「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 の商品レビュー
Yahoo!ニュース個人などで執筆されていて、性暴力被害者当事者を中心とした一般社団法人Springスタッフであるライターによる2016〜2018年のブログを元にした性被害系の話と考察 「レイプ」や「痴漢」でネット検索すると、当時はアダルトコンテンツばかりがヒットして、被害者に...
Yahoo!ニュース個人などで執筆されていて、性暴力被害者当事者を中心とした一般社団法人Springスタッフであるライターによる2016〜2018年のブログを元にした性被害系の話と考察 「レイプ」や「痴漢」でネット検索すると、当時はアダルトコンテンツばかりがヒットして、被害者に必要な情報が得られ難い状況を指摘していたりと、日本は安全であるという呆けた頭にはとても良い薬のような内容。
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この本を読んで、今まで生きてきた中で思い当たることがたくさんあった。 深く考えないように、忘れていること。正確には忘れたふりをしていること。幼ながらにずっと記憶に残っている断片もあるし、20歳前後の頃(もう既に判断できる歳なのに)、自業自得なんだと思って飲み込んだ出来事。 私は立...
この本を読んで、今まで生きてきた中で思い当たることがたくさんあった。 深く考えないように、忘れていること。正確には忘れたふりをしていること。幼ながらにずっと記憶に残っている断片もあるし、20歳前後の頃(もう既に判断できる歳なのに)、自業自得なんだと思って飲み込んだ出来事。 私は立ち上がらず、問題提起せずに、そのまま記憶の一つとして流して飲み込んだ。 それらを思い出しては今苦しんでいるとか、病んでいるようなことはない。でも、決して忘れてはいないということは、ずっと心の傷になり引っかかっているのだろう。
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2016年から私たちは進化してるだろうかと凹んだ まあ凹んでても仕方ないのでこっからどう巻き返すか考えよう。残念ながら即変えることが出来るのは自分と環境だけなんじゃないかなと思ってしまった 行動するためには知らなきゃいけない。自分は人にこの本をオススメすることを忘れないように...
2016年から私たちは進化してるだろうかと凹んだ まあ凹んでても仕方ないのでこっからどう巻き返すか考えよう。残念ながら即変えることが出来るのは自分と環境だけなんじゃないかなと思ってしまった 行動するためには知らなきゃいけない。自分は人にこの本をオススメすることを忘れないようにしよう
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過去の福岡高裁で「男性側が、女性が性行為を拒否していることを認知できなかった、相手の心情に共感したりできないような無神経な人間だから無罪」という謎の判決があったと知ってびっくり。「無神経」って判決文に書いてあると。なんだそれ、全然知らなかった。 こういうのを目の当たりにしてきた人...
過去の福岡高裁で「男性側が、女性が性行為を拒否していることを認知できなかった、相手の心情に共感したりできないような無神経な人間だから無罪」という謎の判決があったと知ってびっくり。「無神経」って判決文に書いてあると。なんだそれ、全然知らなかった。 こういうのを目の当たりにしてきた人たちにとって、 合意がないと性犯罪になるという改正はやっと、本当にやっと勝ち取ったものだったんだな。 本書は、読むのが辛い箇所もあるけど(ずっと性犯罪とか不快な言動についての話を読むのはそれだけで疲れる)、読破してよかった。 女性としての生きづらさを訴えると、「そんなことで?」とか「クソフェミ」と言われる、だから著者はフラットな意見が伝わるよう言葉を重ねる。 ここまで言葉を重ねないと伝わらないんだな、というのが全体を通しての感想。女性同士でも分かり合えない部分もあると思うし、我々の潜在意識に根付いたこの界隈のものって本当に厄介だ…。 また、性加害者や痴漢加害者の心理を紐解いた部分は自分にとっては興味深かった。彼らはあたおかだけど、どういう思考回路であたおかになってるのか納得したし、その思考回路が分からないと(ほんとは分かりたくもないけど)対策も効果的にならない。 中高生くらいに読んでもらって、空気なんて読まずに嫌なものはNoと言っていいんだよと知ってもらいたい。
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2018年付近の話なので、現代社会(2024)の女性に対する現状や法について知ることはできない。けれど、女性がどのように思うか、暴力とは、を男性が知るには大切な作品なのかもしれない。
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書かれたのは7年前だけど、今にも通じてる考え方でとても勉強になった。 以下、本の感想とは少しずれるけど書かれていたテーマについて自分の考えを書きます。(クソ長) •年齢の話 日本は年功序列の国だなとは社会に出てからますます感じた。雑用は1番下っ端がやるってのは積極性が求められ...
