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コンビニ人間 の商品レビュー

3.9

2735件のお客様レビュー

  1. 5つ

    650

  2. 4つ

    1122

  3. 3つ

    681

  4. 2つ

    111

  5. 1つ

    26

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2018/09/08

個性とかアイデンティティーとか言ってるけど、結局普通という枠にはまってないと生きづらいのか。確かに人間は得体の知れないものを排除したがる。 普段ミステリーとかファンタジーとか好んで読んでいるけれど、それとも全く異なる感性の作品。とても興味深い。他の作品も読みたくなった。 あくま...

個性とかアイデンティティーとか言ってるけど、結局普通という枠にはまってないと生きづらいのか。確かに人間は得体の知れないものを排除したがる。 普段ミステリーとかファンタジーとか好んで読んでいるけれど、それとも全く異なる感性の作品。とても興味深い。他の作品も読みたくなった。 あくまで淡々としている主人公に、ある種の狂気も感じたけれど、ホラーじゃなくてよかった。

Posted byブクログ

2018/09/08

「普通の人」とはについて、「普通ではない人」の目線から描かれる作品。 所謂、精神障害者と位置づけられる人の多くがここに含まれるのだろうが、その「普通ではない人」から見た「普通」の奇妙さがフラットな文体で物語を進めていく。 「○○人間」を演じているのは自分たちの方かもしれない。

Posted byブクログ

2018/09/05

普通ってなんだろう。 企業で働く。結婚している。子供がいる。生活している。養ってもらっている。 人それぞれに価値観があって、それが人それぞれの普通。 そこに「評価」という概念が、評価を必要としていなところにも生じてくるので、みんなと同じような行動を取らざるを得ない。

Posted byブクログ

2018/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川賞受賞作が文庫化。 作中のテンションにつられるように一気読みだった。あまりこういうハイテンションな作風のイメージがなかったので驚きもあった。過去作も読んでみよう。

Posted byブクログ

2018/09/13

コンビニ人間、すごいタイトルだ。 しかし、内容がちゃんとタイトルにかえってくる。 軸が何個かある気がする。福岡さんの動的平衡のようなもの(部分的に変わりながらも全体的には変わらない「コンビニ」という世界、それは主人公にとっての全体である)、「普通」なんてわからないが、ある種「均一...

コンビニ人間、すごいタイトルだ。 しかし、内容がちゃんとタイトルにかえってくる。 軸が何個かある気がする。福岡さんの動的平衡のようなもの(部分的に変わりながらも全体的には変わらない「コンビニ」という世界、それは主人公にとっての全体である)、「普通」なんてわからないが、ある種「均一」を強制されるようなコンビニで働くことにより「人間」となる、関わる人に影響を受け、またコンビニで働くことで役割を与えられることにより「人間」を保つ主人公。 いくつかの軸すべてが一つに向かっているのか、いや、もともとは、この作品のテーマは一つなのだろう、見事である。 合間合間に主人公が疑問に思うことが、とてつもなく哲学的な問いになっている。 まさに、「普通・正常・常識とは何か」を作品全体を通して問うている。 まっとうな人間なんていないはずなのに、いわゆる「普通」・正常でないと無理やりにでも直さなくちゃならなくなる世界に私たちもいる(そんなのおかしいよね)。 でも、主人公は必死に「人間」になろうとする、それがコンビニ人間だ。 白湯を飲むあたりに、その「何者でもなさ」を感じる。 「ねえ、指示をくれればわたしはどうだっていいんだよ。ちゃんと的確に教えてよ」 「コンビニの『声』が聞こえるんです」 「いえ、誰に許されなくても、私はコンビニ店員なんです。人間の私には、ひょっとしたら白羽さんがいたほうが都合がよくて、家族や友人も安心して、納得するかもしれない。でもコンビニ店員という動物である私にとっては、あなたはまったく必要ないんです」 一つ前に読んだ、『報われない人間は永遠に報われない』とは正反対と言っていいのかわからないが、『コンビニ人間』には整頓された、その構造美が、『報われない〜』には勢いと流れ、心地いい倦怠感があった。 2018.8.8

Posted byブクログ