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ひと の商品レビュー

4

432件のお客様レビュー

  1. 5つ

    117

  2. 4つ

    204

  3. 3つ

    76

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2018/09/25

『本の雑誌』が選ぶ第2位と帯にあり期待したがそれほどでもなかった。泣きたい気分だったからか、泣けなくて残念。 青葉の元カレが最悪すぎて気持ち悪い。そんな元カレを悪く言いつつも突き放さない青葉も良い子感が出すぎててリアリティがない。

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2018/09/14

 不遇の中で生きていく主人公を描いた、希望に満ち溢れた内容です。  主人公を取り巻く人達の感情がよく出ている。  そして、主人公が成長していく姿がわかる。  爽やかに希望に満ちた終わり方である。  1日で読み終える。

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2018/09/12

少し古い感じの小説のような印象を受けたが、人が誠実に生きる様は、いつ見てもとても良い。 人材に代わりはいるが、人に代わりはいないという言葉はとても良かった。 コロッケに始まり、色んなものを譲ってきた主人公が最期に譲れないものを見つけたラストはキレイな終わり方だった。

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2018/08/26

高校時代に父を、大学2年の夏に母を亡くした聖輔は、近しい身内がいないため、一人で生きていくことを決め、大学をやめた。… 孤独となった聖輔の選ばなければならなかった道はかなり残酷な道。 同じ世代の子供を持つ親としては、なんとかしてあげたいと思ってしまいます。 でも、聖輔は、淡々...

高校時代に父を、大学2年の夏に母を亡くした聖輔は、近しい身内がいないため、一人で生きていくことを決め、大学をやめた。… 孤独となった聖輔の選ばなければならなかった道はかなり残酷な道。 同じ世代の子供を持つ親としては、なんとかしてあげたいと思ってしまいます。 でも、聖輔は、淡々と受け入れ、真面目に生きていく。 そんな彼の周りには、次々に優しい人が現れるのですね。 とは言え、聖輔の部屋で女の子と2人で過ごしてい剣や、お金の無心に来た母親の従兄弟のおじさんなど、モヤモヤさせられる人たちもいない訳ではなく、その辺がリアルだな感じました。 青葉の元カレの優先席や交差点での話のような、嫌だなと思うようなことは、私も感覚が似てるなと思いながら読みました。 人と人との繋がりが大事であることを改めて考えさせられる話。 聖輔のこれからを応援したいと思います。

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2018/08/25

20歳で天涯孤独になってしまった聖輔の、1年間の物語。 たまたま、コロッケを先客に譲ったことで始まる新しい人生。 茫然自失の状態から、一見流されているようで実は自分で道を選びながら一歩一歩進んでいくその真摯で前向きな姿に心の底からエールを送りたくなる。 頼ってもいいと言ってくれる...

20歳で天涯孤独になってしまった聖輔の、1年間の物語。 たまたま、コロッケを先客に譲ったことで始まる新しい人生。 茫然自失の状態から、一見流されているようで実は自分で道を選びながら一歩一歩進んでいくその真摯で前向きな姿に心の底からエールを送りたくなる。 頼ってもいいと言ってくれる人がいることの幸せ。そしてその好意に甘えることの大切さ。 そうだ、ひとはひとによって生かされているのだ。つながっていく縁をつなげていくこと、あぁ、私もつなげていきたい。ひととひとを。

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2019/07/04

舞台は東京、江東区砂町銀座。何と20年ほど前に住んでいたところ。懐かしく思いながら、確かに新入りの人間にも人情のある下町だったなぁ、とあれこれ思い出した。 主人公がこれまた自分の子どもの年齢と被り、うちの子はこんなにしっかりしてないなぁ…と戻れない時間を思ったりもした。 人は人と...

舞台は東京、江東区砂町銀座。何と20年ほど前に住んでいたところ。懐かしく思いながら、確かに新入りの人間にも人情のある下町だったなぁ、とあれこれ思い出した。 主人公がこれまた自分の子どもの年齢と被り、うちの子はこんなにしっかりしてないなぁ…と戻れない時間を思ったりもした。 人は人ときちんと向き合えば、味方になってくれる人と繋がることができる。でも、子どもが独り立ちできるようになるまで親は元気でいないといけない、とつくづく感じた。2018.8.19

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2018/08/15

【内容転載】 母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。 全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さな...

