悪人 新装版 の商品レビュー
約500頁で読み応えがあったが、あっという間に読まされた。次々にインタビュー形式で語り継がれるうまい手法には感心した。
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同著者による他の作品が面白かったので衝動買い。「殺人事件」をテーマにしているが、謎解きや予想を裏切る展開などを期待すると肩透かしを食らうと思う。しかし昨今の日本人作家による長編には珍しく、登場人物の造形がしっかりしていて読み応えがあった。愛に飢えた人々が次々と出てきて、色々と考え...
同著者による他の作品が面白かったので衝動買い。「殺人事件」をテーマにしているが、謎解きや予想を裏切る展開などを期待すると肩透かしを食らうと思う。しかし昨今の日本人作家による長編には珍しく、登場人物の造形がしっかりしていて読み応えがあった。愛に飢えた人々が次々と出てきて、色々と考えさせられるところもあった。映画のほうも近いうちに観てみたいと思う。
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シンプルな設定にシンプルな展開。ミステリーとして書かれた感じはしないし、ひねりもあまりない。しかしそれだけではなさそう。逆に作者の意図を斟酌したくなる。この作品で伝えたかったことは何なのか、しばし考えることになる。
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終わりは見えているのに、これはどう終わるのだろうと先がこれほど気になった作品も珍しい。 「悪人」は誰なのか? 読み終わった時にもう一度読み始めたくなる。 個人的には怒りより好きかもしれない。 吉田修一は人物を多面的に切り取ることがとても上手だ。 三人称一元で描きながら、人物に...
終わりは見えているのに、これはどう終わるのだろうと先がこれほど気になった作品も珍しい。 「悪人」は誰なのか? 読み終わった時にもう一度読み始めたくなる。 個人的には怒りより好きかもしれない。 吉田修一は人物を多面的に切り取ることがとても上手だ。 三人称一元で描きながら、人物にすんなり感情移入できるのに、その人物を他者から見た際まったく違う像が浮き彫りになる。 人って結局自分がいいように生きているし、じぶんがいいように世界を観ているんだろうなと思う。 同時に他者から観られて初めて人物は立体になるし、地に足の着いた生身の人物になる。 吉田作品はその巧妙さをパレードですでに見せていたけど、悪人を読むとさすがにその技術に驚嘆せざるを得ない。 九州の地方の人々をそのまま写し取ってきたような人物は、本の中で間違いなく生きているし、触れることができるくらいリアルな気がする。
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この作家は上手い。 ごく単純なストーリーを何人もの人物を通して話を進めて行ったり、回想の部分を絡めて展開していく。 話が進むに連れ人間臭さや人の悲哀が増していく。 引き込まれてしまう。
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愛情に飢えている人間の不器用な人生を描いていた。不幸な人生を送ってきたから、愛に飢えたのか?優しさは、持って生まれたものなのか?考えさせられます。
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映画は観ていないのだけど、以前「怒り」を読んで衝撃だったので手にとってみた。 早々にといか、あらすじにもう犯人がでているのでどんな展開かと思っていたが、登場人物の人柄、背景が丁寧に描かれていて、誰にとって悪人なのか、誰が悪人なのか、ある意味クロだけど、グレーな作品。あぁ、割りきれ...
映画は観ていないのだけど、以前「怒り」を読んで衝撃だったので手にとってみた。 早々にといか、あらすじにもう犯人がでているのでどんな展開かと思っていたが、登場人物の人柄、背景が丁寧に描かれていて、誰にとって悪人なのか、誰が悪人なのか、ある意味クロだけど、グレーな作品。あぁ、割りきれないな。 殺されるより、閑散とした山の頂上で車から蹴り落とすアイツに怒りをぶつけるお父さんの気持ち、何だかわかる気がする。 映画で妻夫木くんが主人公をどう演じているのか気になる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
新装版が出てたので再読。 悪人は誰? 祐一と光代の、たった数日間の逃亡劇。何もなかった二人が出会って求めあい、祐一の罪が二人を引き裂こうとする。 1つ言えるのは、殺された石橋佳乃も置き去りにした増尾圭吾も好きになれない。 九州弁(?)がいい。言葉の1つ1つが突き刺さる気がする。こういう時、方言はいいね。
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