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彼女は頭が悪いから の商品レビュー

3.8

267件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    4

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2018/09/12

学歴社会の中で、机上の勉強での頭は良くても、人の気持ちをおもんばかる賢さや常識ルールなどが欠如している若者。 彼女ではなく、彼たちが人として頭が悪い。 事件が起きるまでのそれぞれのバックボーンにかなりのページ数を割いているので、事件の描写は思いのほか短くそんなに気持ち悪くならない...

学歴社会の中で、机上の勉強での頭は良くても、人の気持ちをおもんばかる賢さや常識ルールなどが欠如している若者。 彼女ではなく、彼たちが人として頭が悪い。 事件が起きるまでのそれぞれのバックボーンにかなりのページ数を割いているので、事件の描写は思いのほか短くそんなに気持ち悪くならないですんだ。 ただ素敵な人も出てくる。女子大の教授や被害者が以前交際していた男の子など、人として何が大事か分かっている人が確かに彼女の周りには存在している、それが救いかな。

Posted byブクログ

2018/11/16

読みながら、長いなぁ~ こんなに登場人物たちの背景いるのか? と、しんどくなってしまったが。 いやいや、 この作品はノンフィクションレベルで描かないと ここまで胸には迫ってこなかったのだろう。 勉強ができるってそれが一体なんだろう、 私もバカで結構だ!

Posted byブクログ

2018/09/06

被害者の美咲は本当に普通の家族想いな女の子よ。 思ってる相手に好かれようとちょっとしたお化粧とかしぐさとか健気じゃないの。 東大生が出て来なきゃ、可愛いお話だったよ。 そりゃ着いていく彼女も悪いといったら悪いけど、やっぱりする事が酷すぎるよ。 それを加害者達やその両親達が酷い事...

被害者の美咲は本当に普通の家族想いな女の子よ。 思ってる相手に好かれようとちょっとしたお化粧とかしぐさとか健気じゃないの。 東大生が出て来なきゃ、可愛いお話だったよ。 そりゃ着いていく彼女も悪いといったら悪いけど、やっぱりする事が酷すぎるよ。 それを加害者達やその両親達が酷い事をしたと思わないという事に愕然とする。 そして、そういう事実を知らずにネットで批判する人達も信じられない。

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2018/08/24

ほんとにいろんなタイプの小説を書く人だ。どれも読ませる。つい、読んでしまう。あとは好き嫌い。これは•••「悪」という言葉を使わずに徹底的に救いようのない悪を書いたもので、途中、気分が悪くなる。けど読んじゃう。読ませられちゃう。姫野カオルコさんの本では『終業式』がいちばん好き。また...

ほんとにいろんなタイプの小説を書く人だ。どれも読ませる。つい、読んでしまう。あとは好き嫌い。これは•••「悪」という言葉を使わずに徹底的に救いようのない悪を書いたもので、途中、気分が悪くなる。けど読んじゃう。読ませられちゃう。姫野カオルコさんの本では『終業式』がいちばん好き。またああいうの書いてほしい。

Posted byブクログ

2018/08/18

東大で頭がいっぱいになった人たちの、人としての末路(社会的にではなく 同じ思考様式のいきものは、東大でなくとも身の回りにいっぱいいる。すぐ近くに。 ということを気付かせてもらいました。

Posted byブクログ

2018/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

姫野さんの描く女の子はいつも魅力的だけど、今回はまず最初に事件の提示がありその事件にかかわる女の子なんだなと思いながら読む。表題にあるように頭が悪いだけとは言えない女の子で、むしろその年齢では頭の良い子なのだけれど結果「頭の悪い女の子」になってしまうのは今の現代の社会の構造によるものなんだとわかる。格差社会の中で思い上がった一部の人間の差別的蔑視の物語。結局、男の方は何故?と思ったところでこの小説は終わっているけれど、法的制裁だけではなく胸のすくような社会的制裁、きっと後にあるだろう、そう文には起さなくとも姫野さん自身も思ってると感じる。読後、私も体の隅々まで泡立てて洗ってしまったほどの後味の悪さ。どちらが頭がいい、悪いではなく家族や学校にも当てはまる格差の話。誰だっていろんな劣等感持って生きている。『東大生』という物差しだけで優越感に浸らせてしまう社会も歪んでいる。本当に頭いい? 小金はコツコツためるもの、大金は流用するもの、その流用できる一部の人間が~などとクドクド聞かされても庶民でよかったなと結局は思ってしまう。

Posted byブクログ

2018/07/22

話の元となる実際の事件が報道されたとき、いくつか違和感(行ったことの幼稚さや、被害女性1人が部屋に残ったこと等)があったが、この本のような背景があるとしたら不思議でもないな、と思わせる説得力がある。被害者がやや現実離れして純粋な気もするが、加害者側もまた実際よりは極端に描かれてい...

話の元となる実際の事件が報道されたとき、いくつか違和感(行ったことの幼稚さや、被害女性1人が部屋に残ったこと等)があったが、この本のような背景があるとしたら不思議でもないな、と思わせる説得力がある。被害者がやや現実離れして純粋な気もするが、加害者側もまた実際よりは極端に描かれているかもしれないと思えば、受け入れられる範囲内だ。なにしろノンフィクションではないのだから。 筆者の他の作品と比べると、深みに欠けると感じたが、差別感情や承認欲求など、自分にもあるがふだんは気づかないふりをしているものに目を向けるきっかけになる点で読む価値があると思う。気分の悪い人間が多いなか、ほんの数ページしか登場しないが、水大の教授の言葉には救われる。遥も素敵だ。

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