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そろそろ左派は〈経済〉を語ろう の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2024/10/13

この本で語られていることの重大さに、今更ながらに気づく、というか、刊行当時に読んでおくべきだったと強く思った。今現在も尚、不況にあえぐ日本にとって、どこか変換点だったのかがよく分かるし、左派に対して何が足りないのか、もっと言えば民主党政権時代に、何が圧倒的に欠如していたのかがよく...

この本で語られていることの重大さに、今更ながらに気づく、というか、刊行当時に読んでおくべきだったと強く思った。今現在も尚、不況にあえぐ日本にとって、どこか変換点だったのかがよく分かるし、左派に対して何が足りないのか、もっと言えば民主党政権時代に、何が圧倒的に欠如していたのかがよく理解できた。刊行から年数は経っているし、世界情勢は今まさに大きく変動している中、今の日本に必要な経済に対する考え方が詰まっている。左派はあまりに経済に対して無頓着であったかを自らを含めて痛感させられた。

Posted byブクログ

2024/09/10

先の選挙で国民民主が議席を伸ばした意味が分かった気がする。最近はギルティトゥアソシエーションも酷く、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いも大概にして欲しい。

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2024/06/27

(2018/7/11) ブレイディみかこ 松尾匡 北田暁大 左派による反緊縮政策を!がテーマの本。 保守、リベラル、右派、左派という言葉の定義が、 今の政治家の振る舞いの中で意味不明になりつつある。 保守本流を名乗る安倍政権の金融緩和政策が実はリベラル的だったりしているのがそ...

(2018/7/11) ブレイディみかこ 松尾匡 北田暁大 左派による反緊縮政策を!がテーマの本。 保守、リベラル、右派、左派という言葉の定義が、 今の政治家の振る舞いの中で意味不明になりつつある。 保守本流を名乗る安倍政権の金融緩和政策が実はリベラル的だったりしているのがその証左。 と言って安倍さんにリベラルな気持ちなど全くなく、 ただ、国民受けする政策をして支持率を上げて、悲願の憲法改正がしたいだけ。 自民党のその他の有力者は皆財政均衡、消費税増税派。 田中角栄時代の自民党はもうないのだ。 だからこそこの本は問う。 今こそ左派は反緊縮政策を掲げ、現政権を倒せと。 政治は経済だ。 私は、今は諸悪の根源のように語られることの多いミルトン・フリードマンの理論の信仰者。 彼の理論を「新自由主義」とすることには違和感はある。 大きな政府、国民から税金を集め恣意的に使う、というやり方に反対、 というのは正論だと思う。今でも思う。 そんな大金の投資先を、正しい判断が出来る人なんていないだろうと。 その点、消費税増税はある意味大きな政府につながるわけで、 フリードマンがたたかれるのもそういうことか? ベーシックインカムはありだと思う。 よくよく考えれば、民主党の子供手当は、ある意味子供へのベーシックインカムだったのではないか。 これを国民全員に広げる。 財源は? 日銀が刷る。 それで行けるのではないか。 ハイパーインフレが怖い? 貯金している人が怖いだけ。持たない人は怖くない。 そもそも今の財政不均衡とやらも、実は不均衡ではないのだ。 金持ちの貯金が銀行を経由して国債となって日銀に買われているのだから。 貯金という生きていないお金が借金の形を取って生きるのだ。 そもそも経済でこれが正しい、なんてことはない。 昔は金本位制が正だった。今誰もそんなこと言わない。 今や国の保証さえいらない、という仮想通貨が出回っている。 要はものが、役務が動けばいいのだ。 老人が老後の心配にとっておいている金を市場にださせればいい、と「心理経済学」で 大前研一氏が言っていたが、まさにそうだ。 お金、なんてなんでもないのだ。 皆が人の役に立てば、世の中は回る。 そういう世の中を作らなきゃ。 老人が自分の財産にしがみついて若者を犠牲にする社会に未来はない。 老後の備えの財産が1800兆?国民一人当たり1500万? 信じられん。 第1章:下部構造を忘れた左翼 第2章:「古くて新しい」お金と階級の話 補論1:来るべきレフト3.0に向けて 第3章:左と右からの反緊縮の波 第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ! 補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ

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2023/07/07

p80 労働党の方ではブレクジットを選挙戦の争点にしなかった。むしろブレッド&バターイシュー(どうやって飯を食うか問題)と呼ばれる国内問題を争点にしました。そして、その戦略が見事にあたった p85 労働者にとっての離脱は、文化的な動機(移民への不満)よりも経済的な動機(...

