いつかの人質 の商品レビュー
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冒頭スピード感があって引き込まれたのに中盤はノロノロと感じてしまった。物語の軸が2つあるのも、どちらも中途半端に感じて物足りなかった。 愛子以外の登場人物がみんなウザく感じて好きになれなかったw
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誘拐事件を題材にしているけれど、ここに登場する人々の心理に引き込まれてハッとさせられることが多かった。一番はやはり被害者の愛子。彼女を通して、視覚を閉ざされた人が被害に遭う危険性の高さについて、その心細さや恐怖について、たくさんのことが伝わってきた。人の手助けが必要なのにどこかで人を信じ切ってはいけないという、相反する感情を持ち合わせて日々生活していくのは想像以上に神経を使うと思う。幼い頃の誘拐事件を通して歪になってしまった家庭が、娘の勇気と自立によって今やっと正しい方向に向かい始めたのかもしれない。愛子の諦めない姿勢には希望のようなものをもらった。とても眩しい。 礼遠はどこか何かが欠落した人物像なのだと思うけれど、妻を捜すためにそこまでするか、と思わずにはいられない。そして優奈も往生際が悪いというか、いつも何かのせいにする癖があって自分と向き合うことができていない。この夫婦は客観的に見るとあの元同僚の意見が正しかったのかもしれないなと思った。 蓋を開けてみればみんな不安や不満を抱えて何かに依存することで生きている、そんなふうに見えた。
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他所の子に何かをあげようと思って自分の車まで連れて来て…の時点でアウトだな その場に留まってもらって1人だけ車に取りに行って戻ってくれば良かったのに… なんて言ってると小説が始まらないな 目が見えてても絶望的な状況なのに、見えない愛子が苦しめられるシーンが想像するだけで辛す...
他所の子に何かをあげようと思って自分の車まで連れて来て…の時点でアウトだな その場に留まってもらって1人だけ車に取りに行って戻ってくれば良かったのに… なんて言ってると小説が始まらないな 目が見えてても絶望的な状況なのに、見えない愛子が苦しめられるシーンが想像するだけで辛すぎる 友人たちの無邪気な残酷さも地味に怖かった
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久しぶりにしっかり長編が読めて のめり込んで一気に読みました。 長編には長編の良さがある! 愛子の気持ち、出来事を考えると苦しく 幸せを願わずにはいられない。
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幼いころに階段から落ちて視力を失った愛子。 そのときは親とはぐれ親切にしてくれた母娘にくっついて行ってしまったことからの事故だった。 そして友達と行ったライブ会場で視力がないために騙されて誘拐されてしまう。見えないままの愛子の感覚で状況が描かれているせいか、不安感が強くなった。 ...
幼いころに階段から落ちて視力を失った愛子。 そのときは親とはぐれ親切にしてくれた母娘にくっついて行ってしまったことからの事故だった。 そして友達と行ったライブ会場で視力がないために騙されて誘拐されてしまう。見えないままの愛子の感覚で状況が描かれているせいか、不安感が強くなった。 幼少期の愛子とはぐれた母親、事故に立ち会ってしまった母娘の心境、本筋の事件の脇にある人の心や状況がどこかいびつ。でもその状況になったら誰でもそのいびつさに囚われるのではないか。 この世はいびつな気持ちの運用で流れているから。 予定調和でものごとが流れない苦しさがとても面白いと思った。
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どんな風に感想を書こうとも、詳しく感想を書こうと思うとどうしてもネタバレになってしまう。 が、これをネタバレしてしまうと面白みがないだろうから、極力ネタバレをしないで感想を書きたい。 本文が終わった後の解説で瀧井朝世さんが書き出しに、 『芦沢央は、「逆算する」という。 トリッ...
どんな風に感想を書こうとも、詳しく感想を書こうと思うとどうしてもネタバレになってしまう。 が、これをネタバレしてしまうと面白みがないだろうから、極力ネタバレをしないで感想を書きたい。 本文が終わった後の解説で瀧井朝世さんが書き出しに、 『芦沢央は、「逆算する」という。 トリックや動機を考えて、そこに向かって逆算して、物語を作り上げていくのだそうだ。』 と書かれていましたが、まさにその通りの本でした。 読んでいて違和感がなく、とぅるんと喉元を通り過ぎるゼリーのように入ってくる文章。 伏線にクセがなく、明かされる真実に無理がない。 この“明かされる真実”がこの本最大のネタバレになる部分なのですが、 ここで「えっ?」と登場人物が思ったのと同じように思う方もいれば、 「だよね」と思う方もいると思う。 私は「だよね」と思ったのだけど、 その「だよね」に至る伏線は“語られない”という形と、ちょっとした違和感、そしてその違和感は他の登場人物が語るところからじわじわと感じられるもの。 だからわざわざ作り上げられる伏線というクセではなく、ちょっとした違和感として心に残ったものの答え合わせを“語られる真実”で締めくくられるから、スッキリするというより「だよね」ととぅるんと入ってきました。 芦沢央さんは逆算して書かれるけれど、 読む方は前から順番に読んでいく。 読んでいる時に、その順番通りというのが 時間軸や登場人物の考えなど、受け入れやすくて心地いい。 読みやすいなぁと思いながら読める本でした。 また読みやすく面白い作家さん見つけちゃったな。
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著者は動機やトリックから逆算して物語を構築していくと解説にあり、解説者とは違う意味で妙に納得してしまった。とってつけた感がないとあるが、今作は動機ありきで進みすぎてフィクション臭が半端ないと感じる。この動機で構築するには、犯人の異常性もしくは愛情をもっと強調して読者に納得させて...
著者は動機やトリックから逆算して物語を構築していくと解説にあり、解説者とは違う意味で妙に納得してしまった。とってつけた感がないとあるが、今作は動機ありきで進みすぎてフィクション臭が半端ないと感じる。この動機で構築するには、犯人の異常性もしくは愛情をもっと強調して読者に納得させてほしかった。礼遠や優奈、愛子の両親など種を蒔きすぎて描写が追いつかなかった気もする。わかるけれど理解できない、したくないようなモヤモヤが残る。愛子の友人たちの無邪気な残酷さが心に引っかかった。
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芦沢央さん特有のぬるりとした感じの話でしたよ。なんとなく早い段階で気付いてしまったかもしれません。それでも楽しく読めました。
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息苦しい!しんどい! 芦沢先生の作品はたくさん読んできて好きだけど ガンガン読み進められるお話ではなかったなぁ… ボリュームの割に4日もかけてしまった…
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12年前に誘拐された盲目の少女が再び誘拐される、という帯で気になって読みました。 最初の誘拐の詳細は序盤で明らかになり、2回目の誘拐の容疑者も早々に明らかになり、何故誘拐したのか…という所で、その人が真犯人というのは予想していたのですがそんな理由で?と思ってしまった。 私が夢を諦めたり大きく失望した経験がないからわからないのかとも思うけど、だからって他人を傷つけてまですること?加害者側の人達がいまいち納得できないままでした。 誘拐された女の子が恐怖に怯えながらも、少しずつ成長して自分が今できることを頑張って助かったのが唯一の救いかな。誘拐された側の視点は読んでて怖かった。 ライブに一緒に行った友達は中学生と言えども無責任すぎると思いました。
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