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陰謀の日本中世史 の商品レビュー

3.7

51件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/08/22

歴史書を読む時、人は得てして偉人達の行動や決断に「意味」を持たせる。 あらゆる時代の話に言えることだが、人間の取る行動に全て合理的な説明や解釈で成り立つならば、少なくとも我が国は戦ったら負けるはずのアメリカと戦争などやっていない。 その戦争にしても、アメリカの陰謀だの、ソ連の...

歴史書を読む時、人は得てして偉人達の行動や決断に「意味」を持たせる。 あらゆる時代の話に言えることだが、人間の取る行動に全て合理的な説明や解釈で成り立つならば、少なくとも我が国は戦ったら負けるはずのアメリカと戦争などやっていない。 その戦争にしても、アメリカの陰謀だの、ソ連の陰謀だのと理由を付ける。 無論、陰謀は確かに存在するが、全てがそうではなく、それに対してかならず理由をつけてしまう。 独断と憶測と共に「人間は合理的な生き物」という判断も、歴史を学ぶ上ではやってはいけないことだと思うのだ。

Posted byブクログ

2019/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本史の様々な事件を、確実性の高い資料を丁寧に読み込んで陰謀論の可能性を排除する。何よりも陰謀論が何故受け入れられるのかを述べていた部分が面白い。

Posted byブクログ

2019/08/20

「応仁の乱」で有名になった呉座先生の本。この本は陰謀論の本が書きそうなことを、その陰謀論が根拠としているものの脆弱性(同時代の記録ではない、そうでないことの根拠となる史料のほうが多い、など)を順に指摘して丁寧に粉砕してくというもので、叩き潰し方の丁寧さが見どころかと。 なるほど...

「応仁の乱」で有名になった呉座先生の本。この本は陰謀論の本が書きそうなことを、その陰謀論が根拠としているものの脆弱性(同時代の記録ではない、そうでないことの根拠となる史料のほうが多い、など)を順に指摘して丁寧に粉砕してくというもので、叩き潰し方の丁寧さが見どころかと。 なるほど、物事を単純化した陰謀論を唱えるのは簡単でも、それを否定するのはこんなに骨が折れることなのか!という思いが残る本です。

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2019/04/30

明日、新しい時代である「令和」を迎えるにあたり、部屋の片隅に読みかけとして置かれていた本を一斉に整理することにしました。恐らく読み終えたら、面白いポイントが多く見つかると思いますが、現在読んでいる本も多くある中で、このような決断を致しました。 星一つとしているのは、私が読了でき...

明日、新しい時代である「令和」を迎えるにあたり、部屋の片隅に読みかけとして置かれていた本を一斉に整理することにしました。恐らく読み終えたら、面白いポイントが多く見つかると思いますが、現在読んでいる本も多くある中で、このような決断を致しました。 星一つとしているのは、私が読了できなかったという目印であり、内容とは関係ないことをお断りしておきます。令和のどこかで再会できることを祈念しつつ、この本を登録させていただきます。 平成31年4月30日(平成大晦日)作成

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2019/04/24

読むのはなかなか骨が折れますが,歴史に対する知的興味を大いに刺激されました。 一番目からうろこだったのは,「応仁の乱」というのは,実はそういう争いだったのだということ。 室町時代は,ぱっとした印象がこれまでなかったのですが,「観応の擾乱」といい,愛憎激しく,複雑でドラマティック...

読むのはなかなか骨が折れますが,歴史に対する知的興味を大いに刺激されました。 一番目からうろこだったのは,「応仁の乱」というのは,実はそういう争いだったのだということ。 室町時代は,ぱっとした印象がこれまでなかったのですが,「観応の擾乱」といい,愛憎激しく,複雑でドラマティックな時代だと認識を新たにしました。 著者のベストセラーである「応仁の乱」も手に取ってみようと思います。

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2019/04/20

平安時代末期の保元の乱から関ヶ原に至るまでの、 有名な乱や事件をたどりながら、陰謀論や諸説の誤りを論破する。 第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた 第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす 第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった 第四章 足利尊氏は陰謀家か 第五章 ...

平安時代末期の保元の乱から関ヶ原に至るまでの、 有名な乱や事件をたどりながら、陰謀論や諸説の誤りを論破する。 第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた 第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす 第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった 第四章 足利尊氏は陰謀家か 第五章 日野富子は悪女か 第六章 本能寺の変に黒幕はいたか 第七章 徳川家康は石田三成を嵌めたのか 終章  陰謀論はなぜ人気があるのか? 参考文献有り。重要なことは太字で強調。 世に様々な“陰謀論”が溢れていますが、それらの誤りを指摘し、 論破するという内容です。これがなかなか痛快(^^♪ が、それ以上に、そもそもの乱や事件の状況がわかりやすく、 簡潔に説明されているところが良いです。 人物の相関関係、時系列、地形と場所の他、史料の読み方も。 “陰謀論”における、思い込みや検証の不足、反証の拒絶等、 疑似科学との類似性の指摘も面白い・・・なるほどトンデモ本ね。

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2019/04/09

・いろんな説があるが事実はわからないという事が書いてある。事実かどうかが論であるようだけど、そんなのは興味の対象ではなかった。

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2019/03/27

何となく思っていた日本史に対する思い込みを丁寧に正してくれる本。驚きや発見があり、非常に面白く読めました。

Posted byブクログ

2019/03/23

巷に数多ある歴史上の陰謀説に対して、状況証拠を駆使して反論していく。 結果を知るものからすれば必然に思える出来事も、結局は偶然の積み重ねに過ぎないということか。

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2018/12/25

中世史に関する学会の新説を知ることができてとても有意義だった。 この著者は、非常な読書家とみる。もっと著作をチェックしたいと思うし、これからの活動にも期待したい。 ただし、名を売るような活動よりも、いまのスタンスで続けてほしい。

Posted byブクログ