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これは水です の商品レビュー

3.9

56件のお客様レビュー

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2022/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2005年にデヴィッド・フォスター・ウォレスがリベラルアーツ校であるケニオン・カレッジの卒業式でのスピーチ。リベラル・アーツの本来の大切さを卒業生に伝え、これから待ち受ける現実に対するエールを送っている。 大学での生活を思い出させ、それと同時に今の大学を卒業した後の生活もこのスピーチから考えさせられた。社会人になって、やることが形骸化しその中に何も感情を持たなくなってしまうことがあるが、ある事柄に対して何を考えるか、ということを見直させてくれた。このスピーチを自分の大学の卒業式にされても、この人は何を言っているんだとその時は思ってしまう。しかしふとした時にこれも無意識的に、魚にとっての水のように思い起こされる内容のスピーチであった。 その3年後に本人が躁鬱のために、自ら命を落としたのは心が痛い。しかしこの時のデヴィッドは、自ら命を落とすことがないようにと警鐘している。そのため、本書を読んで自ら命を落とすという選択肢に陥らないようにしてほしい。

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2022/03/27

22/3/26 自分中心の初期設定を捨てる ものの考え方を学ぶ 意識してこころを研ぎすまし 何に目を向けるかを選び 経験からどう意味を汲みとるかを選ぶ、 P68「来る日も来る日も」そこにあるのは、退屈、決まりきった日常、ささいな苛立ちです。 P70 実例…→自分の現状 P129 ...

22/3/26 自分中心の初期設定を捨てる ものの考え方を学ぶ 意識してこころを研ぎすまし 何に目を向けるかを選び 経験からどう意味を汲みとるかを選ぶ、 P68「来る日も来る日も」そこにあるのは、退屈、決まりきった日常、ささいな苛立ちです。 P70 実例…→自分の現状 P129 本当に大切な自由というものは よく目を光らせ、しっかり自意識を保ち 規律をまもり、努力を怠らず 真に他人を思いやることができて そのために一身を投げうち 飽かず積み重ね 無数のとるにたりない、ささやかな行いを 色気とはほど遠いとこらで、 毎日つづけることです。 P145 あなたがたが自身を啓蒙するのは 一生をかけた大仕事である→ちょっと理解が難しい

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2022/03/06

B6の判型、1ページにちょっとずつしか書いてない、いかにも”ありがたいお言葉”風のブックデザインは好みでないが、リベラルという言葉の捉えなおしができて、また訳者解説の中に、今の自分の立場にしみるビルゲイツの祝辞を見出し、読んでよかった。 リベラル・アーツ(一般教養)というものが...

B6の判型、1ページにちょっとずつしか書いてない、いかにも”ありがたいお言葉”風のブックデザインは好みでないが、リベラルという言葉の捉えなおしができて、また訳者解説の中に、今の自分の立場にしみるビルゲイツの祝辞を見出し、読んでよかった。 リベラル・アーツ(一般教養)というものが、学生に知識を詰め込むことに重きを置いておらず、「ものの考え方を教えること」を重視しているということ、だからデビッドフォスターウォレスはケニオン・カレッジでの卒業式での講演を引き受けたのだという。 「ものの考えかたを学ぶ」とは ほんとうは、 なにをどう考えるかをコントロールするすべを学ぶ ということなのです。 そんな虫のいいことなんかありっこない。 でも、あながち、ありえないことでもない それはただ あなたが何を考えたいか、に依るのです。 ===以下訳者解説より=== 複雑だからと言ってやめるな、行動家になれ。大きな不公平を引き受けよ。それはあなた方の人生の大きな経験の一つになるでしょう。(2007年ハーバード大卒業式 ビル・ゲイツ) 狂信や先入観、しがらみや因循姑息から、数理が君を解き放つ。テニス・ボーイの呪縛を説かれたウォレスのように。 理想化された平等や民主主義を金科玉条とするへなちょこを「リベラル」と呼ぶのがいつしか固定してしまった。そのレッテルを張って魔女狩りにいそしむ「なんちゃって右翼」も無知は同罪で、リベラルか否かは本来、政治思想の保守革新とは位相が違うはずだ。初期設定に囚われるか否かの違いがあるだけだ。

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2022/03/09

こうやって生きたい。 こうやって考えたい。 と思えることが書いてあった。 非現実的なことではあるが、沢山の人がこう考えられるようになれば良いのに。 ボリュームとサイズ感ハードカバーがプレゼントに最適。 帯が水になっているのも素敵。

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2022/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何を考えるべきかを選ぶ 考える力を求められる時代において 自分が何を考えるか?自由だからこそ選択する力をつけることが必要だ 批判的な自意識 自分が宗教を信じるにしても信じないにしても 私は自分の世界が全てだと思い込み過ぎていたみた ついつい、自分が信じること、つい鵜呑みにしてしまったことは何年後かにそうじゃなかったんだって気付かされる 自意識と反対側の意識を取り入れてみること 様々なものの味方があること、 寛容であるべきだと感じた 社会人になると感じる現実 それを知った上で、自分が何を考えるかは選べるということ それを知っておかないと、オートマチック(初期設定)に埋め込まれた思考で苛立ちに飲み込まれて生きていくことになる 全ての卒業する社会人4年生に送りたい一作でした あとがきを読んで、さらに心にグサグサ刺されました これが現実 頭を銃で撃ちたくなる世界 変わらなければこうなると知って、 行動しようって勇気をもらえました

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2022/03/10

・「銃で自殺する大人の ほとんどが 撃ち抜くのは……  頭部なのですが すこしもこれは自然ではない。 こうして自殺する人の大半は、 じつは引き金をひく前から とうに死んでいるのです」。 ・実際に著者はこの数年後に双極性障害のせいで自殺しているとあとがきを読んで驚いた。でも仮に...

