不在 の商品レビュー
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帯につられて。 遺品整理、自分探し? だけど思ったような謎はなく、イヤミスでもなく、 さほど心惑わされなかった。 文章の上手な作家さんだとは思う。 超売れっ子の漫画家さんが主人公。
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漫画家で五歳下の恋人と暮らしている『明日香』。幼い頃に両親が離婚し、疎遠になった父が死んだと知らせが来る。遺言書には「明日香以外の親族は家に入ることを禁ずる」と書かれていた。その意味を測りかねながらも、明日香は二十数年ぶりに実家の洋館へ足を踏み入れる。 厳格な祖父母の期待に支配...
漫画家で五歳下の恋人と暮らしている『明日香』。幼い頃に両親が離婚し、疎遠になった父が死んだと知らせが来る。遺言書には「明日香以外の親族は家に入ることを禁ずる」と書かれていた。その意味を測りかねながらも、明日香は二十数年ぶりに実家の洋館へ足を踏み入れる。 厳格な祖父母の期待に支配する家には身の置き所がなかった子ども時代。力不足でありながら期待に応えようと家に縛られた父。ありのままの自分を受け入れてくれる愛を欲するあまり、恋人との関係も上手くいかなくなる。 自分の形を押し付ける主人公に嫌気を感じ、金銭面で甘えながらも自由に振る舞いたがる恋人にイラッとする。男女間の複雑な愛憎はスッと入ってこず、読み終わるのに時間がかかってしまった。 私は、『斑木アスカ』のマンガを読んでも、面白いと感じられない気がした。
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2019/06/30 読了。 図書館から。 初著者作品。 読みやすかった。 家族とか愛とか…?
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記念すべき1,000冊め。 とは言っても(読みたい」も含めてるから、これが記念作品だと思わなくてもいいかな。 悪くはない。 色々考えさせられた。
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長くの間関わりの無かった父親の死から、遺産相続を機に広がっていくヒロインの心情物語。 家族に対して愛情表現が空回る父親の影を自分にも見始め、恋人や母親にも自分の汚い部分を吐き出していくところが、ある意味人間味を帯びててスッキリと読み込めた。 現実の私はどうにもドス黒いけれど、斑...
長くの間関わりの無かった父親の死から、遺産相続を機に広がっていくヒロインの心情物語。 家族に対して愛情表現が空回る父親の影を自分にも見始め、恋人や母親にも自分の汚い部分を吐き出していくところが、ある意味人間味を帯びててスッキリと読み込めた。 現実の私はどうにもドス黒いけれど、斑木アスカである部分は周りから輝いて見えている。仕事を糧とする人生も、人それぞれなんだと再認識。
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明日香は私なのかもしれない。 本当は父親が好きだった。それなのに、父親は私を愛してはいなかった。 その気持ちを抱え続けて大人になった。 読んでいるあいだ、唇を噛む力が緩められず口内炎のようなものが2つも出来てしまった。自分の気持ちを見透かされているような…そんな感覚。苦しい。辛...
明日香は私なのかもしれない。 本当は父親が好きだった。それなのに、父親は私を愛してはいなかった。 その気持ちを抱え続けて大人になった。 読んでいるあいだ、唇を噛む力が緩められず口内炎のようなものが2つも出来てしまった。自分の気持ちを見透かされているような…そんな感覚。苦しい。辛い。 私もどこか「家族とはこう、夫婦とはこういうもの」と勝手に決めつけていて、その型にはまらなければ不安定になり癇癪をおこし被害者ヅラして涙する。 私も過去の自分を解放してあげよう。 そう思えた作品だった。
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展開を期待するも大きな変化もなく淡々と進む話のもどかしさは卓袱台ひとつ囲んで話すだけのかつての小劇場の舞台のよう。 そして持ち出す話題が愛なのだから途中で投げ出されるリスクは高いチャレンジングな作品。 故に読み手は選ぶ、「不在」の意味が愛されるべき自分の存在だと気付けなければただ...
展開を期待するも大きな変化もなく淡々と進む話のもどかしさは卓袱台ひとつ囲んで話すだけのかつての小劇場の舞台のよう。 そして持ち出す話題が愛なのだから途中で投げ出されるリスクは高いチャレンジングな作品。 故に読み手は選ぶ、「不在」の意味が愛されるべき自分の存在だと気付けなければただ単に屈折した嫌な女の愚痴だろうから。 でもらしさもぎっしりで人の業らしき男の子のホラーテイストに加えて忘れられていなかった緑原さんやぼろぼろになりながらも自分を見つけ前を向くアスカの姿に彩瀬さんの優しさが溢れている。 私にはこの本グサリと刺さりました
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生死にかかわらず、「存在」の描き方がとにかく生々しい。 心の底でねばつくドロドロしたものが巻き上げられ、「私そのもの」が沈殿してしまうんじゃないかと行く末を案じながらページを進めた。 色々なひとや事、物に作用されながら、「生きる」を進めていくんだなと思う。
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なんだろう、この居心地の悪い読後感をどう言葉にしたらいいものか。 いまのわたしにはどうしても明日香という人間のどこもかしこもが受け付けない。 なんて身勝手で傲慢で被害者意識強めの救いようのない女だと思えてしまう。(だからこそ多くのものを失うのだけど でもこういう環境で育ってしま...
なんだろう、この居心地の悪い読後感をどう言葉にしたらいいものか。 いまのわたしにはどうしても明日香という人間のどこもかしこもが受け付けない。 なんて身勝手で傲慢で被害者意識強めの救いようのない女だと思えてしまう。(だからこそ多くのものを失うのだけど でもこういう環境で育ってしまうとこういう人間ができあがるのかなと思うと、恐ろしくもある。 生まれてくる場所は選べないのに。 選ばれなかったことを明日香はずっと忘れられないのかな。 わたしにはとうてい理解できない思考と行動と発言ばかりで戸惑いっぱなしの読書タイムだった。
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幼少期に満たされなかった思いに気付いて、前を向いて歩いていくお話し 所々、よしもとばななっぽいと感じる文体あり 親の期待通りに育った兄に 「お前、いい歳して、親に愛されたとか愛されなかったとか言ってるのって変だぞ」みたいに言われるけど。 愛された側はそんなこと考えもしないんだろうな。 愛されていないなんて感じることもなく育ってきたら、そりゃそう思うよね、気持ち悪いってなるよねー って思って読んだ。
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