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死に山 の商品レビュー

4.1

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    3

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2020/02/01

1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。9名の学生登山サークルのメンバーは、吹雪の中、テントから一キロ以上離れた場所で、凄惨な死を遂げる。衣服をろくに着けておらず、靴も履いていない。三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を失っている。遺体からは異常な濃度の...

1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。9名の学生登山サークルのメンバーは、吹雪の中、テントから一キロ以上離れた場所で、凄惨な死を遂げる。衣服をろくに着けておらず、靴も履いていない。三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を失っている。遺体からは異常な濃度の放射線が検出された・・・最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ。なんでこんな縁起の悪いタイトルの本を選んだんだろうか。よくある都市伝説ではないか、と思ったが、読み進めると止まらない本。本書としての結論に驚かされる。ネットでいまだに世界中で様々に語られる事件であるが、ネットの向こうにリアルな人間がいて、真実があると強く感じる。

Posted byブクログ

2020/02/05

NHKのミステリー番組を見たときは謎のまま終わっていたので、本書ですっきり。予備知識があったのですんなり読めた。どんなに準備をしたところで、この土地に留まってはいけなかったのね。実に不幸な事故。

Posted byブクログ

2020/01/20

ツイッターでアライさんの投稿にてこちらの書籍を知りました。 事件に関しても知らないまま読んだのですがなんとも引き込まれました。そしてアイカーさんの執念と探究心がすごく伝わってきました。初めの方に事件で亡くなった方達の顔写真や現地のルートの図形が載っているので、この子はどの子だ?...

ツイッターでアライさんの投稿にてこちらの書籍を知りました。 事件に関しても知らないまま読んだのですがなんとも引き込まれました。そしてアイカーさんの執念と探究心がすごく伝わってきました。初めの方に事件で亡くなった方達の顔写真や現地のルートの図形が載っているので、この子はどの子だ?と分からなくなった時にすぐ照らし合わせられたのが便利!後半は警察の方や研究者?他にもたくさんの人物が出てくるのでリストがないと混乱します。なので後ろのページに職業を含めたリストがあるのは本当に助かる! 物語のほとんどは引き返して生き残った方の話をもとにしてるから本当に辿っているようでワクワクして読みました。当時亡くなった方の遺品で、残っていた日記やフィルムを現像したものが多く載っている為、メンバーの様子や雰囲気も表情から汲みとれやすいのもよかったです。(不謹慎ですが、失踪事件が大好物なわたしにはドキワクもの) 読み終わって数ヶ月後に、再放送のアンビリーバボーでこの事件が取り扱われていて、映像で見られたのは良かった!!けど吹雪いてるシーンで画面はそれなりなのに、隊員たちの服装に雪がこれっぽちも付いてなかったりと演出としてちょっぴり残念で気になりました。。

Posted byブクログ

2020/01/12

読んでみて「こんなことって、あるんだなあ」と、何とも言えない気持ちになった。最悪な条件下の場所にテントを設営してしまったトレッカー達が気の毒でならない。 彼らが残した写真や日記が、この災難をより生々しく伝えている。カルマン渦や超低周波音のことなどまったく知らなかったので、その点で...

読んでみて「こんなことって、あるんだなあ」と、何とも言えない気持ちになった。最悪な条件下の場所にテントを設営してしまったトレッカー達が気の毒でならない。 彼らが残した写真や日記が、この災難をより生々しく伝えている。カルマン渦や超低周波音のことなどまったく知らなかったので、その点でもこの本を読んで良かったと思う。 また、著者のドニー・アイカーが言うように、彼らは最期まで自分と仲間たちの命を守るために闘った。ドニーの「事件の真相を知りたい」という使命感のような情熱がなかったら、若きトレッカー達の勇気と友情はこのまま歴史に埋もれてしまったのだ。真相がわかって良かったと心から思う。

Posted byブクログ

2019/12/31

『死に山』とは、なんとも不気味な題名である。出版当初、気にはなったものの、何故か手に取ることはなかった。ここに来て、急激に興味が湧いたのは何故なのか。いまだわからない。 この遭難事故のことは、全く知らなかった。 遭難事故の被害者であるトレッカーたちの死様は一様に不気味であり、...

『死に山』とは、なんとも不気味な題名である。出版当初、気にはなったものの、何故か手に取ることはなかった。ここに来て、急激に興味が湧いたのは何故なのか。いまだわからない。 この遭難事故のことは、全く知らなかった。 遭難事故の被害者であるトレッカーたちの死様は一様に不気味であり、何故遭難したのか多くの謎があった。 その謎を一つ一つ解明し、結果全ての謎が解けたわけだが、やはりあの山は『死に山』で間違いはない。

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2019/12/10

事件を調査する筆者・事故に遭った学生たち・当時事件を調査した人たちという3つのパートが代わる代わる進んでいくためちょっと引き伸ばし感がある。特に筆者パート。まあ本筋だけ描いてしまうとWikipediaサイズで終わっちゃうから仕方ないけど……。しかし当時の雰囲気がよく伝わってくるし...

事件を調査する筆者・事故に遭った学生たち・当時事件を調査した人たちという3つのパートが代わる代わる進んでいくためちょっと引き伸ばし感がある。特に筆者パート。まあ本筋だけ描いてしまうとWikipediaサイズで終わっちゃうから仕方ないけど……。しかし当時の雰囲気がよく伝わってくるし、ミステリとしても読めなくもない一応の解決があるのは見事。

Posted byブクログ

2019/12/02

1959年に起きた遭難事故で9人のロシア人が犠牲になった。不思議なことに、彼らはほとんど防寒具を身につけていない状態で発見された。この異常事態がその後、長きにわたって様々な憶測を呼ぶことになる。本書はその真相解明に挑み、ひとつの仮説を提唱する。 事故前後の時系列と、事故から50...