・「銃で自殺する大人の ほとんどが 撃ち抜くのは……  頭部なのですが すこしもこれは自然ではない。 こうして自殺する人の大半は、 じつは引き金をひく前から とうに死んでいるのです」。 ・実際に著者はこの数年後に双極性障害のせいで自殺しているとあとがきを読んで驚いた。でも仮に自殺していなくても、上記の引用箇所は最初に読んだときに呼吸を奪われてしまって体がかたまった。よくある表現にも思えるけれど、じんわりと奥底に入ってきて自分にいろいろと問いかけてくる感じがあるなあ。

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2023/01/07

アメリカの大学の卒業式で行われたスピーチを書籍化したもの。 デイヴッド・フォスター・ウォレスという人はアメリカの学生に人気の作家らしいが、私は全く知らなかった。 そういう日本では知名度の低い外国人のスピーチの本が売れるとはどういうことかと読んでみた。 ユーモアとウィットに富んでい...

アメリカの大学の卒業式で行われたスピーチを書籍化したもの。 デイヴッド・フォスター・ウォレスという人はアメリカの学生に人気の作家らしいが、私は全く知らなかった。 そういう日本では知名度の低い外国人のスピーチの本が売れるとはどういうことかと読んでみた。 ユーモアとウィットに富んでいるが(ここが日本のスピーチには欠けてる)、意外に言っていることはまともで、堅実。 大学の卒業式だと大抵の学生は未来への希望を抱いているが、実際に社会に出るとわくわくするようなことはほとんどない。そんな毎日を大きく変えることは難しいが、考え方感じ方を変えることはできる。 いい本だなと思った。 が、ラスト近く、そういう生き方を身につけて「銃でじぶんの頭を撃ち抜きたいと思わないようにする」(p139)とあるのに、その後の訳者解説にデイヴッド・フォスター・ウォレスがこのスピーチの三年後に自殺したとあり、ちょっとガッカリした。 双極性障害だったそうで、仕方なかったのだろうけど、考え方くらいでは精神の病を克服することは難しいんだな、と。きっと自分自身に向けて言っていた言葉でもあったのだろう。 クソみたいな日常を生き抜くのは、時にジャングルの中でのサバイバルより辛い。精神を最悪の状態にせずに、ささやかでも楽しみを見つけて生きるのはそんなにも難しいのかと、気の利いたスピーチくらいではどうにもならないこともあると、やるせない気持ちになってしまった。 それでもこのスピーチを聞いた大学生や読んだ人たちが、なるべく機嫌良く生きようとすれば良いのだろうと思う。

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2021/12/23

これは水です がぴったしはまってかっこ良すぎる 卒業生へ向けたスピーチ。これから送る社会人生活の冷淡さ、夢のなさ、虚無感をありありと語ってて、さすが哲学者と感じた。そうならないため学問の意味を再定義して、経験からどのように意味を汲み取るかが如何に私たちを自由に導くか説いてる話で...

これは水です がぴったしはまってかっこ良すぎる 卒業生へ向けたスピーチ。これから送る社会人生活の冷淡さ、夢のなさ、虚無感をありありと語ってて、さすが哲学者と感じた。そうならないため学問の意味を再定義して、経験からどのように意味を汲み取るかが如何に私たちを自由に導くか説いてる話である。とても抽象的だが、真をついている、これを日常生活で意識するのは大変だとは思うがこれこそか重要なのだ。何百回何千回意識しようとも抜け落ちるだろうが、作者自身も「自信を啓蒙するのは一生をかけた大仕事であり、それは始まったばかりということです。まさに、今。」と述べている。 水の中に生きていながらも「これは水です」と如何に自意識的に気付けるか、意味を汲み取れるか 有限性の中の自由を追い求めたい。

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2021/10/20

著者の最後を知ると、これが卒業生に向けたスピーチなのか、自分自身への戒めなのか、それとも必死に助けを求めている他者への叫びなのかわからなくなってくる。 意識や規律によって自分自身をコントロールすることの難しさを、残念ながら自分の身を以て証明してしまったことで、このスピーチの重みや...

著者の最後を知ると、これが卒業生に向けたスピーチなのか、自分自身への戒めなのか、それとも必死に助けを求めている他者への叫びなのかわからなくなってくる。 意識や規律によって自分自身をコントロールすることの難しさを、残念ながら自分の身を以て証明してしまったことで、このスピーチの重みやリアリティーを増す結果となったように思う。 一方で、社会では権力や財力による上下関係が当然のように存在し、自分勝手な人に利他的な人が利用され続けるケースも残念ながら散見される。 自分が社会生活を送っていく中で、この規律と利己のバランスをどのように取っていくべきか、改めて考えたい。

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2021/09/23

仕事や時間に追われて忙しい日々を過ごしているからこそ読んでよかった本。 今のまま過ごしていると、自分中心でしか物事を考えられず、狭く自由のない世界を過ごすことになる。そこから脱する為には、視点を変える。何をどう考えるかは自由。豊かな人生にする為に、もう一度読もう。 「来る日...

仕事や時間に追われて忙しい日々を過ごしているからこそ読んでよかった本。 今のまま過ごしていると、自分中心でしか物事を考えられず、狭く自由のない世界を過ごすことになる。そこから脱する為には、視点を変える。何をどう考えるかは自由。豊かな人生にする為に、もう一度読もう。 「来る日も来る日も」がほんとうは何を意味しているかを、あなたがたはまだご存じない。 そこから自由になるためには、「なにをどう考えるか」をコントロールするすべを学ぶこと。そして頭の「デフォルト」をリセットすること。 ほんとうの自由とは、、、

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