書かれたのは7年前だけど、今にも通じてる考え方でとても勉強になった。 以下、本の感想とは少しずれるけど書かれていたテーマについて自分の考えを書きます。(クソ長) •年齢の話 日本は年功序列の国だなとは社会に出てからますます感じた。雑用は1番下っ端がやるってのは積極性が求められるのに、会議などでの意見交換の場では上の人を立てるという消極性が求められる。いいように若手を利用するなよとは思っていた。 最近思うのは年功序列の文化が少しずつ崩れてきている。若者が、高齢者、おじおばに対して嫌悪感を隠さなくなってきている気がする。最近SNSで極端にやばいこと言ってる一般人高齢者のインタビューの切り抜きに対して、みんなで「これだから高齢者は、、」って叩いてるのをみる機会が増えてるんだけど、それって叩かれている層には届いてないよねと思う。 高齢者はSNSやってる人が圧倒的に少ないし、だからこそ言いたい放題できるのかな。せっかくだから、その考えやばいよってことがその層に届けばいいのにな。もしくはその層からも反論があってなぜそういう風に考えてるか知れればいいのにな。 でもそんなことをしても自分が絶対の凝り固まった思考の人には話は通じないだろうけど、、。 今そうやって叩いてる側だけど、自分が高齢者になったとき自分も知らないところで晒されて叩かれたりしたらと思うと結構怖いな。溝を埋める方法はないのかな、 •海外との比較 この本でも日本のジェンダー格差は114位まで下落、と書かれていたけど2023年はさらに下落して125位になっていた。それだけ世界は男女平等に近づいていて日本は何も変わってないんでしょうね。 フィンランドに行って帰って来てから思ったんだけど、日本って抑圧で成り立ってる国だなあ、と。歩いてて「〇〇に注意!」「〇〇しないようにしてください!」などの張り紙がすごく目についた。これってみんながしてないことをしたら白い目で見られるかもっていう心理で統率をとってるのかなって。だから、日本で何かが変わるのはかなり難しいんだと思う。多数派に少数派が潰されるお国柄だから。それが裏返るのはなかなか時間かかる。 •AVと現実について この本の中に「レイプをセックスのバリエーションの1つだと思っていた」という人とか登場するんだけど、もうかなり衝撃的だった。 外国人にも日本のAVの影響で日本人女性は簡単にいけるて思われていたり、「ダメ」「やめて」が卑猥な言葉として認識されていたりするらしく、どうしたらいいんだろうな。 AVに出演している人、作っている人に罪はないけど、どうすれば現実と違うと認識させられるんだろう。認知が歪まずにすむんだろう。 自分が結婚して子供を産んだりしない限り、後世に自分の考えが伝わることはなさそうだけど、まずは自分なりに考えを深めたいとは思った。
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勉強になりました。私の過去を思い出しながら読み進めてました。 特に共感した言葉が「「ほとんどがいい人なんだから、一部の過剰反応を気にして対処を行う必要はない」ことにするのは大人の責任放棄」です。ジェンダーレストイレの件についてたまたまテレビでコメントしていた人が似たようなことを言っていて「何言ってんだこの人」と怒りや悲しさ、悔しさを感じました。たった一部の異常な心理によって性被害に遭っている人たちがいるのに「そういう事件は滅多にないことなので気にする必要がない」というようなことを言ってました。この人やこの人と同じような考えをする人たちには被害者の存在が「ほとんどない」ことにされているんでしょうね。 何度も読めば今以上に理解が深まると思うので時間をあけて再読予定です。
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こいうい(痴漢、性的虐待、レイプ、)内容の本だから仕方ないけどあー日本人ってなんて民度が低いんだろって悲しくなった。 もちろんどこの国だって同じようなことはおきてるんだろうし、良識と節度をもった人がほとんどなのだようけど、これ読むとね、「ないこと」にしてきたのも私たちなんだろうけ...
