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長いお別れ の商品レビュー

3.8

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    6

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2019/09/18

認知症になった父親と家族の物語。三人の娘は家を出てそれぞれの暮らしを築いていますが、父親の認知症という現実は容赦なく襲いかかり、ケアマネジャーやヘルパーの助けも借りながら、母親とともに奮闘を続けます。 いつ終わるとも知れない戦いの日々。ゴールが見えないおそろしさもさることながら、...

認知症になった父親と家族の物語。三人の娘は家を出てそれぞれの暮らしを築いていますが、父親の認知症という現実は容赦なく襲いかかり、ケアマネジャーやヘルパーの助けも借りながら、母親とともに奮闘を続けます。 いつ終わるとも知れない戦いの日々。ゴールが見えないおそろしさもさることながら、状態が目まぐるしく変わるなか、いったい何がゴールなのだろうか?と読みながら自問します。 それなのに、この物語は明るいのです。 自宅での介護がどんなに大変かを嫌でも実感させられ、いくら検査しても発熱の原因がわからず、最期は自分らしくあることができるかどうかです、と突き放すように告げられる、そんな状況にもかかわらず、物語のトーンはまったく暗くなりません。むしろ結末が近づくにつれ色々な騒動が収束に向かい、平穏な日々が戻ってくる、そんな印象さえ受けるのです。 家族とは固定されたものではなく、さまざまに姿形を変えられる有機体で、そのダイナミズムこそがこの物語の主題であるのかもしれません。 父親の死を乗り越えた家族たちの未来は明るい。読み終えてそう感じました。

Posted byブクログ

2019/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遠くない将来、自身にもふりかかりそうな認知症の介護。どんどんと遠くなっていくイメージがつかめた、という意味では読んでよかった。 本文の中で、ちょこっと登場する人物たち、たとえば冒頭の幼い姉妹、元恋人、孫の恋人とライバル、娘の同級生、などの人物たちが、物語の先で深く関わってくるのかと思いきや、全く出てこないので、そのあたりが拍子抜けで、そうであればそのサブキャラたちをあんなに細かく描写しなくていいのに。と思った。

Posted byブクログ

2019/09/02

最近近しい人が物忘れ外来に通い始めて、急に現実味が増してきた。 間違いなくこれは現実だし、いずれ私自身が直面するだろうと考えると、心がざわざわしっぱなしだった。 また少し時間が経ったら、読み直そう。

Posted byブクログ

2019/09/01

中学の校長、その後地元図書館の館長を務めた厳格な父。その父親が、ある日、同窓会の恒例の場所に行き着くことができず帰宅してきたことから認知症であることが発覚する。それから徐々に認知症が進み、10年後の亡くなるまでの介護生活が綴られる。一人で父の介護を行う母親。近くに住む独身の三女。...

中学の校長、その後地元図書館の館長を務めた厳格な父。その父親が、ある日、同窓会の恒例の場所に行き着くことができず帰宅してきたことから認知症であることが発覚する。それから徐々に認知症が進み、10年後の亡くなるまでの介護生活が綴られる。一人で父の介護を行う母親。近くに住む独身の三女。夫の実家にて二世帯住宅の近隣県で一男と妊娠中の次女。夫の赴任先であるアメリカでニ男をもつ長女。こうした三人の娘の家庭事情のなかで、ゆっくりと、しかし確実に進む父親の介護と向き合う姿が綴られる。厳しく辛い介護生活のはずが、何故か穏やかなストーリーとなっているのが印象的。

Posted byブクログ

2019/08/25

大分ライトに書いてあるけど、この先の自分が思われて背筋が寒くなった。 私は介護なんてできそうにない。されど、お金があるわけでもない。 この家族には愛情があったけど、それすらない。 医者の頑張れ、のセリフが本当に…

Posted byブクログ

2019/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

認知症になった東昇平の言動は、突拍子もなくて、可愛らしいとさえ感じましたが、家族はへとへとに疲れていて、そういう呑気なことは、自分が認知症の大変さを理解できていないから言えることだと思いました。 ひどく疲れていながらも、昇平を叱りつけることなく、尊厳を守りながら介護するのはなかなかできることではないのだろうと思います。 自分も遠くない将来、認知症と向き合わなければならない事態になる可能性も十分にあります。他人事ではありません。 もし自分の親が認知症になったら、この物語のように親への愛情を失わず、受けられる外部のサービスも上手く活用して、親も自分も出来るだけ負担の少ない介護生活を送ることが出来ればと思いました。

Posted byブクログ

2019/08/08

介護や認知症なんて、自分とは無関係の世界だ、とどこかで思っていた。いや、考えすらしたことがなかった。 この作品がこれまでねじれの位置にあった世界と私を結びつけてくれた。自分のことを一番に想ってくれていたはずの親が、記憶を失っていったら。意のままに動けなくなってしまったら。 登...

介護や認知症なんて、自分とは無関係の世界だ、とどこかで思っていた。いや、考えすらしたことがなかった。 この作品がこれまでねじれの位置にあった世界と私を結びつけてくれた。自分のことを一番に想ってくれていたはずの親が、記憶を失っていったら。意のままに動けなくなってしまったら。 登場する娘たちの視点から、父を煩わしくも愛おしく、母を心配し、だけど自分の生活も営みたい、同じような気持ちになりながら読み進めた。

Posted byブクログ

2019/07/28

タイトルにもあるように、きっと最後は「お別れ」がくるのだろうと思いながら読んでいくのが切ない。はじめのほうは笑ったり怒ったりの日常が書かれていて、物語が進むにつれて、徐々にその日常がたたまれていくような感じがしました。静かな気持ちで読み終えました。

Posted byブクログ

2019/07/15

映画化されたという記事で覚えていて、古本セールで見つけて手に取った。 小説なので介護の苦労は、そこそこ描かれている程度。それよりも、認知症と診断された東昇平本人と家族の心の通い合い、周りの家族同士の絆がメインに描かれる。

Posted byブクログ

2019/07/13

映画の原作ということで読みました。映画は映画、小説は小説。 視点が、「若い人」だと思いました。そこが、当たり前だけど、「作りごと」になっているいる原因なんでしょうね。受けると思いますが、ちょっとあざといかな。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakum...

映画の原作ということで読みました。映画は映画、小説は小説。 視点が、「若い人」だと思いました。そこが、当たり前だけど、「作りごと」になっているいる原因なんでしょうね。受けると思いますが、ちょっとあざといかな。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201906260000/

Posted byブクログ