悪人 新装版 の商品レビュー
やはり吉田修一作品すごいなあ。 いったい悪人とはなんなのか。見栄を張り平然と嘘をつくものなのか。殺しはしないが人の心を弄びなんとも思わないものなのか。追い詰められて人を殺すものなのか。愛を貫いて法を破るのが悪人なのか。知りもしないで外野から批判する者たちなのか。 2人にとっては逃...
やはり吉田修一作品すごいなあ。 いったい悪人とはなんなのか。見栄を張り平然と嘘をつくものなのか。殺しはしないが人の心を弄びなんとも思わないものなのか。追い詰められて人を殺すものなのか。愛を貫いて法を破るのが悪人なのか。知りもしないで外野から批判する者たちなのか。 2人にとっては逃避行だったけれども、孤独な者同士が初めて繋がる居場所だったんだろう。究極に切ない。 長崎弁で書かれているからか素朴さを感じながらもかえって剥き出しの感情が刺さってくる。 「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」という父親のセリフや「祐一、逃げたら駄目よ。怖かやろうけど、逃げたら駄目よ。逃げたってなんも変わらん。逃げたって誰も助けてくれんとよ。」という祖母のセリフが心に沁みていく。
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主要な登場人物たちの目線で代わる代わるストーリーが進行していき、一本調子になることなく読めた。肝心の逃走劇は出会ったばかりのカップルによるものだったが、そのようになるほど2人が惚れ合う根拠がいまいちよく分からなかった。
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悪人とはどんな人のことなのか。誰にとっての悪人なのか? 人の本気を馬鹿にしたり手玉に取ってもてあそぶ「悪人」。一貫して悪人である者もあれば、自分の見栄のために悪びれずに悪人になる者、彼らにかき乱されてしまう者たち。 誰からも相手をされない孤独な夜、それだけで世界から馬鹿にされてい...
悪人とはどんな人のことなのか。誰にとっての悪人なのか? 人の本気を馬鹿にしたり手玉に取ってもてあそぶ「悪人」。一貫して悪人である者もあれば、自分の見栄のために悪びれずに悪人になる者、彼らにかき乱されてしまう者たち。 誰からも相手をされない孤独な夜、それだけで世界から馬鹿にされていふかのような気持ちになる様子、人気のない峠でなすすべなく空を見上げる空気の冷たさ、灯台に吹き付ける風をも感じるような臨場感で、終末に向かう2人の心情が切なかった。
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見栄を張り、異性から人気があるかのように装っていた石橋佳乃は、出会い系サイトで知り合った男に殺害される。 馬込光代は出会い系サイトを通して男と知り合い、彼に強く惹かれるが、彼が殺人を犯したことを知る。光代は、自首しようとする男を引き止めると、一緒に逃亡を図る。 誰が悪いのか。 ...
見栄を張り、異性から人気があるかのように装っていた石橋佳乃は、出会い系サイトで知り合った男に殺害される。 馬込光代は出会い系サイトを通して男と知り合い、彼に強く惹かれるが、彼が殺人を犯したことを知る。光代は、自首しようとする男を引き止めると、一緒に逃亡を図る。 誰が悪いのか。 映画「国宝」の原作もおもしろかったので本作も読んでみた。 生活感のある登場人物たちの描写が緻密で、次第に見えてくる彼らの生い立ちは悲しく、行動にリアリティがある。 彼は悪人なのか。結末はあいまいだ。でも僕の思っているとおりなんだと思う。 映画も見た(アマプラで)。 原作に出てくる風俗嬢が出てこないので、彼の母親に対する行動の理由が語られない。これがあるかどうかで印象が大きく変わると思うんだよね。 そして深津絵里さんはかわいいし、妻夫木聡さんの金髪は似合わないかも。
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途中から物語は急加速し、切なく気持ちを揺さぶる。 誰しもふっと、本当に自分を理解しどんなときでも受け入れてくれる人は居るんだろうか、とこの物語の大きなテーマになっているようなことを考えたことはあるだろうし不安を感じることもあると思う。 もしそれが本当に大きな心の塊になっていたとし...
