それまでの明日 の商品レビュー
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探偵沢崎が帰ってきた!もうそれだけで嬉しい。 21世紀になろうが、世の中に便利な電子ツールやコミュニケーションツールがはびころうが、沢崎は沢崎なのである。 携帯は持たないし、事務所の電話も留守電代行サービスを使うし煙草は吸うしやくざにも警察にも我を貫いてこびないし…最早歴史(それが言いすぎなら近代文学史)で学ぶ古典としてのハードボイルドを地で行く生き様のカッコ良さ。 その生き様さえ読めたら、少々の瑕疵は目をつぶる。マンネリ上等、初期のキレや冴えが鈍ってるのも味わい…。 でもなぁ、オーラス最後のあれはちょっと。あの震災が日本の様々な事を変えてしまったことは事実だし、沢崎の生き方に大きな影響を与えていても全くおかしくはない、勿論小説の中で扱うのが反則だとも思わないが…。 せめて物語の発端なり、最中なりで扱ってほしかった。読みようによっては(ぶっちゃけ言ってしまえば、ここで原さんが筆を止めたら)、救いのない絶望的なラストやん。
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煙草を吸いまくり、携帯も持たず、口が減らない孤高の私立探偵、沢崎の美学はテン年代でも健在。失踪した依頼人を捜すメインプロットはそこそこに、自らの信条を若者に指南するモチーフがより濃厚。最終ページでタイトルの意味が分かるクセ球のフィニッシュストロークも洒落ている。畢生の大作とは言わないが満足。
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現代なのに古風のハードボイルド。 携帯電話を持っていない探偵、ハイテクなのかローテクなのか分からない金庫など時代劇のようですらある。 ただ小説としては面白い。依頼も謎があり調べていくと更に騒動に巻き込まれるというテッパンのストーリーではあるが、軽快なセリフが楽しい。 最後全ては収...
現代なのに古風のハードボイルド。 携帯電話を持っていない探偵、ハイテクなのかローテクなのか分からない金庫など時代劇のようですらある。 ただ小説としては面白い。依頼も謎があり調べていくと更に騒動に巻き込まれるというテッパンのストーリーではあるが、軽快なセリフが楽しい。 最後全ては収まるものの、あの地震が311だとすればそんなオチをつける必要があったのか疑問。
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書店で原寮が新作を発表している事を知り、大急ぎで購入して読破。14年ぶりの新作に当たるらしいが、そういえば14年前も店頭で新作の発売を知り、「愚か者死すべし」というタイトルに心ときめいた事を思い出した。今回は「それまでの明日」。心ときめくようなタイトルではなく、またこれまでの作品...
書店で原寮が新作を発表している事を知り、大急ぎで購入して読破。14年ぶりの新作に当たるらしいが、そういえば14年前も店頭で新作の発売を知り、「愚か者死すべし」というタイトルに心ときめいた事を思い出した。今回は「それまでの明日」。心ときめくようなタイトルではなく、またこれまでの作品に比べると少し甘いかなといった感想。チャンドラーの流れをくむ冷徹で回りくどい表現も、本作ではやや響かなかった。内容的にはもちろん紛うことなきハードボイルドで、淡々と主人公の視点で物語は進行するのだが、いつも通りそれらが複雑に絡みはじめ、淡々と進んでるはずなのにどんどん急展開と伏線の回収がなされていく。見事な作品には違いないが、これが原寮の著作であることと、14年ぶりの長編であることを考慮して、星4つとした。他の著者の作品であれば、星5つですな。
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20181006 少し時間がかかった。主人公が余り痛い目に合わないのが今回の特徴なのか。何かを総括してくれるのではないかと期待して買ったのだが消化不良だった。 テーマの選択ミスではないだろうか。そもそもこのシリーズの探偵と親子のきづなはないでしょう。又次があるかは不明ですが次回は...
20181006 少し時間がかかった。主人公が余り痛い目に合わないのが今回の特徴なのか。何かを総括してくれるのではないかと期待して買ったのだが消化不良だった。 テーマの選択ミスではないだろうか。そもそもこのシリーズの探偵と親子のきづなはないでしょう。又次があるかは不明ですが次回は東京オリンピックかな?
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沢崎シリーズ6作目。本作は14年の歳月を費やして書かれた。スマホを持つ沢崎が見れるのかと思ったが…。沢崎は変わらない。相変わらずカッコいい。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou9106.html
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ハードボイルドな探偵のストーリー。 謎の依頼人の正体とか事件の真相とかおもしろく読みましたが、個人的にはもう少し軽めの方が好みなので、少し時間がかかりました。
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久々に読む原節だが、さすがに鼻につくという評も、そうだよなあ、と思う。 最後まで飽きること無く読ませるのだが、警察、ヤクザ、金融会社、料亭、それぞれの登場人物のステレオタイプっぷりが今風ではない。 こんな奴居るかよ?と突っ込みたくなる。 この著者は全て読んでいるのだけど読んだ後時...
久々に読む原節だが、さすがに鼻につくという評も、そうだよなあ、と思う。 最後まで飽きること無く読ませるのだが、警察、ヤクザ、金融会社、料亭、それぞれの登場人物のステレオタイプっぷりが今風ではない。 こんな奴居るかよ?と突っ込みたくなる。 この著者は全て読んでいるのだけど読んだ後時間が経っている所為もあるけどストーリーを全く思い出せない。 読んでて楽しめるが後に残らない。 再読の楽しみがあるとも言えるのかもしれないが、日々出て来る新刊を押しのけてまで再読するかと言うと、しないな。
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沢崎探偵シリーズ第5弾 読み始めてレギュラー登場人物の人間関係をすぐに思い出すことができたので、前作から14年もたったとは思えませんでした。 メインの事件は思ったよりしょぼい落ちでしたが、正調ハードボイルドは健在という感じでうれしかったです。 タイトルはラスト2ページと深くかか...
沢崎探偵シリーズ第5弾 読み始めてレギュラー登場人物の人間関係をすぐに思い出すことができたので、前作から14年もたったとは思えませんでした。 メインの事件は思ったよりしょぼい落ちでしたが、正調ハードボイルドは健在という感じでうれしかったです。 タイトルはラスト2ページと深くかかわっているような感じがしますが、ストーリーとは明らかに異質なエンディングのような気がしました。 これが沢崎との「長いお別れ」にならないことを祈りたいです。
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ハードボイルドをよむのは初めてかも。こんな雰囲気なんでしょうか。面白かったけれどすっきりした印象はなく、妙にかっこいい口調の方々が入り乱れる、、男性の世界なんですかね。沢崎のビジュアルは常にイメージできました。
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