ひと の商品レビュー
初読の作家、こんな起伏の少ない小説も成立するんだなあと感心した。主人公柏木聖輔は鳥取出身で早くに両親を亡くし折角上京して入学した大学も中退してしまう、偶然砂町銀座の総菜店でアルバイトを始めるがそこでたまたま地元鳥取の同級生青葉と再会する、調理師を目指す決意をしたところ恋敵から身を...
初読の作家、こんな起伏の少ない小説も成立するんだなあと感心した。主人公柏木聖輔は鳥取出身で早くに両親を亡くし折角上京して入学した大学も中退してしまう、偶然砂町銀座の総菜店でアルバイトを始めるがそこでたまたま地元鳥取の同級生青葉と再会する、調理師を目指す決意をしたところ恋敵から身を引くことを迫られる、ここで初めて自分の意思で青葉に好きだと打ち明けるところで終了。青葉がそれを受け入れるかどうかはわからない、いや他の物語では女性は打算的な道つまり経済的理由を選ぶ可能性の方が高い。社会の底辺で生きる聖輔の青春。
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簡単にすらすらと読めました。両親を亡くし大学をやめざるをえなくなった男の子の話。いろいろと初心を思い出させてもらいました。 人を頼るのが苦手で、自己主張もしない。何不自由なく育った人ならいいけれど、すべて失って何もないのでは、人生は厳しい。 でも、何もなくても、大切ないいひとに出...
簡単にすらすらと読めました。両親を亡くし大学をやめざるをえなくなった男の子の話。いろいろと初心を思い出させてもらいました。 人を頼るのが苦手で、自己主張もしない。何不自由なく育った人ならいいけれど、すべて失って何もないのでは、人生は厳しい。 でも、何もなくても、大切ないいひとに出会え、力を合わせて幸せになれるといいね。 最後から2ページ目でタイトルの意味が分かりました。
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相次いで親を亡くし、天涯孤独の身の上になってしまった主人公・聖輔。大学を中退せざるを得ず、お金もなく途方に暮れていたところで出会った、温かいお惣菜屋さん・田野倉。そこで働くことになり、ひとりだと思っていた人生が、少しずつ変わっていくストーリー。 青葉のキャラクターがいい。聖輔に気...
相次いで親を亡くし、天涯孤独の身の上になってしまった主人公・聖輔。大学を中退せざるを得ず、お金もなく途方に暮れていたところで出会った、温かいお惣菜屋さん・田野倉。そこで働くことになり、ひとりだと思っていた人生が、少しずつ変わっていくストーリー。 青葉のキャラクターがいい。聖輔に気を遣いすぎるでもなく、でもそうっと支えになる感じ。そして高瀬君の「こういうところが嫌」というツボが、すーごく共感できる。人間って、そういう些細な部分で合う合わないが出るよね。 聖輔は多分、きっと、この先幸せになれる。そう思わせるラストだった。
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小野寺史宜さん、本屋大賞ノミネート作品「ひと」読了。大学を辞めた柏木が人とのふれあいを通して将来へ一歩を踏み出す物語。人で賑わう商店街を舞台に柏木が日常を語っていく。きっかけは50円のコロッケ。悲しみと不安に押し潰されそうな時、手を差しのべてくれた人々。何も考えられずボーッとした...
小野寺史宜さん、本屋大賞ノミネート作品「ひと」読了。大学を辞めた柏木が人とのふれあいを通して将来へ一歩を踏み出す物語。人で賑わう商店街を舞台に柏木が日常を語っていく。きっかけは50円のコロッケ。悲しみと不安に押し潰されそうな時、手を差しのべてくれた人々。何も考えられずボーッとした時、身体にしみた温かさ。いろんな物を諦めてきた中、譲れなかった物。この物語は、心を揺さぶるような大きな感動ではなく、じんわり温かく、一歩ずつ確実に前に進む勇気を与えてくれる。新天地を前にした人にオススメの一冊。良かった♪
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少しのことから動き出す人生。こういうのはわくわくしますね。青葉の考えに共感できる部分が多く、分かるわーと思いながら読みました。二人ならきっと上手くやっていけますね。
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車が来ていなくても青信号は渡りたくない気持ちはわかる。絵に描いたような慶応生。性格の良い子が幸せになりますように。
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生まれた限りはいつか死ぬ。生まれた限りは死ぬまで生き抜くしかない。周りがどうあれ「生きる」しかないのだ。だったら、あがいてでも自分のできる、したい道を突き進みたい。
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親の元を巣立った子どもが 自らの人生を自分の意志で歩み始めた時 親が成し遂げた子育という一大事業の結果が判明するのだと思う。 この物語の主人公を育てた両親の成績は、 百点満点の花丸つきだ。 主人公の心の中には、人として大切なこと 手放していいものと悪いものの軸が ブレずに正しく根...
親の元を巣立った子どもが 自らの人生を自分の意志で歩み始めた時 親が成し遂げた子育という一大事業の結果が判明するのだと思う。 この物語の主人公を育てた両親の成績は、 百点満点の花丸つきだ。 主人公の心の中には、人として大切なこと 手放していいものと悪いものの軸が ブレずに正しく根付いている。 これ以上悲しい目にあってほしくなくて ハラハラしながら物語を読み進めたのだけれど 彼なら何が起きても大丈夫だろう。 もし叶うならば、彼のご両親に 『どうやって彼を育てたんですか?』とインタビューしたいくらいだ。
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世の中良い人もいれば悪い人もいる、ということを実感させられた読んでいて心が温かくなる一冊。一歩前へ踏み出す勇気ももらえたし、なにより物語の締めくくり方も好きだ。
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人との繋がりは大切さだけではない。色々な繋がり方があり、色々な人がいる。両親が亡くなられても天涯孤独ではない。全てを諦めなくていい。 自分に期待して生きていこうと前向きになる。
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