p80 労働党の方ではブレクジットを選挙戦の争点にしなかった。むしろブレッド&バターイシュー(どうやって飯を食うか問題)と呼ばれる国内問題を争点にしました。そして、その戦略が見事にあたった p85 労働者にとっての離脱は、文化的な動機(移民への不満)よりも経済的な動機(生活への不安)が大きかった

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2023/04/05

面白かった。 今の野党に経済政策を仕込むより現政権に社会保障制度を手厚くさせるほうがハードル低いような気がする。保守支持層も読むべき。 2023年4月現在の物価高が始まっている環境でどこまで緩和政策が続けられるのか、緊縮が始まったタイミングが野党の攻め時。

Posted byブクログ

2023/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このままの世の中でいいとは思っていない。しかし、共産主義はもちろん、社会主義も決して受け皿にはなり得ないとも感じている。なぜならば、この本の帯にあるように、左派は経済を回すことを考えの範疇に入れていないからだ。結局資本主義経済に寄生することを前提に理想論を叫んでいる。まるで社会的な中二病だ。(ついでに言うと国防においても同じことが言える) そんな「左派」が経済のことを考えたそうだ。読んでみたが、やはり堂々巡りから抜けられないようだ。本当に困ったものだ。

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2022/04/03

「左派」論者3名による経済政策論かつリベラル批判の対談書。日本のリベラル派を、経済成長政策を疎かにしてきたと批判し、文化的・制度的な面での公正性を重んじるだけでなく、「明日どうやって飯を食っていくか」に直結する経済政策もちゃんと考えろと指摘している。この本を読むことで、リベラルを...

「左派」論者3名による経済政策論かつリベラル批判の対談書。日本のリベラル派を、経済成長政策を疎かにしてきたと批判し、文化的・制度的な面での公正性を重んじるだけでなく、「明日どうやって飯を食っていくか」に直結する経済政策もちゃんと考えろと指摘している。この本を読むことで、リベラルを自称し人権を重視し・・・と考えている人が、自分の視野の狭さに気付かされるかもしれない。僕はそうだった。 対談の著者は三名。①『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で有名なイギリス在住の文筆家、ブレイディみかこ。②マルクス経済学を専門にする立命館大学の経済学教授、松尾匡。③理論社会学でメディア史を専門にする東大大学院教授、北田暁大。戦後史、経済理論史、時事問題(ブレグジット、ギリシャ危機など)を幅広く取り上げつつ丁寧に説明しており、我々はどこからきて、今どこにいるのか、そして今後どこへゆくのかの文脈について、整理することができる。面白い。 また、この本を読んで感じたのは、経済政策を評価(立案・投票などすべて)するとき、私たちはどんな社会(国)作りがしたいのかをそもそも考える必要があるということ。 税金の使い道についても、税の累進性の政策の是非についても、結局何がしたいのかの目的に紐づけて、メリデメを評価する必要がある。 ついては、日本にそういった明確なビジョンがあるだろうかと思うと、色んな政治家がビジョンを出していることにようやく気づく。また様々な政策研究会議においてビジョンらしきものが提示されている。 「株式会社ニッポン」があるとしたら、世界市場でどんなポジションで、どういうミッション・ビジョン・バリューを持ってやっていこうとしているのか、もっと明確に理解していきたい、、、 本書が重要だと思えるのは、現実主義的な語り口だからだ。ライツ・トーク(rights talk)と呼ばれる、人権をベースとするリベラリズムの考え方(とくに、rights as a trump *人権の切り札性)の理想主義的な部分を認め、それだけで物事を判断しきれない、また政策として不十分な部分を解消するために、適切な経済成長や、適切な財政出動を推奨しているからだ。 一方で政策論はそれとして、その政策を実現するためには民意を動かしていく必要があるが、その民意が分断されている(=ソーシャルアパルトヘイトの)現状で、どう人々が交わっていくかについては、この本のスコープではカバーされていない。「リベラル」な自分が本当のところ「左派」になれないのは、この分断を作っている一員だからだと感じるが、これを乗り越えるために何ができるのか、強い課題意識を持った。

Posted byブクログ

2021/10/28

当時はよくわかっていなかったのだけど、野田政権の消費税増税、緊縮によって民主党政権に対してかなり悪いイメージがついたのだろう、とわかってきて、どうやって自公政権を倒せるのか考えていてたどり着いた本。 安倍政権は、改憲のために国民の機嫌取りの経済政策に力を入れた、というのをみて自民...

