滅びの園 の商品レビュー

恒川光太郎(著者)

2022/02/12

読了後も何度か読んでしまう本。
もし私が誠一の立場なら、きっと彼と同じ選択をしただろうなあと思う。恒川光太郎氏のお話が大好きで全て読んでますが、一、二を争って好きなお話。

2021/12/20

一気に読んでしまった。
危機が訪れていても、良くも悪くも頭のどこかで楽観的な部分があるから人は生きていけるのだと思う。
あの天国を破壊されたのだという気持ちが私にもある。実態がどうであれ。誠一が不憫だ。
自分が何を求めているのか、何を重視しているのか、この物語を通じてよく分かった。自分を見つめ直し苦しむ結果になった。
究極の選択に答えは出せない。1人を選んでも、大勢を選んでも残酷だ。

2021/10/01

『プーニー襲来！その頃、あちらの世界で誠一は…』

電車に乗っていたのに、突如、見知らぬ世界へたどり着いた誠一。その頃、元の世界は不定形生物プーニーの襲来を受けて大騒ぎ！【SF】＋【ファンタジー】＋【ホラー】＝【ザ・恒川ワールド】　そんな作品です。

2021/08/30

読者によってハッピーエンドかバッドエンドか、感じ方が変わる作品。
「滅びの園」という題名はどの登場人物にも当てはまると感じた。大切な人々や世界を失った鈴上氏は勿論の事、地球側の人々も平穏な生活という園がプーニーによって滅んだ。
多種多様な価値観の人々が共存する事は、誰かしらの「園」を滅ぼす事に繋がってしまうのだろうか？自分の幸せとは？誰かを不幸にするとしても自分の幸せを守り抜けるか？生きるとは？死とは？色々考えさせられた。
未知なるものやプーニーとは一体なんだったのか、疑問点は幾つかあるが良い作品だった。

2021/09/08

毎回物語の世界にグッと引き込む力のあるお気に入りの作家さんだが、いつからか世界観がぶっ飛びすぎて、
ちょっとついて行けなくなったのも事実。
今回も前半は置いてけぼりをくらい、
これは最後まで読み切れるのか？と心配になったけれど、なんとか後半馴染んできて読了。
善とは？悪とは？
それを判断するのが難しい作品だった。

2021/06/25

一人称で語り手になる登場人物達はみんな何だかんだ善良な心の持ち主で好感が持てた。それっぽいタイトルの新書が発売していたり、突入者に人気が集まったり、コンダクターに賛否両論あったりなど、プーニーに侵された日本における社会的な現象の描写が説得力あって好き。SFのかっこいい世界観とか設定よりも、登場人物の細かい心の動きとか考えが楽しめる小説のように思うので後者が好きな人におすすめです。

2021/05/26

こういう小説は最近の時世と照らし合わせてしまうね。いつまでも続くと思ってた日常がある日急に変わってしまうような。さすがにこのプーニーの襲来に比べれば、まだマシなのかもだけど。
鈴上氏の立場が1番不遇なのかな。自分で望んだわけではないのに、ある日舞い降りた世界がプーニーの中の世界で、そして地球に戻ってきたらいろんな人から恨まれる存在になってしまうのは。あとは野夏くんも。

2021/04/26

ファンタジー

野夏旋 (のなつめぐる)
相川聖子(あいかわせいこ）
プーニーコンダクターの活躍が良かった

2021/03/31

夢中になって読んだ。
自分が主人公の鈴上誠一だったら、きっと同じような選択をしていたと思う。
元いた世界の人が大変な状況にあるって言われても、「はあ、そうなんすか。でも、今順風満帆なんで関係ないっすわ。」と言い放つと思う。
現実の世界で手に入れられなかった幸せを守ろうとして結果的に想念の異界でも思い通りに行かなかった主人公が気の毒だった。

2021/01/08

鈴上さんが不憫。あなたに全地球が掛かっている、と言われてしあわせな『現実』を壊せるのか。以前の記憶が薄れた今、もはや異界が現実となった状態で突然壊されて放り出されて、インタビューの受け答えもそりゃそうなりますよね、と…。 おそろしい存在だけど想像するだけでプーニーかわいい。プニ対の言い方とか。ぷーにーの響きとか。