歪んだ波紋 の商品レビュー
誤報 フェイクニュース 捏造記事。 散らばって起きる事件が、ラストに向けてひとつにまとまっていくのは面白かった。情報操作なんて現実でも普通に行われてると分かってはいるが、こういう作品読むとな…虚しいし、読み取る力や見極める感みたいなものを磨いていかないとまずいよな〜って思う。 ...
誤報 フェイクニュース 捏造記事。 散らばって起きる事件が、ラストに向けてひとつにまとまっていくのは面白かった。情報操作なんて現実でも普通に行われてると分かってはいるが、こういう作品読むとな…虚しいし、読み取る力や見極める感みたいなものを磨いていかないとまずいよな〜って思う。 三反園さんのお母さんの怪我って…と疑ってしまうほど深い闇。
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新聞記事の捏造に関わった中島有一郎と桐野弘の話「黒い依頼」を皮切りに、相沢正和の執念を描いた「共犯者」、盗撮事件の裏側を解明しようとする野村美沙の「ゼロの影」、ビデオ映像の捏造を追いかける吾妻裕樹の「Dの微笑」と4つの短編を読んで最後の表題作には何かがありそうだと感じていたが、三...
新聞記事の捏造に関わった中島有一郎と桐野弘の話「黒い依頼」を皮切りに、相沢正和の執念を描いた「共犯者」、盗撮事件の裏側を解明しようとする野村美沙の「ゼロの影」、ビデオ映像の捏造を追いかける吾妻裕樹の「Dの微笑」と4つの短編を読んで最後の表題作には何かがありそうだと感じていたが、三反園邦雄が完璧に騙される落ちはぞくぞくする.韓国籍の安大成の以前の行状が、通奏低音のように全編に絡んでいたことが印象的だった.面白かった!
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初の作家。マスメディアの歪み方がいろんな人の視点から書かれていて面白かった。他の作品も読んでみたい。
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新聞、テレビ、ネット…様々な媒体による報道の誤報事故。それらの波紋が複雑に絡み合うとき、昭和末期から平成の世をかけぬけた、バブルの象徴ともいうべき大きな黒幕が浮かび上がってくる… という、壮大な構成を目指したんだろうけど、構想に物語が乗り切れてない感じがした。 あれも誤報、これもフェイク、嘘にまみれて結局全部ウソ。その刹那感を描きたかったのかもしれないが、フィクションの中とはいえ、ウソばっかり読まされてたら辟易してしまって、なんだか物語に入り込めなかった。残念ながら小説としては決して読ませるものではない。 ただし、この小説が伝えたい現状と言うのは非常に共感が持てた。政治や大企業など大きな権力影響力をもつ連中が、我々市民の影で悪だくみや陰謀やらを勝手に行わせないように、行えばそれを情報共有できるために、安全装置として報道機関必というものは絶対必要なはず。 だが、現実のマスコミってのは、そんな上等なものではない。 ワイドショー(そもそもこのネーミングセンス自体が笑える)、民放のニュース番組、ヤフーニュースのコメント欄…報道の自由を無駄使いし、報道の権利を意図的に誤用している類のいかに多いことか。 マスコミ業界の劣化も嘆かわしいが、これがニーズとなる我々ユーザー側の劣化もどれだけひどいことか。 俺なんかは、もういい加減辟易しているので、ニュースはNHKしか見ないし、新聞は会社で日経新聞を回し読みしてるだけ。それで十分生きていける。それでもクズニュースは入ってくるのだからネットってのは恐ろしいものではあるが。 必ずしも事実が報道されるわけでない…のであれば、報道を見聞する必要性はない。最低限の情報をできるだけくだらなさの少ない媒体から入手して、あとの時間はもっと有意義なことに使った方がいい。 そういう風潮の危険性が分からないわけではないが、ずっとウンコの臭いかがされて「それでもこれも事実の一面だ」とか言われたら、ウンコから遠ざかるのが本能ってもんやろ、って開き直るしかない。
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2020.10.08 長編かと思ってたので短編でびっくり。 人物関係が複雑で微妙に絡み合ってるから、あれ?この人誰だっけ?て前の話に戻ることも多々。 結局よくわからないまま読み終えてしまった。