当時はよくわかっていなかったのだけど、野田政権の消費税増税、緊縮によって民主党政権に対してかなり悪いイメージがついたのだろう、とわかってきて、どうやって自公政権を倒せるのか考えていてたどり着いた本。 安倍政権は、改憲のために国民の機嫌取りの経済政策に力を入れた、というのをみて自民は上手いなあと思う。 難しい部分もあったので、また歴史なども勉強して読み直したい。

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2021/10/25

「経済成長」という言葉がさしている意味が2種類あるということ、「アベノミクス」の第1と第2の矢という政策が反緊縮財政だったということ、金融緩和と金融市場の規制緩和を勘違いしている人がいるということ、ポピュリズムとポピュラリズムを勘違いしている人がいるということなどなど、これらすべ...

「経済成長」という言葉がさしている意味が2種類あるということ、「アベノミクス」の第1と第2の矢という政策が反緊縮財政だったということ、金融緩和と金融市場の規制緩和を勘違いしている人がいるということ、ポピュリズムとポピュラリズムを勘違いしている人がいるということなどなど、これらすべてを知らず、勘違いしていたのが自分だったのか~…っていうことが分かった(ような気がした)。 また、「国の借金のせいで国民が苦しんでるならその借金を踏み倒せ!」という立場も分からなくはないが正直、「ちょっと過激だな」と思っていた。そこへ「インフレが進んだ時に民間に売ったり、借り換えを停止したりする一部の国債だけ返済が必要だ」という1文が付け加えられているのを初めてみたような気がして、安心したような、自分の中に勝手な落としどころが見つかったような気になった。 まだまだ分からないことが多いけど、とても興味深く読めました。

Posted byブクログ

2021/10/16

岸田内閣が発足し総選挙が行われることになった。岸田内閣に期待すること、あるいは、衆院選の論点として考えるべきこと、という内容で、日本経済新聞が朝刊に連載をしているが、今日の朝刊のテーマは「成長か分配か。まずは成長を優先すべき」という内容のものであった。 本書は、ブレイディみかこ...

岸田内閣が発足し総選挙が行われることになった。岸田内閣に期待すること、あるいは、衆院選の論点として考えるべきこと、という内容で、日本経済新聞が朝刊に連載をしているが、今日の朝刊のテーマは「成長か分配か。まずは成長を優先すべき」という内容のものであった。 本書は、ブレイディみかこさんと、経済学者の松尾匡氏、社会学者の北田暁大氏の対談で構成されている。発行は2018年5月のことなので、今から3.5年前のことであり、岸田内閣はもとより、菅首相の前の安倍首相、経済政策で言えばアベノミックス時代の発行である。 本書の大きなテーマの一つは、書名にもなっているが、日本の左翼・左派に対して疑問を呈する、というものである。 経済だけが大事なことでないことは言うまでもなく、経済以外にも大事なことは山積していることも言うまでもない。ただ、私は、経済問題は現代の日本の大きな問題の一つだと思う。格差問題、あるいは、日本にも貧困層が生まれており、その格差や貧困は世代間で受け継がれる、要するに固定化・階級化しつつある、ということは、かなり以前から指摘されており、解決すべき政治的イッシューであるはずだ。 この問題へのアプローチには2つある。1つは経済成長が大事だとするもの。日本の1人当たりGDPはバブル崩壊以降、ほとんど増えておらず、今やそれを指標とすれば、日本は既に世界で最も豊かな国の一つとは言えなくなっている。これは事実であり、日本全体が豊かにならない限り、国民に所得として行き渡る原資はないのだから、まずは経済成長を優先させようとするアプローチ。冒頭に記した今朝の日経新聞の論調である。 もう1つのアプローチは、分配が大事だとするもの。格差があるのであれば、格差を均せば良いではないか、というアプローチである。富裕層への課税を強化したり、あるいは、大企業への課税を強化し、そこで得た原資を、例えば医療費や介護費や貧困世帯への援助に回そうとするものである。 本書でのブレイディさんをはじめとする3人の方が感じている違和感は、日本の左派が「経済」について語らないということである。日本の左派は、例えば環境問題、原発問題、等についての主張が多く、そのこと自体は何の問題もないのだけれども、日本の大きな問題の一つである「経済問題」、特に、如何に日本の経済を成長させるかについては、ほぼ語るところがない。なかんずく、不況時の重要な経済政策の一つである政府支出について、国の財政均衡(要するに国の借金は良くないことなので、単年度の国の税収と支出をバランスさせましょうという考え方。政府支出を減らすことは、GDPを減らすことに繋がる)を優先させる考えを左派がとる(民主党政権時代の「事業仕分け」は皆さん記憶に新しいと思う)のは、ほとんどあきれるという内容である。 「成長か分配か」という、ものの考え方では何も解決できない。正しくは、「成長も分配も」であると私は思うし、本書の主張も同じ。日本の左派が「分配」については語るが「成長」について語らないのは、政治家としての一種の責任放棄ではないか、と私も思う。 本書の主張に同感だ。

Posted byブクログ