【内容転載】 母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を東京の大学に進ませてくれた母。――その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。 全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った五十円コロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。 そんな君を見ている人が、きっといる―― この本しみじみ良いと思います。両親を相次いで失ってしまった青年が、自分の力で東京という町で居場所を作っていく淡々としたお話です。悲愴でもなく感動でもないのですが、題名の「ひと」という言葉に集約されるような、色々な人々との関わりを描いています。 受入れ型の主人公なのですが、決して優柔不断ではなくしっかりと自分の足を踏みしめて歩こうという意思がとても頼もしいです。孤立無援で不安が沢山な20才が色々な事を諦めながらも、新たな夢を持とうとする姿はジンとします。 いい人ばかりですが、嫌な奴も数名登場します。ちょっとむかむか来たりしますがスパイス的にちょうどいいです。あまりに悲愴なのは胸が痛いから。 人の心を忖度しすぎる主人公にもっと自分を出して生きていけよ、と肩を叩きたくなりますが、なんだかんだ自分の意思は貫く強さを持っていて大きく頷きたくなります。本当に居そうなんだよなこういう男の子。この先幸せになるように祈る位親しみ湧いています。

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2018/08/14
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図書館より。 多分、この手の小説は、ダ・ヴィンチで気になって予約してたんだと思う。さらりと読了。 嫌なひともいる。でも、助けてくれるひともいる。色んなひとがいる。 折れずに、こつこつ、でも一歩ずつ進む主人公がスゴい。タイプとかそんなんじゃないけど(笑)、出てきた彼女はオトコをみる目があると思った。なんだか、じんわりくるね~(笑)

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2018/09/22

18/08/12読了 今読んでよかった。何、というわけではないけど、よかった。 ぜひドラマ化してほしい作品。連ドラだと厳しいかもしれないけど、深夜30分とかで。

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2018/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 昨秋に『本日も教官なり』を読んで以来の、著者小野寺史宜作品。  のんびりまったりNHKドラマのノリの前作は可もなく不可もなく。年代も近い著者なので、時代に対する感覚などが似てること、前作は境遇の似た主人公に共感しつつ読んだ。  本作の主人公は二十歳の男性。高校生の頃に父親を事故で亡くし、大学在学中に母も急逝。天涯孤独となり大学を辞め、自活の道を模索する1年間を描く。  前作の予定調和な雰囲気と一線を画すが、普通の生活では有りえないような事件やドラマ性を帯びた出来事は少なく、淡々とした日々の中で主人公の成長ぶりを描く筆致は著者の持ち味だろうか。少しダークな心根の持ち主が絡んできて緊張を高めるが、序破急的な「破」も「急」もなく、「転」もなければ「結」も穏やかなもの。インパクトは少ないが、安心して読めるといえば読める。  1年間を描くから章立てが季節ごとの4章。秋、冬、春までは「一人の~」と付き、終章は「夏」。これでなんとなく筋が見えてしまうのだが、まぁいいか(苦笑)  概して説明し過ぎのきらいはある文章なのは、著者の欠点か。 例えば、恋のライバル高瀬涼から 「悪いけどさ、空気を読んでよ」と言われる場面、 「いやなところでいやな言葉が出た。空気を読む。好きになれない言葉の一つだ。僕自身はつかわない。」  KYを忌避する気持ち、感性は世代的にも近いので大いに共感できる。なので高瀬の言葉を読んだ瞬間、主人公と同じ気持ちなるのだが、直後にそれが文章になっている。「そこ、書く?」と残念な気持ちになるのは自分だけだろうか。その言葉を聞いた時の、主人公の反応や周りの風景によって描写するような表現力はなかったものか。なんでもいい、「一瞬、息が詰まるよな感覚を覚えた」とか、「一歩、距離を置きたくなった」とか、「まわりの景色が色を失った」とか(ダメだ、著者以上に表現力がない・苦笑)。  あるいは、終章の最後のほうに、 「大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。」  と出てくる。天涯孤独の主人公が、下町の人情に触れ、同郷の彼女の支えや、バンド仲間の友情、職場の同僚の心遣いなど、人の機微に触れ、己の殻を破って成長していく姿を描く本作。タイトルからも、そのこと(大切なのは人だ、ということ)は予想がついていたし、しっかり読んだ上で、気づけばよいことなので、それを説明する(文章にする)必要はあるのかなあ。  例えば、昔の国語のテスト、本文を読んで著者の言いたかったことはなんだったでしょうか?や、この時(空気を読んでよ、と言われた時)の、主人公の反応はどういう意味だったのでしょうか?なんて設問が、この著者の作品からは引き出せないような気がする。  今の読者が、こうした作者の意図や、行間を読むような作業をしたくないからなのか、安直な説明調の文章には情緒が感じられない気がする。新書の論説じゃないのだから、あくまで小説なんだから、そういう楽しみはあっていいと思う。老婆心もはなはだしいのかな。  とはいえ、分かりやすく、素直なストーリー。自分の大好きなコロッケがモチーフ。音楽仲間の存在、同郷の彼女との素朴なデート風景など、なごむ場面が多くて好感度の高い作品だ。  お惣菜屋で修業しながら、やがて調理師になることを夢見るようになる主人公は、店に来てくれたバンドメンバーにコロッケの味を褒められて、こう返す; 「おれがすごいんじゃないよ。すごいのはコロッケ」  料理人は素材そのものの良さを損なわず間違いなく再現する。それ以上でも以下でもない。小説家も、そうであったほうがよい(あ、また余計なおせっかい・笑)  謙虚な姿勢で地道にお惣菜を作り続ける下町のお店で綴られる日々は、忘れていた何かを思い出せてくれるような、ノスタルジーな現代劇だった。悪くない。

Posted byブクログ