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「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 の商品レビュー

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48件のお客様レビュー

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2022/06/26

セクハラに遭った。 人によってはそれは全然セクハラではないし、笑い飛ばせる人もいるのだろう。 たった一瞬、偶然エレベーターに乗り合わせた一瞬だった。 その一瞬、わたしは不躾なことを言われ、ものすごく混乱した。 その後に、怒りと悲しみと、自責に襲われた。 上司(男性)は力になって...

セクハラに遭った。 人によってはそれは全然セクハラではないし、笑い飛ばせる人もいるのだろう。 たった一瞬、偶然エレベーターに乗り合わせた一瞬だった。 その一瞬、わたしは不躾なことを言われ、ものすごく混乱した。 その後に、怒りと悲しみと、自責に襲われた。 上司(男性)は力になってくれようとした。 でもわたしは、自分が話をしたあとの上司の言葉や反応が怖くなって、結局「大丈夫です」と言って、詳細は話さなかった。 その後上司からはなんの反応もなかった。 それもそれでショックだった。 結局、わたしはどうしてほしかったのだ。 話を聴くと言われたら拒否するし、上司はわたしの言葉をそのまま受け取ってそれ以上踏み込まなかった。(面倒なことにしたくないからそうしたのかもしれないけれど) 結局どうなってももやもやするだろう。だから何もしなかったのだ。信頼できる人、笑わずに話を聞いてくれそうな人にだけ気持ちを吐き出した。それはそれで後悔はしていないのだけれど。 ちょっと上の階に行くだけなのにエレベーターを使ったわたしが悪かったのか、不愉快なことを言われて、うまく受け流せなかったわたしが悪かったのか。 いや、わたしは悪くないんだけど、それは分かっているのだけれど。不愉快なことを突然エレベーターのなかで言ってきたおじさん、いや、くそじじいが悪いのは分かってはいるんだけど、でも。 こちらが悪いと思わされてしまうのが、セクハラや性被害。もちろんパワハラもしかりである。 日常の中で少しずつその出来事のことを思い出さなくなっても、くそじじいに出くわせば一気に思い出すし、例えば家で一人でいる時とか、同じエレベーターに乗った時に、じっとりと思い出す。 ずっと鉛のように心の中に沈んでいるのだ。 フリーのライターをされている小川たまかさん。(最新情報じゃなかったらすみません) 性暴力被害当事者の取材をメインにされている。この作品は、2016年~2018年の2年とちょっとのブログの内容を大幅に加筆修正したものだ。最後には、性被害をメディアの前で訴えた伊藤詩織さんとの関わりも描かれている。 そんなに長くない作品ではあるけれど、読むのにものすごいエネルギーを使う。理不尽への怒りと悲しみ。しかしその理不尽は自らが引き起こしたのではないかと思わされてしまう性被害の構造。読みながら気持ちがぐらぐら揺れ、自分がされたこと、言われたことがどんどん頭の中に浮かんだまま消えないどころかそれに支配されていく。 決して心地のいい読書の時間ではなかった。決して全てを理解できたわけではない。わたしの想像力が及ばない描写だってあった。 例えば、電車で痴漢に遭った時、わたしも痴漢に遭う前は「声を出せ」と言われてきたし、そう思ってきた。ある日友人が「でもあれって声なんて出ないよね」と話しているのを聴いて「そういうものか」と思っていた。そしていざ自分が同じ状況に陥った時、混乱して声が出なかったのである。 結局何が言いたいのかというと、わたしは自分が同じ状況にならないと、きちんと理解できないということだ。かといって、ここに描かれていることを進んで経験していくわけにはいかない。 だから、ここに描かれている、必死の思いで話をしてくれた方や、小川さんご自身の経験のことを思って、少しずつでいいから、自分の想像力の幅を広げていきたいと思った。安易な想像で、安易な言葉で、安易な態度で相手を傷つけないように。わたしのことを信頼して話してくれた人を、余計に傷つけないために。

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2022/05/17

2018年刊行で、2022年に読むと、4年で世間の認識は色々変わって、この本刊行時にはではまだまだ知られていなかったことが知られてきてるなと思った。 性的同意とかがあたりまえで。 子どもの性教育も前より積極的になっているよね。 これから大人になる子たちは変わっていけるんじゃないか...

2018年刊行で、2022年に読むと、4年で世間の認識は色々変わって、この本刊行時にはではまだまだ知られていなかったことが知られてきてるなと思った。 性的同意とかがあたりまえで。 子どもの性教育も前より積極的になっているよね。 これから大人になる子たちは変わっていけるんじゃないかなと期待している。 でも多分現行の痴漢犯罪者とかレイプ犯とかモラハラな人は変わってない。 残念ながら彼らの思考回路は全く異常で、自分の都合の良いようにできているようなので。 まずは異常を自覚してもらって、治療が必要なんだよな…

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2022/02/03

男の人の体が苦手という話 ・女性のヌードは綺麗と思うが男性のヌードはなんだか恥ずかしい気持ちになる→わかる。 ・男性の裸がなんだか苦手。毛とかちょっと…なんとなく…??→わかる。 ・自分は女性で異性愛者。男性の好みのタイプはハッキリしていないが「好きな女性のタイプ」は明確。...

男の人の体が苦手という話 ・女性のヌードは綺麗と思うが男性のヌードはなんだか恥ずかしい気持ちになる→わかる。 ・男性の裸がなんだか苦手。毛とかちょっと…なんとなく…??→わかる。 ・自分は女性で異性愛者。男性の好みのタイプはハッキリしていないが「好きな女性のタイプ」は明確。→わかる。 ・自分が男性になって女性を口説いて見たいと思ったことがある。→わかる…

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2022/02/02

私は30代の男性だが、女性が日々どのようなプレッシャーに晒されて生きているのか、どんな性犯罪に日常的に直面しているのか、加害者がどんな心理状態なのか、少しも理解していなかったことが分かった。 エッセイ調なので、どこにどんな話題が書いてある、というよりも、本書全体を通して空気感/...

