悪人 新装版 の商品レビュー
悪とは、正しさとは、愛とは、みたいな話をされてるんだろうなあって思ってたけど、終わり方がとても好きだった アクセントが「悪」人だと思って読んでいたら、悪「人」だった この気持ちをうまく言葉にできないのがもどかしい
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楽しい。この描写の奥深さ。 たとえば、腕をつたう洗剤の泡、だとかそのかゆみが全身にうつる、とか細かな描写から人物の心の内をのぞかせてくれる。宮部みゆきさんとかもそう。余韻というのか、想像の余地を少し残してくれている。 よくファミコンなんかが再評価される時に使われる、表現しすぎない...
楽しい。この描写の奥深さ。 たとえば、腕をつたう洗剤の泡、だとかそのかゆみが全身にうつる、とか細かな描写から人物の心の内をのぞかせてくれる。宮部みゆきさんとかもそう。余韻というのか、想像の余地を少し残してくれている。 よくファミコンなんかが再評価される時に使われる、表現しすぎないというプレイヤーの自由。 ああ、吉田修一さんは『国宝(上)(下)』に震撼させられた方じゃないか。本作もまた、シーンと深い思索に落ちていくような感覚を味わった。 祈るしかないようなフィナーレの迎え方が、人間という余韻すら残してくれる。 うん、なんかいいこと言った気がする。 生きたという余韻。
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この方の作品は強烈な没入感を与えてくれる。「怒り」が大好きだが、この作品も並びました。男性作家なのに光代の心理描写がすごいです。終わり方もたまりません。 読み終わった後に感じたこと、 悪に利用されない為に、強くあり、賢くあらないといけない。自分を軽視する人間とは関わるべきではな...
この方の作品は強烈な没入感を与えてくれる。「怒り」が大好きだが、この作品も並びました。男性作家なのに光代の心理描写がすごいです。終わり方もたまりません。 読み終わった後に感じたこと、 悪に利用されない為に、強くあり、賢くあらないといけない。自分を軽視する人間とは関わるべきではない。必死に生きている人を見下し、馬鹿にする人間にだけはならないように生きていきたい。そして誰かから語られる様々な自分はどれもちょっとずつ自分なのだということ。 「悪人」は誰か? 私にとっては、彼は優しすぎたのだと思いたい。衝動的に殺人を犯してしまった彼は悪でなければならない。なぜなら、殺人を許してはいけないから。でも人として、あの大学生や傲慢さを撒き散らす被害者女性より、思いやりと情のある人間でもあると思う。登場人物を善と悪のどちらかに分類することは私にはできないが、好きと嫌いに分類するならば、間違いなくあの大学生だけは嫌いだ。
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あらすじ 小説、映画ともに大ヒットした不朽の名作。 福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、 出会い系サイトで知り合った土木作業員に殺害された。 二人が本当に会いたかった相手は誰なのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、携帯サイトに...
あらすじ 小説、映画ともに大ヒットした不朽の名作。 福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、 出会い系サイトで知り合った土木作業員に殺害された。 二人が本当に会いたかった相手は誰なのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、携帯サイトにアクセスする。 そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。 彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。 光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。 悪人とはいったい誰なのか? 事件の果てに明かされる、殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の代表作。─Amazon概要より 感想 ときどき自分が誰かわからなくなることはありませんか? 誰を、何を求めているのか? 何に駆り立てられているのか? 自分でも計り知れぬまだ見ぬ裏の自分… その扉が開いたとき、人は本気で誰かを愛するのかもしれません。 読んでいると、祐一も光代も自ら闇の中に飛び込んでいる、それはまるで後先考えずブラックホールに飛び込んで、あとはバラバラになろうがどうなろうがふたり一緒なら構わないといった強固な絆を感じました。 悲劇のふたりであり、人生一度でいいからこんなに夢中に愛し合える人、何も言われなくても理解できる人とただただ情熱のままに流されていたいと思いました。 でも、忘れてはいけない。 祐一は人を殺めていることを。
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初めの三瀬峠の説明が難しかったけど、後は読みやすかった 前半までは犯人がどっちだと思った 逃げるほどビビってたのに無実とわかると態度がひどい大学生の男が嫌だった、本当に無実だと思えるのだろうか 被害者も殺されそうな女だったので仕方ない面もあるのかもしれない でもそれは一面で、父や誰かにとってはみんな大切な人 犯人も、誰かにとっては大切な人 ラストは思いやりによる嘘だったならば、相手にも勘違いされて悲しいような、逆に救いになったのだろうかどっちかわからない結末だった
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悪人とは誰なのか?犯罪を犯した者は悪人なのか?色々と考えさせた。殺人事件の背景には色んなストーリーがある。 人が人を殺めること。これ自体は全く許される行為では無いが、その背景には色んな想いがある。そう思った。
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もうずいぶん前に読了したのだが、記録していなかった。 読後の素直な感想は、怒りである。 無思慮で傲慢な暴力と悪意が、弱く柔らかなものを踏みつけていく様。 慎ましく小さなものの声が、ついに届かない様。 信じたくない現実。 無力感。。。 すごく好きな作品だけど、もう一度読む...