途中から物語は急加速し、切なく気持ちを揺さぶる。 誰しもふっと、本当に自分を理解しどんなときでも受け入れてくれる人は居るんだろうか、とこの物語の大きなテーマになっているようなことを考えたことはあるだろうし不安を感じることもあると思う。 もしそれが本当に大きな心の塊になっていたとしたら、特別な1人に出会えたときは・・・。 ただ、男性と女性の性差もあるのかもしれないが、人というのはこうやってすれ違っていくのかもしれないと思い知らされるのはつらい。
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本当の悪人は誰か、増尾圭吾か清水祐一なのか推理小説が続く。犯人として常に追い立てられている、追い込まれているのが読後感は良くない。良かったシーンは死んだはずの佳乃が姿を変えて父に謝るところ、祐一の好きな人いるときに一緒に自首するところであった。ストーリーとしては面白かった。
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この事件の『悪人』とは一体誰なのか…。 元々気になっていた本作ですが、上下巻がセットになり新装版が出たタイミングで購入(そこから積読でしたが笑)。 内容としては保険外交員の女性が殺害かれ、その女性を巡る周りの人たちの物語。愛する娘を失った親、親友、バーで好意を持たれた男...
この事件の『悪人』とは一体誰なのか…。 元々気になっていた本作ですが、上下巻がセットになり新装版が出たタイミングで購入(そこから積読でしたが笑)。 内容としては保険外交員の女性が殺害かれ、その女性を巡る周りの人たちの物語。愛する娘を失った親、親友、バーで好意を持たれた男、出合い系サイトで出会った男などなど。ひとつの事件を境に色々な人の人生があらゆる方向に。 視点がコロコロ変わる本作では、とにかく感情移入の対象が変わりまくります。ある人の話に耳を傾けていたら横から聞こえてくる話にも共感みたいな。とにかく共感と嫌悪を繰り返しました。 そしてタイトルの『悪人』。今回の事件を通しての『悪人』とは一体誰なのか。社会通念上の考えでいけば犯人ですが、今回ばかりはそうも言えないような…。きっとこの誰とも言えない、そして、誰でもなりうる関係をひとつの事件を通して表現したのかなと思ったり、、 吉田修一さんの作品は初めてでしたが、『国宝』や『横道世之介』など有名作品を始めとする多くの名作がありそうなので、こっからさらに読んで行きたいと思います!
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何年も前に「悪人」の映画を見て、「妻夫木くん、金髪似合わんなぁ〜。満島ひかり、安っぽい女の演技上手いわぁ〜」とか思いながら見たんだけど、「国宝」を読んだ後で、そういえば悪人書いたのも吉田修一さんだったなと思って、原作であるこの本を読んでみた。 程度の差こそあれ、みんな悪人。 ...
何年も前に「悪人」の映画を見て、「妻夫木くん、金髪似合わんなぁ〜。満島ひかり、安っぽい女の演技上手いわぁ〜」とか思いながら見たんだけど、「国宝」を読んだ後で、そういえば悪人書いたのも吉田修一さんだったなと思って、原作であるこの本を読んでみた。 程度の差こそあれ、みんな悪人。 特に殺された佳乃は悪人だと思った。 裕一は犯罪者だけど悪人ではなかった気がしてる。 救いのない物語だけど、私は好き。
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とても不器用で、正直な生き方、愛し方が切ない。悪人って、人はなんとでも言うだろう。自分の言葉を信じてくれた人の幸せのために自分は悪人にもなれる。何とも深い愛。
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※このレビューにはネタバレを含みます
国宝から悪人へ、私にとっては吉田修一さんの2作品目。 物事のシロクロなんてそう簡単につけられるもんじゃない。同じ一人の人間であっても時間の経過やその過程で受け取る情報によって変わることもある。そんなことを改めて感じさせてくれる作品だった。日々メディアで目にするアレコレも、きっとその一部の切り取りでしかないのだろう。 祐一の「どっちも被害者にはなれん」がただただ切なかった。そこで加害者側を選んでしまう祐一のそれは優しさとは違うようにも思えて、何とも言えない気持ちになった。 悪人と国宝、全然違う世界のお話なのに、どちらもページをめくる手が止まらなかった。 次は怒りへ。そして悪人の映画版も観てみよう。
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