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復活の日 改版 の商品レビュー

4.4

52件のお客様レビュー

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2020/10/01

「復活の日」小松左京 バイオサスペンスSF。灰色。 コロナ禍で再評価されてるので手に取りました。重厚長大なハードSF。世界滅亡"直前直後"のSFって、考えてみたらあんまり読んだことないかもしれない。 これ、3月頃のコロナ拡大期に読んでたらかなり流行に対する...

「復活の日」小松左京 バイオサスペンスSF。灰色。 コロナ禍で再評価されてるので手に取りました。重厚長大なハードSF。世界滅亡"直前直後"のSFって、考えてみたらあんまり読んだことないかもしれない。 これ、3月頃のコロナ拡大期に読んでたらかなり流行に対する考えが違ってたかもしれないな。と思う。つまり、さすがにこんなに破滅的にはならないけど、でも一部の社会インフラの麻痺とかあり得てしまうのでは、、みたいな。 実際、緊急事態宣言下での通勤ラッシュの消え方は凄かったからなあ。 全体通すと、第2部以降は要らなかったな、、という感想が正直なところ。 あと、ヨシズミはじめ4名の最後の夜のエピソードは、さすがに今の時勢では受け入れがたい。 不朽の名作。(4)

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2020/09/24

2020年、コロナウイルスが世界を席巻した。そこで話題になったのがウイルスの流行を題材とする本作。 脅威の死亡率を持つ謎のウイルスが世界に流行し、人類は存続の危機に瀕する…という内容。 まず第一に、ある種の読みづらさは否めない。古典SFに特有の冗長さは見受けられた。何よりも本...

2020年、コロナウイルスが世界を席巻した。そこで話題になったのがウイルスの流行を題材とする本作。 脅威の死亡率を持つ謎のウイルスが世界に流行し、人類は存続の危機に瀕する…という内容。 まず第一に、ある種の読みづらさは否めない。古典SFに特有の冗長さは見受けられた。何よりも本題に入るまでが長い。 第二に、パニック映画のような、人々が大混乱に陥る描写は意外と少なかった印象。それよりもむしろ、渦中の人物にスポットライトが当たる。ウイルス研究に携わった科学者や、その辺縁の軍人などが登場する。彼らの葛藤や職務遂行の描写が多かったように思う。 そういう意味では、静かに、しかし着実に人類はその危機に向かっていくという、そんなストーリーラインだった。エキサイティングな読書体験を期待してはいけない。 しかし総じて、悪くなかった。コロナウイルスによる混乱を経験した今、本書のある種、予言的だった。流感の描写はやけにリアルで、没入感を持って読ませた。 驚くべき速度で人が死んでいくので、謎のテンポ感があった。 第一章の最後、ある人物が独白的に「歴史のif」を問いかけるシーンは痛切さを感じさせた。 ラストシーンは「悪意が悪意を洗い流す」と言った終わり方。かなりフィクションだけど、寓話的だしSF的。これはこれで面白かった。 また、特筆すべきは年代設定。本書が書かれたのは1964年。本書の時代設定は50, 60年代だと思われる。当時の日本社会の空気感を面白く読んだ。人々が長寿に対して楽観的なのが印象的だった。長生きすることの負の側面が、社会全体で今ほど認知されていなかったと推測。 総論。SF小説として、あるいは単に小説として、必読かと問われれば答えに窮する。自分はそれなりに面白く読めたけど、受け付けない読者もいるだろうな、という評価になる。 (書評ブログの方も宜しくお願いします) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E6%BB%85%E4%BA%A1SF_%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E3%81%AE%E6%97%A5_%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E5%B7%A6%E4%BA%AC

Posted byブクログ

2020/09/22

50年以上前にこの本が執筆されたと思うと恐ろしい。 パンデミックを通じて文明の発達と人間の理性を超えた倫理観が詳細に書かれている。 コロナ禍で読むのにはぴったりな本 自然には打ち勝てないし、もっと言うと人間が倫理観を捨てて行動すると非自然が生まれ世界が崩壊することが分かる

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2020/09/07

現在のコロナ禍を1960年代に予言したかのような内容に驚くばかりです。この本をきっかけにもっとSF小説を読みたくなりました。

Posted byブクログ

2020/09/06

特にウイルスに関して、他もだけれど、描写の現実感が中々これまでに読んだことのないようなもので、読み応えがあった。だからこそなのだろうけれど、難しいことを語る部分など、何が言いたいのか分かりにくく読み辛いところがいくつかあった。 200905

Posted byブクログ

2020/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

細菌兵器や核兵器等、持つことで抑止力になっている間はいいけど、ヒトは間違いや思い込みをする生き物だから、この本みたいな事も起こりえて怖い。 偶然が重なって人知れず漏れでた細菌兵器によって、人類はあっという間に一部を残して死滅する。 人類の繁栄がずっと続くなんて保証はどこにもない。

Posted byブクログ

2020/08/10

いやこれ。日本沈没より面白いでしょ。 と思ったら映画化もされてる模様。 ただ、SFの映画化はどうしても作中の世界をサイズダウンさせてしまいます。 新型コロナウイルスの時代に改めて読むべき1冊です!

Posted byブクログ

2020/07/04

コロナ禍で未読の本作に着手。読み始めたのが3月で、死体が累々と横たわり始めたところを読んでいるときに欧州の高齢者介護施設でスタッフが逃げ出して施設に死体が並んでいたニュースが流れていて、現実と書物の世界が重なってゾッとした。映画の印象があるので1970-80年代に書かれたものだと...

コロナ禍で未読の本作に着手。読み始めたのが3月で、死体が累々と横たわり始めたところを読んでいるときに欧州の高齢者介護施設でスタッフが逃げ出して施設に死体が並んでいたニュースが流れていて、現実と書物の世界が重なってゾッとした。映画の印象があるので1970-80年代に書かれたものだと思っていたら、私が生まれる前、1960年代の作品だと知って驚き。癌に関するくだりを除けば全く古さを感じさせない。これほどの科学的知識と考察力がある作家だと、現実になったことを考えて怖くなるのではないだろうか。東日本大震災に作者は何を見たのだろう。もし存命だったら今の状況をどう見ただろう。 (結末は異なるが)ネビル・シュートの『渚にて』といい、人類の最後の生き残りは地球の南にいることになるのだろうかと思っていたら、作者は『渚にて』を参照したらしい。 生頼範義が描いたこの表紙が当時の映画のポスターだと思って購入したのだが、調べてみると違っていたらしい。この画が好きだけど、読み終えるとストーリー盛り込みすぎではとも思う。

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2020/05/28

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。 傍らには引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。中には感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。 春になり雪が解け始めると、ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然するなど...

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。 傍らには引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。中には感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。 春になり雪が解け始めると、ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然するなど、各地で奇妙な死亡事故が報告され始める。 人類滅亡の日を目前に、残された人間が選択する道とは。 (あらすじより) 新型コロナウイルスで復刻したのかな? 確かに現在の状況に似てますね。 作品の中の致死率はえげつないですが。 なかなかの読み応えでした。 しかし、表紙はこうゆうほうが好きだなぁ 最近の表紙はお洒落すぎるし、タイトルで語りすぎるの

Posted byブクログ

2020/05/23

未知のウイルス、世界規模パンデミック…予言の書だと聞き、手にした。科学的解説・宇宙の歴史など、設定がかなり本格的で驚く。世界各国の政治・経済の思惑の絡み合い。このご時世、真っ只中に読むシュールさよ…人間の愚かさ、願い、いつの時代も変わらぬものを感じる。

Posted byブクログ