死に山 の商品レビュー
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謎が解明されるまでは正直冗長に感じてしまった。でも、著者が要因と考える説にはある種の夢があるというか、どんなことにも要因はある、調査と研究が進めば世の中はもっと良くなるだろう、まだまだ先は長い、明るい、とすごく前向きな気持ちになれたことを覚えています。意外な読後感でしたが読んで良かった本、手元に置いておきたい本のひとつ。
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事件当時1959年、執筆当時2012年前後、と並列で語ることでスリリングな展開と、その場にいるような臨調感が得られた。情報があふれ、知たり顔で正論モドキの意見がまかり通る現代こそ、経験に勝る説得力なし、と気づかせてくれる良書
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ウラル山脈で起きた不可解な遭難事件。 ノンフィクション・ミステリーに興味を持て借りてきたのですけど、皆さんのレビューを読んでおなか一杯になってしまいました。 返却期限もきてしまい途中撤退でしたw 私としては、宇宙人説とか陰謀説を支持したいww
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世界一不気味な遭難事故。 この事件は、かなり前に再現ドラマ系のバライティーで見たことがある気がして手に取った。 朧げな記憶だけど、そのテレビでは・矛盾脱衣・体温低下による幻覚で構成されていた気がする。 (アンビリーバボーで見たと思っていたが、そこでは本書と同じ音波説が出ていたので勘違いかな?) 未解決事件という事でゾッとする不気味さを求めて読み進めたが、メンバーの日記と共に旅の楽しそうな様子が書かれていて冒険を覗いているようでとても楽しかった。 事件の真相のついても、実直に求められた答えという感じで説得力があった。 追伸 今回の読書を通じて、過去に見た再現ドラマが気になり、その道すがらいろいろなネット記事や動画を見た。けれど、本書発行となる2018年以降の記事でさえどれも雪崩説!だが未解決!というものが殆どで、ネットの記事といえど本一冊も読まずの書くんだなと妙な気持ちになった。 本を手に取ってみて良かったです。
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世界一不可思議な遭難事故の原因が知りたくて読み始めたけど、悲劇の被害者としてではない普段の若い大学生達の姿が描かれていて、胸をつく。白黒のメンバーの写真を見ながら、読み進めていくので、一緒に旅をしているような気分になった。分厚いけど意外と気にならず読めた。誰の責任でもなく、ベスト...
世界一不可思議な遭難事故の原因が知りたくて読み始めたけど、悲劇の被害者としてではない普段の若い大学生達の姿が描かれていて、胸をつく。白黒のメンバーの写真を見ながら、読み進めていくので、一緒に旅をしているような気分になった。分厚いけど意外と気にならず読めた。誰の責任でもなく、ベストを尽くしても避けられなかった悲劇。遺族にも慰めになるだろう。
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1959年ソビエト連邦のウラル山脈でおきた学生トレッカー9名の不可解な遭難死亡事故、いわゆる「ディアトロフ峠事件」の真相に、現代のアメリカ人のドキュメンタリー作家が迫る。事件のことはテレビ番組などで朧げに知っていた程度だったが、不可解な死にお決まりの安易な陰謀論に振り回されず(振...
1959年ソビエト連邦のウラル山脈でおきた学生トレッカー9名の不可解な遭難死亡事故、いわゆる「ディアトロフ峠事件」の真相に、現代のアメリカ人のドキュメンタリー作家が迫る。事件のことはテレビ番組などで朧げに知っていた程度だったが、不可解な死にお決まりの安易な陰謀論に振り回されず(振り回されかけてはいるが)、体当たりで泥臭い調査のあらましと、学生達が事件に至る道程を日誌や写真から再構成し、現代と過去を行き来しながら、事件当日に向けてじわじわと盛り上げる手法はドキュメンタリー作品としてもよくできている。結果「考察された真相」は、他の複数の納得度の高い「考察された真相」のひとつに見合うものだと納得できたので、そういう意味でも結論の肩透かし感がないのはよかった。
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力作だ。 陰謀論や超自然的現象、はたまた馬鹿げた外的要因(UFO)などにいくらでも逃げられそうなものを現地まで赴いて真相に迫っていく著者には頭が上がらない。 丁寧な謎解きから明かされていく真実は呆気なさを覚えたが、歴史や国家の闇に消された事件は今も世界のどこかで日の目を見る日を待...
力作だ。 陰謀論や超自然的現象、はたまた馬鹿げた外的要因(UFO)などにいくらでも逃げられそうなものを現地まで赴いて真相に迫っていく著者には頭が上がらない。 丁寧な謎解きから明かされていく真実は呆気なさを覚えたが、歴史や国家の闇に消された事件は今も世界のどこかで日の目を見る日を待ちわびているのだろう。良い一冊だ。
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70年近く前、実際にロシア(当時ソ連)ウラル山脈で起きた不気味な遭難時件をアメリカ人ドキュメンタリー映画作家が紐解いて行きます。 関係者への取材、現場検証、専門家を交えた最新科学での検証。丁寧に書かれていて、面白いのですが、読むのに根気のいる作品でした。
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数年かかってしまったが読了。注目すべき彼が行き着いた、答え、は数ページであっけなく解明されたが、説得力はある。気象状態が非常にレアなケースだったのと、テント設営場所がキーだったのかも知れない。 有名な事件だからYOUTUBEなどで概要は何度も観てはいたが、本著者は映像の監督らしく、けっこう文章は読み応えのあるドキュメントだった。
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1959年にロシア西部のウラル山脈で起きた遭難事故を、50年あまりの時を経て、アメリカ人の映画作家が再捜査する。彼は自ら事故現場の山に赴き、自国のみならずロシアの知識人たちにも協力を仰ぎ、事件当時にはなかった科学技術や新しい理論を駆使して、事故の真相を究明する。 当時考えられていた雪崩説、強風説、殺人説、地球外生命隊の襲撃説などをひとつずつ消去法で否定していくが、その結果、最後には考えられる可能性が何も残らず、著者は途方に暮れる。しかし、事件から50年を経た2013年、世界には新しい理論が多く出現した。そのうちの一つ「カルマン渦列」という現象に、ずっと求められていた答えがあることに一人の科学者が気付く。これを元に著者は、本書の最終章で、事故当日のトレッカーたちの状況を再現することについに成功する。 この本は、全体が3つのストーリーに分かれている。一つめは、遭難してしまったロシア人学生のグループの、出発から事故当日までの足取り。二つめは、下山予定日を過ぎても一向に帰ってこない彼らを探す家族、捜索隊、警察、ロシア当局の動き。三つめは、2013年にこの本を書くに当たって行った著者の捜査。この三つが順番に並行して語られることにより、すべてのストーリーがそれぞれ少しずつ核心に近づいていくという画期的な構造だった。文字を追っているだけなのにドキュメンタリーを見ているかのような臨場感があって、すごく分厚いけれどあっという間に読み終わった。もし著者による最終的な再現が誤っていたとしても、少なくとも大きな矛盾は孕んでいなさそうな可能性がひとつ提示されたことにより、残された遺族や関係者たちが少しでも報われていればいいと思う。
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