私は30代の男性だが、女性が日々どのようなプレッシャーに晒されて生きているのか、どんな性犯罪に日常的に直面しているのか、加害者がどんな心理状態なのか、少しも理解していなかったことが分かった。 エッセイ調なので、どこにどんな話題が書いてある、というよりも、本書全体を通して空気感/境遇を伝えてくれる。

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2022/02/12

「ほとんどない」ことにされている側の気持ちがわかるには、その前に、"こっち側"を認識するには、現実を経験したことがないとわからない。 たとえば、ストーカー。されたことがないと、される人の気持ちなんて想像できないのかもしれない。してる側も、ストーカーをされたこ...

「ほとんどない」ことにされている側の気持ちがわかるには、その前に、"こっち側"を認識するには、現実を経験したことがないとわからない。 たとえば、ストーカー。されたことがないと、される人の気持ちなんて想像できないのかもしれない。してる側も、ストーカーをされたことがない同じ性別の人も。 …でも、そんなの酷いよ。もっと、みんな想像力を働かせてほしい。"こっち側"の気持ちを想像してほしい。これは、女性とか男性とかジェンダーに関わることだけじゃない。もっと、社会から「見ようとしないと見えてない」存在がいる。もっとちゃんと見てよと思う。 ・ この本の中に社会的に良くない例として出てくる方々は、考え方が古すぎる気がした。私のまわりには、ここまで酷い考え方をする人(していたとしても、実際に言葉に出したり、態度に露骨に出す人)はありがたいことにあんまりいない。古すぎ。そして、想像力なさすぎ。

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2021/09/18

様々な立場の人が読み、「ほとんどない」とされてきたことを知ることで、ほんの少しでも社会が良くなって欲しいと思う。 ただ、最も知ってほしい、加害者側に近い精神を持った男性がまずこの本を手に取らないであろうことが残念でならない。タイムマシンで時代を改変するチャンスがあったとしても、石...

様々な立場の人が読み、「ほとんどない」とされてきたことを知ることで、ほんの少しでも社会が良くなって欲しいと思う。 ただ、最も知ってほしい、加害者側に近い精神を持った男性がまずこの本を手に取らないであろうことが残念でならない。タイムマシンで時代を改変するチャンスがあったとしても、石器時代にさかのぼらない限り、いやそこまで戻っても、弱い立場の女性に対する性暴力被害をゼロにするのは困難と感じる。 弱い立場の人に優しく。みたいなフワッとした綺麗事ではなく、加害者を増やさないための具体的な取り組みが必要。幼少期からの教育と、被害者をださないために危険人物の監視、取締り強化。さらに女性を守るためにできることは何でもやって欲しい。それこそ駅に女性専用ホームを設け、まるごと女性しか乗車できない車両を用意するぐらいしたほうが良いと思う。それでも、職場や学校での危険は無くならない。ホントこの国に絶望してしまう。

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2021/09/08

自分は女性の中でも限りなく嫌な思いが少なく生きてこれた方だと思う。それでも 当たり前とおもっていたことに全然男女平等ではないのでは?と気づくことがある今日この頃。

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2021/09/03

性暴力、性暴被害、ジェンダー格差社会、、、こういう問題は、きっとゼロにはならない。だけど、こういう本が世に出て、たくさんの人の目に触れる事はとても大切なことだと思う。「レイプはセックスのジャンルの1つだと思っていた」という認識にはとても驚いた。

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2021/08/26

男女平等の話 わたしも保育園に最後までいる「ステゴザウルス」(笑)だったし、よく色んな大人にお母さんが帰ってくるの遅くてかわいそうって言われて勝手に可哀想な子にカテゴライズされてたけど、すごく嫌だった。働いてるお母さんが好きだったから。 自分がいざ働く世代になってもお母さんが働...

男女平等の話 わたしも保育園に最後までいる「ステゴザウルス」(笑)だったし、よく色んな大人にお母さんが帰ってくるの遅くてかわいそうって言われて勝手に可哀想な子にカテゴライズされてたけど、すごく嫌だった。働いてるお母さんが好きだったから。 自分がいざ働く世代になってもお母さんが働いていて保育園のお迎えが遅い子はかわいそうっていう偏見が消えてない日本ってやばいな。

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2021/08/15

性暴力の取材を続けている著者がnoteへの投稿した記事を、加筆修正・一部書き下ろししたもの。時系列にも沿っていて、その時々の時事も絡めた内容になっている。 学術的ではなくあくまでもエッセイ的なもので、だからこそ日常に『ほとんどない』とされてきたことについて、しっかりと眼差しが向け...

性暴力の取材を続けている著者がnoteへの投稿した記事を、加筆修正・一部書き下ろししたもの。時系列にも沿っていて、その時々の時事も絡めた内容になっている。 学術的ではなくあくまでもエッセイ的なもので、だからこそ日常に『ほとんどない』とされてきたことについて、しっかりと眼差しが向けられていると思った。見方が変わったり視点が増える内容で、読んでよかった。男性でシスでヘテロの自分として、それらをどう受け止めてどう振る舞うかをこれから継続的に考えていかなくちゃならないと思った。 「痴漢」とか「レイプ」での検索結果は当時(2016年)から変わっているかもしれないけど、アダルトビデオでは相変わらず痴漢やレイプのジャンルで新作が出続けている。もちろん冒頭でフィクションであることの注意喚起はされているけど、認知が歪んでいる人に対しては、「これで十分だろうか」と怖くなってしまった。

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