家族シアター の商品レビュー
『家族シアター』は、心温まる家族の物語を描いた短編集です。 本作を読むと、「実家」の懐かしい空気を思い出します。そして物語を読み終えた後、「家族を大切にしたい」という気持ちが自然と湧いてきました。
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心温まりたい作品を求めている人におすすめできる作品。 家族との色んな関わり方が短編7作に現れている。 好きな作品が含まれてること間違いなし。 『凍りのくじら』に引き続き、ドラえもんが関わるお話があった。ただ心温まるだけでなく、辻村深月ワールドを感じれて非常に満足。
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7つの短編からなる、家族の話。 家族って不思議で、何か一つの出来事で関係を修復できることがあったり、理由はないけど良好になったりするときがあります。今回はそんな家族の話がでてきて、ほっこりします。特に4・6の話は非常に良かったと思います。 私の兄弟はバラバラになって、何年も会話していないですし、仲もたぶん良くない。縁起はよくないけど、身内が亡くなったときに顔を合わせ、そこからの行動が大切なのかなと思います。自分自身兄弟には過去に思うところはありますが、家族って唯一無二であり、無碍にしないような心持ちをできたらいいと思いました。この本を読んで、家族の大切さと、いつまでも頑固に過去のことを引きづってはダメだなと思わされました。 以下 物語概要 1)妹という祝福 ・姉:由紀枝 妹:亜季の話。姉が地味で妹は姉のようになはならないと、よくある姉妹の話で、亜季は由紀枝が何もかもが嫌いで、反発していたけど、亜季がヤンキーの先輩に目をつけられ、そこを由紀枝が助けるという話。 2)サイリウム ・弟:尚弘と姉:真矢子の話。尚弘はアイドルオタクで、真矢子もバンドの追っかけ、これも姉弟の話。互いに反りが合わず反発。お互いに罵り合う。最終的には、尚弘の頑張りが新聞に載り、それを姉がわざわざ探して食卓に置くところで終わる。素直にはなりきれない。 3)私のディアマンテ ・子:えみりと母:絢子の話。親子の反発。最終的に担任の田中先生とのもとに、えみりが子を授かり、母が猛反対するかと思いきや、夫の秀一郎のこともあり、えみりが思わなかった言葉がでてきて和解。田中先生何やってるんだ。と思いながら、親との関係は良好になったので良かったのかな。大事なところで親の本性はでる。 4)タイムカプセルの8年 ・父:孝臣 子:幸臣 の話。この話が個人的には一番良かった。幸臣の小学校の担任の比留間先生が、本当にいそうな現実見のある話しで面白かった。タイムカプセルを埋めずに面倒になったから、倉庫に捨てるって・・そして、そのタイムカプセルを教員になりたい、幸臣のために、ばれないように親父のの集いに校庭に埋めるところがさらに面白い。孝臣は息子の運動会の日忘れる、クリスマスプレゼント忘れる、くらいの人間だけど、息子の教員の夢を砕かないためにも必死に行動するところが心に刺さった。親父たちの熱い戦いがよかった。沢渡さん攻撃力高かった。 5)1992年の教室 ・姉:はるか 妹:うみか の話。うみかが宇宙飛行士になるとか言っていて、何かひかかるな~と思ったら、「この夏の星を見る」の「花井うみか」とは、、鳥肌ものでした。 6)孫と誕生日 ・孫:実音 祖父との話。実音の父、祖父の息子の孝治の仕事の関係でアメリカから、実家に戻ってきて、実音が学校に通う中で、人間関係にやらる。その中で祖父はおせっかいや、空気を読めないことをするが、友達の誕生日会の出来事と竹とんぼで関係性が良好になる。こんな祖父かっこいい。 7)タマシイム・マシンの永遠 ・ドラえもんの道具にこのようなものがあったのですね。 以下読書メモ ・4)タイムカプセルの8年より 小松さん 「あの人だけが悪かったわけじゃないと思うんですよ。ユカリたちの第の6年生は、何しろ1クラスしかなかったから。足並み揃えて監視してくれる隣のクラスのメモなかっただろうし、こういうのはね、公金の横領と同じです。どうせバレてしまうんだから、やった人間が結局一番損をする。そのせいで職も退職金も、何もかも不意にしてしまう人達を、私のような仕事しているとたくさん見ます。」
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何度も目の奥が熱くなった。 いろんな文章、言葉が僕に刺さってくる。いまの僕にも、かつての僕にも。そしておそらくこれからの僕にも。 辻村さんのおかげでまた素敵な時間を過ごせました。感謝。
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家族だから難しいってほんとありますよね。 でもそれだけ大切にしたいし、大切にしてほしいって事なのかもしれませんね。結局はなんだかんだあっても、ただいてくれるだけでいい。それが家族なのかなと思いました。
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家族シアターというタイトルの通りいろいろな家族のちょっとほっこりした気持ちになれる短編集。 これ分かるなぁっていう家族への気持ちだったり行動が節々に描かれていて、自分の場合は…と自分に置き換えて考えたりしてしまう。満足度の高い短編集だ。
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短編集はあまり好んで読まないが、それぞれの話がとても心地よく、読了時にはかなりの満足感だった。それぞれの家族の話が、少し自分と重なって涙腺を刺激されてしまった。読んでよかった。
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家族に纏わる7つの物語。 家族って近しいからこそ喧嘩やいがみ合いは必ずする。 噛み合わないこともある。 言われたことを忘れられないこともある。 基本的に私も家族であれ人と喧嘩するのは極力避けたいけど、新たな気づきをくれたりもするから喧嘩=すごく悪いことでもないんじゃないかなとも思...
家族に纏わる7つの物語。 家族って近しいからこそ喧嘩やいがみ合いは必ずする。 噛み合わないこともある。 言われたことを忘れられないこともある。 基本的に私も家族であれ人と喧嘩するのは極力避けたいけど、新たな気づきをくれたりもするから喧嘩=すごく悪いことでもないんじゃないかなとも思えた。 そして通常、どの家族も根底に愛は必ずあるんだなぁ。 特に好きだったのは「私のディアマンテ」「タイムカプセルの八年」「孫と誕生会」。 私のディアマンテは母娘のお話で、ちょっとズレた発言をする母親のことを疎ましく思っている娘と、それでも娘に対していつも一生懸命な母親。 私はこのお母さん好きだなぁ。 タイムカプセルの八年は、親父会の面々が自分の子供達のタイムカプセルを深夜に埋めるシーンが微笑ましかったし青春みたいでわくわくした! 比留間先生が本当はどんなことを考えていたのか気になったけど笑 孫と誕生会は、あることで心が荒んでいた実音に、普段はあまり馬が合わないおじいちゃんが竹とんぼでさり気なく元気づけようとしているのが素敵。 そして実音と仲の良いお友達もクラスの中心人物に流されずに実音の味方をしてくれててよかった。 心がじんわり温かくなる作品だった。 何だかんだ言っても、家族は最強の味方だよね。
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家族をテーマにしたいろいろなお話。各お話では、おじいさんも、お父さんも、一人称で語られてるのが新鮮でした! 「孫と誕生会」では、昔気質のおじいさんにハラハラ…タマシイム・マシンでは、自分の子が生まれた時の両親のことを思い出しながら楽しく読めました。
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どれも良いお話でしたが、特に後半3本。1992年の秋空、孫と誕生会、タマシイム・マシンの永遠が好きです。ホッコリできました。
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