1959年に起きた遭難事故で9人のロシア人が犠牲になった。不思議なことに、彼らはほとんど防寒具を身につけていない状態で発見された。この異常事態がその後、長きにわたって様々な憶測を呼ぶことになる。本書はその真相解明に挑み、ひとつの仮説を提唱する。 事故前後の時系列と、事故から50年を経て行なった著者の調査を交互に示していく書き方は、推理小説を思わせる。多くの資料を読み込んだうえで構成された事故当時の記述を読むと、犠牲者や関係者の様子が目の前に思い浮かぶ。その意味でも、本書は小説を読むように、先へ先へと読み進めたくなる本だ。 巷で言われている仮説を、説得力ある説明でひとつづつ消していき、最終的に1つの仮説にたどりつく。読んでなるほどと思う。 本書を読み終えた人のなかには、どうも腑に落ちないものがあると感じる人もいるだろう。この点が推理小説との違いだ。なぜなら、仮説はあくまで仮説であって、厳密な意味での真相ではないからだ。結局のところ、真相は分からないだろう。

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2019/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 もう半世紀以上も前のロシアでの山岳事件(事故)だ。  1959年2月、ソ連のウラル山脈で大学生ら男女9名の登山パーティーが遭難。遺体はテントから離れた場所で、全員靴も履かず薄着という状態でバラバラに発見された。さらにテント内は荒らされた様子もなく、ソ連当局は「未知の不可抗力による死」との結論で捜査を終了した。  近年、ロシア関係サイトで、新説発見とか、映像化等の話題で見かけることも増えたが、ゴルバチョフ時代のグラスノスチの80年代まで捜査資料も非公開で、その後徐々にロシア国内、ロシア関係者に知れわたり、近年のインターネットの発展で、一気に人口に膾炙したという良い例だろう。  実際、この著者もインターネットで事件のことを知り、 「盛んにインターネットめぐりをしたものだ。そうこするうちに、信頼できるものもあやしげなものも、簡単に入手できるオンラインの資料はあっというまに漁り尽くしてしまった。」  と語る。こうして当事国でない者が事件を掘り返し、その謎に迫る。実に現代的なノンフィクションだと感じる。著者が「信頼できるものもあやしげなものも」あるとするオンライン情報。ゆえに、著者は実際に現地を訪れるという行動に出たところが、本書の白眉だ。  解説で写真家の佐藤氏が「いたずらに言及者だけが増えつづけ、伝言ゲームで出来事が複雑化、肥大化していくことはネット以降の社会のあらゆる場面で見られること」と言うように、便利な世の中になったとはいえ、実のある果実は、自分の足で動き、その手でつかみ取らないと価値はないという好例が本書。  ドキュメンタリーの映像作家だという著者。もちろん行動を起こしたのは、そのドキュメンタリーをものしてやろうという野心もあってのことだろう。興味半分の趣味の域を越えているのは当然のことだ。  本書の内容も、おそらく著者の頭の中にあったろう、映像作品としての見せ方を踏襲したものになっていると思われる。章立てが、①遭難に遭うパーティー=イーゴリ・ディアトロフを中心とした山岳グループの行程(1959年1月末~2月1日)、②遭難後の捜査の行方(1959年2月1日以降) ③著者によるディトロフ一行の旅路のトレース(2012年)と、この3種類の内容が交互に記載されている。映画で場面が切り替わっていくのが見えるようで、読者を飽きさせない良い工夫だ。  映像的な内容と、ネット情報や資料だけに頼らず、実際に現地に赴いた③の成果もあり、著者なりの「真相」に迫っていく筆致が実にお見事。  そして最終章は、たどり着いた真相の仮説に基づいた、①の再現フィルム仕立てだ。この最終章、映像作家であれば、CGも駆使し、しっかり役者を使って再現したくなるだろうなあと、ワクワクしながら読める。実にドラマチックで映像的な文章となっている。  こうして、構成、筆致、実地調査の結果を踏まえた迫真の読み応えあるノンフィクションが出来上がったが、なにより1950年代のソ連時代の若者たちのありのままの生態が描かれている点が、実は素晴らしいところでもある。  恐らく若い著者は、ソ連時代や冷戦構造といった、米ソ(米ロ)間の確執の影響の少ない世代なのかと拝察。故に、謎の大国ソ連(ロシア)というイメージ先行でストーリーを組み立ておらず、また単なる興味本位での謎解きに終始せず、実際に生ある9人の若者たちが、如何に暮らし、如何に青春を謳歌し、そして「死の山」に自分たちの足跡を刻むことになったのかを真摯に描いていて好感が持てる。好著也。

Posted byブクログ

2019/10/31

この本の結末が真相かは誰にも分からないけど、UFO説に比べたら現実的な結末。 トレッカー達、捜索者、筆者の3つの視点で話が進むので途中ダレることなく読めました。 真相と書かれていてもやっぱり彼らは何か未知との遭遇をしてしまったのではないかと思ってしまうくらいには不気味さが残っ...

この本の結末が真相かは誰にも分からないけど、UFO説に比べたら現実的な結末。 トレッカー達、捜索者、筆者の3つの視点で話が進むので途中ダレることなく読めました。 真相と書かれていてもやっぱり彼らは何か未知との遭遇をしてしまったのではないかと思ってしまうくらいには不気味さが残ってしまう

Posted byブクログ

2019/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても面白い! ノンフィクションだけど、全く知らない世界の話で、重く厚い本だったけど、2日で読んだ。 通勤電車の中で読んでいて、降りたくない、と思ったり。 真相は誰にもわからないだろうけど、私はこの解説に納得できた。

Posted byブクログ