こいうい(痴漢、性的虐待、レイプ、)内容の本だから仕方ないけどあー日本人ってなんて民度が低いんだろって悲しくなった。 もちろんどこの国だって同じようなことはおきてるんだろうし、良識と節度をもった人がほとんどなのだようけど、これ読むとね、「ないこと」にしてきたのも私たちなんだろうけど、ないこことにしたツケが今きてるからね。 勇気を持って闘わなくちゃね。この表現もなんか違う気がするけど。
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「年齢の話」 25歳を過ぎると女の価値が下がってしまうことが当たり前と受け取れるような広告についての話があった。 私も年を重ねることに恐怖を感じていた。 子供がいない、この先やりたいことも特に無いのに、年ばかりとって自分の価値が無くなっていってしまうような気がして、誕生日を迎える度にタイムリミットが近づいてくるような焦燥感があった。 だけど幸運なことに、心から尊敬できる年上の女性達にたくさん出会うことができた。 彼女たちは人生を目一杯楽しんでいて、もし過去に戻れるなら50代に戻りたいと言う。 「物事の分別がついてきて、しかも体力がまだあったから一番楽しい時期だった」らしい。 そして、自分に合ってると思える仕事に就けたこともあって、年を取りたくないという気持ちは無くなった。 尊敬する先輩たちのようにかっこよく年を重ねていきたいと思えるようになった。 この前、25歳の女性に年齢を聞かれ33歳だと答えたら、申し訳なさそうに「そんなに年上だと思いませんでした。若く見えますね」と言われた。 私自身は33歳に見られる事が嫌ではないし、若く見られたいとも思っていない。 だけど私も25歳の頃は、年上の女性に対して悪気無く同じような言動をしていたかもしれない。 「歳を取ると女の価値は下がる」という呪いは社会だけがかけてくる呪いではなくて、自分自身でも無意識かけてしまっているのだと思う。 申し訳なさそうにしていた25歳の女性はまだ呪いにかかっているのかもしれない。 結局私は彼女に何も言えなかったけど、いつか先輩たちのようにかっこいい女性になって、年齢を重ねることに恐怖を感じている若い後輩たちの呪いを解いてあげたい。 「半分だけわかる、でもいいと思う」 欅坂46の「月曜日の朝、スカートを切られた」という歌の話。 この曲は、 月曜日の朝、スカートを切られた 通学電車の誰かにやられたんだろう どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らしか 私は悲鳴なんか上げない と続く。 スカートを切られるという理不尽な性被害にあいながらも、大人になるにはこれくらい仕方ないと社会を冷めた目で見ている女の子。 そんな女の子がカッコいいというメッセージまでは無いにしても、この歌を国民的アイドルが歌うことで、こんな状況に共感する女の子が多いという事が社会で当たり前になってしまうのは悲しいと感じた。 私自身痴漢にあった時、大声を出した方が良いのか、でももし逆上されたら?相手がナイフを持っていたら?なんて考え始めると怖くなって、結局何もできなかった。 それに、痴漢くらい女なら皆あってるし、そんなに特別なことじゃない、と正直そこまで大事に捉えていなかったし、通報もしなかった。 何もできなかった自分を責めてはいないけど、この本を読んで、やっぱり「悲鳴なんかあげない」のが当たり前な世の中はおかしいと、改めて思った。 「男女平等の話」 【あるとき、私よりも若い女性が、こんな風につぶやいたのを聞いたことがある。 「セクハラでもパワハラでも残業代が払われないのでもそうだけど、やられた方がそれを言った途端、会社は態度を変える。『お前、そういう面倒くさいことを言い出すヤツだったのかよ』って」】(p159) この部分、確かにそうなんだよなぁ。 私も前職でパワハラ、セクハラにあっていた時、上司に相談したら、「だけどあの人はあの人にしかできない仕事があるし、辞められたら困るでしょ?」と言われたことがある。 私自身は全然困らなくて、困るのは上司なんだろうけど、もう上にいくら言っても無駄だ、と戦う気力が無くなってしまった。 職場内でもなんとなく、大事にすると面倒だからうまくいなすのが仕事ができる人、みたいな雰囲気も出来上がっていた。 適当にかわしたり我慢する能力ばかりが長けてしまって、そんな自分が時にどうしようもなく嫌になった。 うまく対処できなかった時は、私は社会不適合者なんだろうかと悩んだりもした。 そんな環境から離れてみると、おかしいのはセクハラ、パワハラをしてくる人だったと一目瞭然だけど、当時はそんなことにも気付けなかった。 もし今後同じような状況になったら、今度こそ私はきちんと戦いたい。 そして理不尽な事に対して戦っている人がいたら、ちゃんと味方になりたいと思う。
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日常にある隠れた視点からエッセイ形式で語るので著者の感情がダイレクトに伝わる。読み進めていく中で、絶望を感じる部分もあって日本が性に関してどれだけ無情なのかを思い知らされた。また自分でも気づかなかった視点があったり、モヤモヤしていたことを上手く言語化してくれていてスッキリしたと同時に自身のジェンダー観を問い直すきっかけになった。個人的には8月29日の「女の人の体が好き」が印象的。私も著者と同じように「男の身体が好きじゃなく、女の人の身体の方が好きだ」と考えていることに初めてはっきり気づいた。
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