追い出された。前日に徳次を自首させる為に長崎駅で待ちぼうけさせるが徳次は気が付き逃走。喜久雄の夜行列車に徳次が乗ってきて一緒に大阪へ。 歌舞伎役者に家で役者修行開始。同じ年の息子には競争相手が必要。秋田出身の芸子に会った日「あなたに人生をかけることに」「こんなこと長いこ考えてもわからない。」 若い二人の女形が話題になるが続かない。師匠が交通事故で代役で息子ではない喜久雄を抜擢。息子は納得するが失踪 映画に出演。端役ばかり。師匠の跡取りになる。師匠はその日に吐血。最後の舞台も立てない。息子の名を呼びながら死んだ。「戦メリー」みたいな映画出演。カンヌ受賞するが興味なし。東京にでるが歌舞伎に客は入らす。息子が部隊一座で人気がでていた。駆け落ちした元彼女と結婚し子供あり 失踪していた間の話はない。師匠の借金1億円をかたがわりしている。どんな仕事でもうけている

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2018/12/15

地元所縁の出雲阿国が京都で踊ったのが起源とされる歌舞伎に興味をもったのは2003年、阿国が踊ってのち400年を記念する年だった。衛星の歌舞伎チャンネルを契約し、のぼせて観まくる。その10年後に歌舞伎座が建替えられ、是非とも鑑賞せんと願うが田舎もんの辛さ。限られた上京の機会はもっぱ...

地元所縁の出雲阿国が京都で踊ったのが起源とされる歌舞伎に興味をもったのは2003年、阿国が踊ってのち400年を記念する年だった。衛星の歌舞伎チャンネルを契約し、のぼせて観まくる。その10年後に歌舞伎座が建替えられ、是非とも鑑賞せんと願うが田舎もんの辛さ。限られた上京の機会はもっぱら出張で、仕事の間隙を狙えども、にわかには席が得られず。まあ、この先年を経て退職後の楽しみにする。さて、下巻にますます期待を寄せながら、権五郎を殺めたのは辻村で???

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2018/12/09

極道の息子が父親の死後、紆余曲折を経て歌舞伎役者の道へ進む。物語の語り手が話を進行し、歌舞伎の世界の奥深さや難しさを説く。それがまるで歌舞伎の舞台を観に行っているかのように思えてきます。主人公が役者としてこの先どう花開くのか、、楽しみです。

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2018/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

公式HPより(あらすじ) 1964年1月1日 長崎は料亭「花丸」 侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。 男の名は、立花喜久雄 極道の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。 舞台は長崎から大阪、そして、オリンピック後の東京へ。 日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。 血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。 舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、 その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 初めて読んだ吉田作品。夢中になって3日ほどで読み終えてしまった。 極道一家の壮絶な抗争・解散から、喜久雄が歌舞伎役者として成長するまでが上巻。 俊ぼんと切磋琢磨している姿はとても微笑ましかったのに、やっぱりそのまま話がトントン拍子に進むはずもなく…でもあんな事があったら逃げたくなるよ。この辺は読んでて本当に胸が苦しかった。 白虎がいなくなってから強力な後ろ盾がいなくなるとこうなるのか…と残された喜久雄の立場もしんどい。 でも喜久雄には徳次や市駒・綾乃、俊ぼんには春江と絶対的な味方がそばにいてくれてよかった。 徳ちゃんいくつになってもイイ子や。 下巻も楽しみ。

Posted byブクログ

2018/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長崎の極道の息子に生まれた立花喜久雄が、歌舞伎と出会い、国宝となるまでのお話。 と言ってしまうと、簡単なのだが、山あり谷あり、とにかく波乱万丈な役者人生が描かれている。ハラハラ、ワクワクの連続な小説だった。 どんどん、妖艶になっていく喜久雄の姿が楽しみであり、それと反比例するように孤独になっていく彼の人生が不憫でもあり。しかし、それが読んでいて目が離せない。 ラスト、舞台から踏み出していっていまう三代目が、美しくて悲しくて、それでも幸福感に満ちているのを想像すると、涙が止まらない。 難しいかもしれないけど、映像で見てみたいなぁ。 徳ちゃん、弁天、春江、彰子、万菊、等々、主人公喜久ちゃん以外にも、魅力的な登場人物がたくさん。 好きだなー。

Posted byブクログ