もうずいぶん前に読了したのだが、記録していなかった。 読後の素直な感想は、怒りである。 無思慮で傲慢な暴力と悪意が、弱く柔らかなものを踏みつけていく様。 慎ましく小さなものの声が、ついに届かない様。 信じたくない現実。 無力感。。。 すごく好きな作品だけど、もう一度読む力が僕にあるだろうか。
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とある男が女性を殺した。 殺人を犯したって事実がある以上男は"悪人"なんだけど事件の背景、登場人物の人柄を知っていくと男に同情してきてしまう。 悪人とは…?ってなる話。 後味は悪いけど考えさせられるの好き。 週刊誌とかの誹謗中傷も、何も知らない第三者が好き勝...
とある男が女性を殺した。 殺人を犯したって事実がある以上男は"悪人"なんだけど事件の背景、登場人物の人柄を知っていくと男に同情してきてしまう。 悪人とは…?ってなる話。 後味は悪いけど考えさせられるの好き。 週刊誌とかの誹謗中傷も、何も知らない第三者が好き勝手言うのは良くないなって思える。 祐一が母親に金をせびってた理由が母親の加害者意識を無くすためって知った時には、なんて良いやつ奴だ!って思った。けど、やっぱ殺人犯しちゃったらダメなんだよ。でもあそこで殺さなくても、祐一は逮捕される結果になっただろうし、不憫だな。 映画も観たい!
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※このレビューにはネタバレを含みます
映画のイメージが強くて(観てないけど)、ずっと逃走劇が繰り広げられていると思っていたけど、前半はむしろ淡々と進んでいた印象。登場人物の心情に深入りすることなく、一歩距離をとって紹介が続く。 こんな感じか、と拍子抜けしていたら、いつの間にか祐一にのめり込んでいて…。光代には惹かれなかったけど、(むしろ、トラウマとはいえ自首させてやれよと思ってイライラした)二人の姿は哀れながらも笑うことはできなかった。 ラストの首を絞めるシーン、気になって調べたら映画ではアドリブでキスシーンもあったとか。なんだその演出、そこだけでも観たいもんな。そして、ラストの「あの人は悪人やったんですよね?ねえ?そうなんですよね?」が、切なすぎて…。脳内で動く映画キャストたちがそれぞれハマり役でした。 祐一は母に対するのと同じで、全て自分が引き受けるつもりで、待っててほしくなんかないんだろうけど、読者としてはいつかまた出会ってほしいと思ってしまうな。 「悪人」とは誰だろうな。真面目に生きる人が報われる世の中じゃなくちゃだめだよな。
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吉田さんの作品では『怒り』を読んだことがあり、 読みながら苦しくやるせない気持ちになった記憶。 でも、人間の奥の奥に隠された感情に迫る感じが懐かしくなり、今回『悪人』を読むことにしました。 誰が本当の悪人なのか、 それを白黒で決めつけることはできない。 誰しもの中に善も悪も混在...
吉田さんの作品では『怒り』を読んだことがあり、 読みながら苦しくやるせない気持ちになった記憶。 でも、人間の奥の奥に隠された感情に迫る感じが懐かしくなり、今回『悪人』を読むことにしました。 誰が本当の悪人なのか、 それを白黒で決めつけることはできない。 誰しもの中に善も悪も混在していて、1人の人間が誰かにとっての悪でもあり、また別の誰かにとっては善だったりする。 本で描かれているのは極端な例だけど、 きっと日常の中でもこの構図は当たり前に存在するんだろうと思った。 祐一のおかした殺人は絶対にいけないこと。 それは揺るぎない事実で、私が佳乃の親だったら間違いなく祐一を120%悪(≒許せない)と思うけれど… 第三者として読み進めると祐一の悪ではない部分も見え、後半はやはり読み進めるのが苦しかった。 そして増尾の悪事のように法で裁かれない悪も存在してしまうことがまたモヤモヤでもあった。 小説で描かれていないその先で、 誰か祐一を救ってくれる人がいますように。 そして増尾にギャフンという出来事が起こりますように。。。苦笑
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