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王とサーカス の商品レビュー

4

211件のお客様レビュー

  1. 5つ

    64

  2. 4つ

    83

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2024/08/29

2001年に起こったネパール王族殺害事件をモチーフにした、フリージャーナリスト太刀洗万智のシリーズ。往年のアジアの混沌とした雰囲気、実際に起こった事件とフィクションが交錯するストリー。二転三転する展開含めミステリーとしてもエンターテイメントとしても上質。後半に入るとやや真相は予測...

2001年に起こったネパール王族殺害事件をモチーフにした、フリージャーナリスト太刀洗万智のシリーズ。往年のアジアの混沌とした雰囲気、実際に起こった事件とフィクションが交錯するストリー。二転三転する展開含めミステリーとしてもエンターテイメントとしても上質。後半に入るとやや真相は予測が出来、暗躍した彼もしくは彼女の豹変がやや急すぎる感はあるものの、自分を含めて「サーカス」好きの野次馬根性を持つ大衆心理を揶揄するテーマ性もある。

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2024/07/31

終盤にかけて加速していく展開が心地良い 刺激を求める読者、つまり俺も共犯だよ 「知る」ことの快楽に溺れるなよ

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2024/07/25

作者は「青春の苦味」が持ち味というかそのように書かずにはいられない性質の作家だと思うけれどそれがハマる時もあればそうでない時もある。ただ、本作では主人公はフリーになった直後のジャーナリストとして、職業人としての覚悟を異国の地で問われるという形で苦味を描くので思春期の少年少女のそれ...

作者は「青春の苦味」が持ち味というかそのように書かずにはいられない性質の作家だと思うけれどそれがハマる時もあればそうでない時もある。ただ、本作では主人公はフリーになった直後のジャーナリストとして、職業人としての覚悟を異国の地で問われるという形で苦味を描くので思春期の少年少女のそれとして描くよりもうまくハマるように思う。本作はあくまでもそれらを描くための道具立てとしてのミステリという印象であまり鮮烈な謎解きの魅力は薄いけれどこれはこれで。

Posted byブクログ

2024/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。ネパールの土埃を感じた。実際におきたセンセーショナルな事件と殺人事件。結びつけたくなるような状況。でも、とどまった。それには「復讐」が忍び込ませてあった。途中、伏線からなんとなく犯人はわかった。サガルの頭のよさは子どもでは難しいような…。

Posted byブクログ

2024/06/27

緻密に伏線が張り巡らされた本格ミステリとしてはもちろん、他人の不幸を娯楽に変えて消費してしまうジャーナリストの危うさにも真正面から取り組んでいて読み応えありました。 この作家の持つ読後感の苦味や辛さが、きちんと美味として作用するのがすごいところ。

Posted byブクログ

2024/06/16

2024.6.16読了 伏線回収が見事。ネパールという異国の地を想像しながら読むのに時間は掛かったけど、犯人がわかってから最後まで、一気に読み進めてしまった。おもしろかった!

Posted byブクログ

2024/06/13

読む前は本のタイトルの意味はなんだろ?と思ってたけど、読んだ後にはなんて素晴らしいタイトルだろうと思った。 日頃からなんとなく感じてる事、報道する側と受け取る側の在り方を問われている。 ショッキングで残酷なニュースを完全な場所で娯楽として楽しんでいるところもある、と言われれば否定...

読む前は本のタイトルの意味はなんだろ?と思ってたけど、読んだ後にはなんて素晴らしいタイトルだろうと思った。 日頃からなんとなく感じてる事、報道する側と受け取る側の在り方を問われている。 ショッキングで残酷なニュースを完全な場所で娯楽として楽しんでいるところもある、と言われれば否定しきれない。 だったら世界で今起きていることを無視すればいいのか?いや、それも違う。 あと、一方向でだけ人や物事を捉えるのも、気をつけなければならない。人は見たいように見て、解釈しがちだから。人も物事も多面的なのだ。

Posted byブクログ

2024/06/18

前作の「さよなら妖精」は未読ですが問題なく楽しめました。主人公が落ち着いた大人の女性で安心して読めそう思っていたけど仕事熱心ゆえに意外と危ない橋も渡るし駆け引きもするからドキドキしながら、そしてネパールの街並みを想像しながら読みました。 ミステリーでありながら報道の在り方を問い...

前作の「さよなら妖精」は未読ですが問題なく楽しめました。主人公が落ち着いた大人の女性で安心して読めそう思っていたけど仕事熱心ゆえに意外と危ない橋も渡るし駆け引きもするからドキドキしながら、そしてネパールの街並みを想像しながら読みました。 ミステリーでありながら報道の在り方を問いかけるノンフィクションのような一面もあり考えさせられる作品です。大半の人が次の日には忘れてしまうようなニュースであっても伝えること・知ることに意味があり、記憶の片隅にでも残れば蓄積して、またあるとき繋がって何かを変える力になることもあるのかな、なんて漠然と思ったり。結末がわかっていても再読する価値のある本だと思うのでまたいつか読みます。

Posted byブクログ

2024/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最高に面白かった!! まずは、ネパールの街並み。行ったことはないが、色や匂い、音、土煙まで想像でき、まるで旅行に訪れたかのように感じられた。 次に事件。ネパールの王族の事件が現実にあったことだとは知らずに読み進めたが、わかりやすく、止まらず読めた。 中盤に出てくる、ジャーナリズムの意義とは?と問答するシーンが非常に印象に残った。そして、「王とサーカス」と言うタイトルに興味を持てずに、今まで手にとらなかったことが嘘のように、印象深い言葉になった。 また、途中でこの人が怪しいと思った人が犯人で、わかった気になっていたが、最後の最後、サガルのところは全く気づかず、全て知らされていたことなのに衝撃を受けた。 真実とは、立場や見方で容易くかわるものであるし、信念があるから正義というわけではない。 この誰もが情報を発信できる時代だからこそ、多くの人におすすめしたい1冊になった。

Posted byブクログ

2024/06/04

実際にネパールで起こった事件と、フィクションの殺人事件を織り交ぜたミステリー。 犯人と動機は早い段階で予想できてしまい、意外性はそれほどなかったが、海外で起こる事件を扱う作品はあまり読んだことがなかったので面白く読めた。

Posted byブクログ