dele(2) の商品レビュー
「dele」一冊目だけではいろいろと伏線や謎が残っていましたが、それを綺麗にすべて掬い上げた完結編。一冊目を読んだ時に少し感じた消化不良感はなくなりましたが、読み終えると逆に、「完結」してしまったことがなんだかもったいなくも感じました。 それは凄く出来の良い(もちろん別設定であ...
「dele」一冊目だけではいろいろと伏線や謎が残っていましたが、それを綺麗にすべて掬い上げた完結編。一冊目を読んだ時に少し感じた消化不良感はなくなりましたが、読み終えると逆に、「完結」してしまったことがなんだかもったいなくも感じました。 それは凄く出来の良い(もちろん別設定であるとはいえ)ドラマ版が頭にあるという影響が否めません。彼らの「dele」での活躍を、もっと見たい、まだ読みたい…という想いがどうしても強かったからです。 そんな個人的な感情論を省くともちろん、祐太郎と圭司の物語としてしっかりと収束しています。 収束に至る話の前の、女性二人の物語のやるせない切なさも余韻があリ考えさせられます。 最後の物語では祐太郎の過去へと迫っていき、その真実が明らかになるにつれ、過去と向き合うことの無意味さ、虚しさもあらわになり、そして「巨悪」の不在がまた彼らを追い詰めていく。 そんな、ほんとうのことが明らかになってハッピーエンド、と簡単にさせない小憎たらしさが作者らしいというか、だからこそ複雑に交差する人間模様に惹きつけられるというか。…ただ、彼らがきっと遠くない将来に、また笑い合える日が来てくれるだろうという希望は、持てそうなだけ、良いラストだったと思いました。
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なぜか読んでしまう本多孝好。本編はドラマ化されているらしく、見てないけど主演の二人の顔がちらついて困った。これで完結か。近年の著者作品ではまずまず。鮮烈なデビューからだんだん悪くなるような気がするけど、持ち直してほしい。
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2冊目。とりえずドラマはまだ見てない。 人は忘れたいことは忘れていいし、覚えておきたいことだけ覚えていればいいのだと、なんかの本で読んだな。。
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前作に続き期待通りの読後感。ドラマになるらしいが、ドラマ受けしそうな気がする作品。 個人的には小説原作のドラマは観たくありませんが。
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圭司と祐太郎の思いがけないつながりにびっくり。 まさか、まさかの展開。 これで完結なのかな。 圭のユウも好きだったので残念。 でも、2人はこれからもまっすぐに生きていくはず。
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短編二編を挟み、物語は祐太郎の妹・鈴の死の真相に迫る最終章「チェイシング・シャドウズ」へと流れ込む。主人公コンビは前作同様、探偵業さながらに動き回るが、淡々と進む物語にはどこか静謐なイメージが宿り、シニカルかつビターな結末は程良い余韻を醸し出す。死によって齎される様々な喪失の形を...
短編二編を挟み、物語は祐太郎の妹・鈴の死の真相に迫る最終章「チェイシング・シャドウズ」へと流れ込む。主人公コンビは前作同様、探偵業さながらに動き回るが、淡々と進む物語にはどこか静謐なイメージが宿り、シニカルかつビターな結末は程良い余韻を醸し出す。死によって齎される様々な喪失の形を見てきた祐太郎と所長の圭司にも自らの喪失、及びそれに付随する残酷な運命と向き合う試練が訪れる。最終章で風呂敷を広げ過ぎた感は否めないが、映像化の背景を考慮しても、二人が導き出した結末は物語の着地点としてほぼ完璧と言っていいだろう。
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物事を反対側から見ると、見えていた側とは全然違う事実があるかもしれない、ということを思い出した。 本多孝好の本はdeleシリーズが最初だったが、違う作品も読んでみたくなった。
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ある日、祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の 元教授からデータ削除依頼が舞い込む。新薬の 治験中に死んだ鈴。祐太郎は圭司と共にその真相を 追うが…。記憶と記録をめぐるミステリ、第2弾。
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