彼女は頭が悪いから の商品レビュー

姫野カオルコ(著者)

2021/11/16

2021.33

他のレビューにあるように本当に気分が悪く悲しい気持ちになる。
加害者達の親を含めたなんで悪いかがわからないという心情にも怒りが込み上げる。

結局は普通が一番なのだろうか、、、

2021/11/03

決して読後感は良くないけど、非常に考えさせられる本。

本の中で、元となった集団わいせつ事件が起こるのはかなりの終盤で、それぞれの登場人物の背景がずっしりと描かれている。学歴や家庭環境まで辿ると、この事件に対するファーストインプレッションが揺らいでしまった…。事件後の加害者らの親の言動や、被害者に寄せられるセカンドレイプが、どれもリアリティ溢れるもので、何度も苦しくなった。

2021/10/18

最高に読後感の悪い一冊。数年前の東大生強制わいせつ事件をもとにした、あくまでもフィクションだが（この本自体がセカンドレイプではという声もあるものの。なお作中にはレイプ描写はありません）、ひとの中に…もちろん私の中にも確かに存在する、差別意識や階級意識だったりを描き出す。学歴、親の職業、顔、住んでる場所、胸の大きさ…に至るまで。姫野カオルコはもとからスッキリする話を書く人ではないけれど、心理的なざらつかせ方はこの本が最高だと思う。
特に、最後の一文は絶望的。
こちらがざらつくのに対して犯人の東大生たちは
「引け目を感じたことがなく、心がぴかぴかしてつるつる」と評される輝かしき屈託のなさ。
「部屋にのこのこついて行った　勘違い女」とマスコミで、ネットで非難される被害者の女子大生は本当にそうだったのか。
物語は事件の数年前から、事件の数ヶ月後まで、被害者と犯人たちがそこに至った過程(と、その後)を描いており、被害者の主人公にはわずかな救いが（実はそれも痛みの上でなのだけれど）あり、実際もそうだったらいいなと思わずにはいられない。
最近の医学部のニュースなんかのモヤモヤにも通じるところもあるんではないかと思ったりね。
※実際の事件そのものをきちんと追いかけているわけではないし、あくまでも小説なのでこれを読んだからと言って東大生全部がこんなと思うほど安直ではないです。

2021/10/17

最初と最後にある非常にセンシティブな
東大生等が女子大生にわいせつ行為をするという事件

その時のその事件における登場人物たちの
感情を描くのではなく、

生まれ育ってきた境遇の過程
劣等感、優越感、人間なら無視できない
ドロドロとした気持ち
を隠さず丁寧に追っていくことで
より異常な事件の日常性を浮かび上がらせている

最後までつばさが、美咲があの時なぜ泣いたのかが分からないことが
最大級の皮肉だ
自分に対する好意までわかっておきながら

大変読み終わりはすっきりしないが
面白すぎて没頭してしまった

2021/10/12

実際にあった事件を元にした話と知らずに読んだ。

美咲は何も悪くない。でももっと狡く生きていく知恵があったらこんな事件には巻き込まれなかったかも。

でもこんな事件の後でも、彼女がなんで泣いたのか想像すらできないつばさにもう驚きしかない…
実際にこんな人間いる！？
ここまできて美咲の気持ちを少しも想像できないなんて、どこか欠落した人間でしょ…

ツバサのお兄さんにはもっとツバサにいろいろ教えてあげてほしかった。
三浦教授に救われました。

2021/10/10

彼女は頭が悪いから、東大生から辱めを受けたのか？彼らは頭が良いから何をしても許されるのか？
そんな訳ない。
所々に出てくるミソジニー、そして逆に、東大生への偏見ともとられる表現もあり、なんとも読み心地が悪い作品でした。
現実社会には学力・容姿・お金・性別で上下の関係って山ほどあるけど、改めて読んでいて気持ちいいものではないな、と思いました。

2021/09/23

東大生·院生5人の起こした強制わいせつ事件を元に作られた作品。大学生の恋愛·友情に懐かしさを憶えている所に、東大生が他大学を見下す態度…なんとも不愉快。。
つばさと美咲が出会った所からは一気読み。幸せからの絶望。諦め。そして事件。後半はもう、お腹の底から怒りが込み上げてきて…止まらない。そのせいか、読後は頭痛が酷かった…(笑)

2021/08/26

重たい。テロやジェノサイドより私にとっては重たい小説だった。
この感覚が伝わらない人もいるんだろうけど、東京育ちで東京で大学生をやってた人間ならわかる、この異常なヒエラルキー、階級意識、カースト制度、自己顕示欲、劣等感、本当に異常な世界だったと思う。この小説は本当に良く描けている。東大側の人間の「普通の感覚」も、Fラン大側の「普通の感覚」も、何一つ誇張はないと思うし、気持ち悪いくらいリアリティがある。
気分悪くなるので人には勧めないけど、東京で子育てする人には読んで欲しい。

2022/05/21

読んでて不快で途中でよむの辞めたくなった。女子大生は書いてある通り頭悪いし、東大生も優越感に浸りたいとはいえ、ネタ枠の女子に対して何でそこまでするのかよくわかんなかった。ヤバイって気がつくの遅くない？
登場人物の東大生だけでなく、彼らの親たちも歪んでると思った。特に可愛いタレント。

2021/08/15

2016年に起きた東大生・東大大学院生5人による集団強制わいせつ事件に着想を得た著者の“創造”による書き下ろし小説。せめて事件の真相を可能な限り調査、精査し作品にして欲しかった。これでは、ステレオタイプが深層にあったかもしれない事件を、ステレオタイプで作品にしただけで、読んでいて不快な気持ちしかなかった。このような事件ではどんな場合でも被害者は悪くない。それを前提として、若い勘違いが積み重なり事件に至ってしまった経緯や、起こしてしまった事件に親を含めてどのように対処するかなど、小説にするにはそれなりの目的があると思うが、自分には読み取れなかった。東大が全てと思わないが、友達と遊びたいのを我慢して中・高校生時代に頑張って勉強して東大に合格した人も多くいるだろう。一括りにはできない。