我が家のヒミツ の商品レビュー
シリーズ初の3作目のみ読了。 いろいろな家族にまつわる短編集を書き下ろした作品。 その人の立場になってみないと分からないというのは定石。その人その人にとって、おばあちゃんが死ぬときとお母さんが死ぬときと感情や心の捉え方が違うし、そういう人たちに寄りそえる人でありたいと感じた。
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最小の社会生活単位であるところの家族。世の中に様々な家族が五万といる中で、我が家ではどんな秘密があるのか…覗いてみましょう!みたいな台詞が入りそうな、家族の日常の光景が登場します。人にわざわざ話すまでもないような内輪の出来事を取り上げた内容に、にんまりしたり、しんみりしたり、ちょ...
最小の社会生活単位であるところの家族。世の中に様々な家族が五万といる中で、我が家ではどんな秘密があるのか…覗いてみましょう!みたいな台詞が入りそうな、家族の日常の光景が登場します。人にわざわざ話すまでもないような内輪の出来事を取り上げた内容に、にんまりしたり、しんみりしたり、ちょっとビックリしたりの短編が6編載っています。あっという間に読み終えたのですが、その中でも妊婦さんの妄想の産物の話かと思いきや全然別の顛末には意外性があり、最後に登場した話では作家である夫が、妻の選挙出馬を応援する話に、夫は奥田さん自身を想定して書いたんだろうか…?とつい思ったりしました。
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我が家シリーズ第3弾の位置付けの本作。あいかわらず奥田さんは、何てことはないんだけど、日常のちょっとした出来事を描くのがうまい。 かといって、実の父の存在を知らさせた娘の話や、妻が出馬する話など、特別な状況に置かれる主人公も出てくるけど、それはそれで、どの家族にも当てはまるであ...
我が家シリーズ第3弾の位置付けの本作。あいかわらず奥田さんは、何てことはないんだけど、日常のちょっとした出来事を描くのがうまい。 かといって、実の父の存在を知らさせた娘の話や、妻が出馬する話など、特別な状況に置かれる主人公も出てくるけど、それはそれで、どの家族にも当てはまるであろう話に落とし込まれていて読みやすい。 どの話も爽やかな読後感が得られるであろう。
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奥田英朗氏の「我が家のヒミツ」を読みました。 6編からなる短編集。 奥田氏は本当に才能豊か。 いろいろな作風があります。 この本はいろいろな立場の家族の物語。 劇的な変化はないけれど、人と人。 受け入れ方で全然変わってします。 老若男女 みんなにおすすめの本でした。
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全体的に“ヒミツ”という感じではない。かな。 でもほっこりするいい話。いい家族の話はとても好き。 「虫歯とピアニスト」 敦美は31歳で既婚、結婚して数年経つがなかなか子どもが出来ず、歯科医院の事務員として働きに出ている。夫の孝明は一級建築士。ある日敦美の働く歯科医院にピアニスト...
全体的に“ヒミツ”という感じではない。かな。 でもほっこりするいい話。いい家族の話はとても好き。 「虫歯とピアニスト」 敦美は31歳で既婚、結婚して数年経つがなかなか子どもが出来ず、歯科医院の事務員として働きに出ている。夫の孝明は一級建築士。ある日敦美の働く歯科医院にピアニスト・大西文雄が患者としてくる。ファンであるのに、きちんと大西との距離を保つ敦美にも好感が持てるし、頼りないと思われていた孝明のセリフもとてもよい。 「正雄の秋」 昇進レースに負けた正雄。周りに気を遣われるのがとても嫌で、レースに勝った河島に「おめでとう」というのも二の足を踏む。自分がどう思われるかばかりを気にする、プライドの高い正雄。あまり好きにはなれないが、こういう人いるよね、という感じ。 「アンナの十二月」 12歳の時に、父親と血がつながっていないことを教えられ、16歳で血のつながった父親に興味を持つ。しかもその血のつながった父親は芸能界では超有名人。しがないスーパー店主と芸能人の二人の父。どちらが本当の父親なのか。 「手紙に乗せて」 53歳で母がなくなった。自分たち(主人公:亨、その妹)もそうだが、とりわけ父が気を落としている。自分たちには強がっているが、食欲が落ち睡眠も充分ではなさそう。身内をなくした経験のない周りの人たちは3日でそのことを忘れるが、経験した人は親身になってくれる。 経験しようと思って経験できることではないため、想像力と思いやりが大切。
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奥田英朗の我が家のヒミツを読みました。 家日和、我が家の問題に続く3作目の短編集でした。 ごく一般的な家族に訪れるイベントを軽いタッチで暖かく描いています。 「妊婦と隣人」という短編は、臨月が近いため自宅で出産を待っている妊婦が、マンションの隣の部屋に引っ越してきた正体不明の...
奥田英朗の我が家のヒミツを読みました。 家日和、我が家の問題に続く3作目の短編集でした。 ごく一般的な家族に訪れるイベントを軽いタッチで暖かく描いています。 「妊婦と隣人」という短編は、臨月が近いため自宅で出産を待っている妊婦が、マンションの隣の部屋に引っ越してきた正体不明の人たちが気になる、というお話でした。 たぶんこういう展開・結末になるんだろうな、という予想は見事に裏切られました。
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人生で巡り合ういろいろな問題。それが家庭に引き起こすさざ波のような波紋。社会を揺るがすようなことはないけど、その家庭にとっては一大事。その時、家族はどう動くのか。 どんでん返しはない。サスペンスもない。でも、響く。静かに、少し強く。 「うちだったらどうなるかな?」って思う。優しい...
人生で巡り合ういろいろな問題。それが家庭に引き起こすさざ波のような波紋。社会を揺るがすようなことはないけど、その家庭にとっては一大事。その時、家族はどう動くのか。 どんでん返しはない。サスペンスもない。でも、響く。静かに、少し強く。 「うちだったらどうなるかな?」って思う。優しい作品。 「家日和」「我が家の問題」に連なる連作短編集。ぜひ、順を追って読んでいただきたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このシリーズ大好き。図書館で借りたのを悔やむほど。買えばよかった。 特に「手紙に乗せて」「妻と選挙」が良かったなあ。読み終わった後になぜか微笑みながら泣いているという笑。 著者のミステリーも好きだけど、こういう話も大好き。続編希望!
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20180724 我が家シリーズ第3弾 6作の短編がどれも面白すぎる。 主人公も女子高生からおじさんまでと、驚くほどバラエティに富んでいる。 そしてどれも気持ち良い読後感。 奥田さんの才能に脱帽です。
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安心安全の1冊。 「(良い意味で)何も起こらない小説」というジャンルがあるならば、代表するシリーズ作品といえるのでは。
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