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面白かった。短編の連作ながら、一気通貫で読まないと見落としてしまう。現代のメディアの恐ろしさを感じる。同じ記者出身の横山さんのティストにも通じる書き方が嬉しい。罪の声から読み出したがハマりそうである。続編の予感あり。
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連作短編中。どの主人公も新聞記者・元記者。全国区の大日新聞と、地方紙の近畿新報。 ・黒い依頼…近畿新報では、一大プロジェクトチームがあり、デスクと記者でスクープを立て続けに出していた。しかし、それはネット上でのフェイクニュースを利用したものだった。 ・共犯者…大日を定年退職した相賀。同僚が自殺したと聞き、遺品を整理する。昔の資料でヤミ金にからむ誤報があったことに気づく。 ・ゼロの影…大日で職場結婚し、退職した美沙。パート先の語学学校で起きた盗撮犯人を数日後こどもの保育園で見かける。あっさり保釈された上、警察からも、新聞からも報道がなかった。犯人の父親が大物弁護士だったのだ。 ・Dの微笑…近畿のデスク、吾妻。元上司に頼まれ、安大成なる人物を調べようとする。きっかけは深夜の情報バライティー番組だ。しかし、安の放送も、別のタレントセクハラ事件も、番組の放送作家がねつ造したものであった。 ・歪んだ波紋…元大日で、いまはネットニュース編集長の三反園。安大成のインタビュー記事を独占で報道できて喜ぶ。しかし、それは全くのねつ造であった。これまでの連作に出てきた記者が、既成のマスコミを壊すため、デマを社会に広め、信用を失墜させようと企んでいた様子。 どれも面白かったー。短編の中で状況がめまぐるしく変わっていくのは、新聞社というスピードが求められる職場が舞台になっているからだろう。連作なので、前の作品の登場人物が関わっていたりする。結局、本人は一度も出てこないが、バブル期の経済界大物安大成がちらちら関係する。どの記者も花形ではないけど、それぞれ誇りを持って働く様子は、「罪の声」でも見られていて、今回はお仕事小説の真面目版としても楽しめる。定年退職した相賀がかっこよかったなー。今でも地道に取材して、真実を追いかける様子が。
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誤報と虚報。フェイクニュース。そしてニュース自体を作り上げてしまうメイクニュース。意思と信念のもとに翻弄される人々。ネットニュースに踊らされる現代の闇を見ているような作品だっま。
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さすが 元新聞記者であった 塩田武士さん そこでの経験が さすがにリアルですね ネットニュースの「これから」を 予感させてもらえる作品でした 「書籍」の場合は 「紙」媒体と「電子書籍」媒体との 住み分けがますます出てくるような 気がするのですが 「新聞」の場合は どうなっていく...
さすが 元新聞記者であった 塩田武士さん そこでの経験が さすがにリアルですね ネットニュースの「これから」を 予感させてもらえる作品でした 「書籍」の場合は 「紙」媒体と「電子書籍」媒体との 住み分けがますます出てくるような 気がするのですが 「新聞」の場合は どうなっていくのでしょう…
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「罪の声」を書いた作家さんだと、後から気付きました 普段から疑問に思っていた、報道の誤報に関する小説です アメリカドラマ「ニュースルーム」をみたとき、調査報道の難しさを感じ、日本はどうなのかと思っていました 表現の自由を盾にされることが多いと感じますが、誤報への対応は十分なの...
「罪の声」を書いた作家さんだと、後から気付きました 普段から疑問に思っていた、報道の誤報に関する小説です アメリカドラマ「ニュースルーム」をみたとき、調査報道の難しさを感じ、日本はどうなのかと思っていました 表現の自由を盾にされることが多いと感じますが、誤報への対応は十分なのだろうかと思うことも多いです そこへ切り込んだ話です ラストはちょっとどうなのかなと思いましたが、現代的なテーマで共感できる内容も多かったです
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