アウシュヴィッツの歯科医 の商品レビュー
ホロコーストを生き延びた著者の悲惨な体験が綴られる。 普通の善良な人間が特定の状況下に置かれると躊躇なく悪に変異する過程は、悪の凡庸さやLucifer effectなどで語られているが、悪の定義が例えば平和時と戦時下等の状況下で異なる限り人間は悪への変異を防ぐことは出来ないのだろ...
ホロコーストを生き延びた著者の悲惨な体験が綴られる。 普通の善良な人間が特定の状況下に置かれると躊躇なく悪に変異する過程は、悪の凡庸さやLucifer effectなどで語られているが、悪の定義が例えば平和時と戦時下等の状況下で異なる限り人間は悪への変異を防ぐことは出来ないのだろう。ナチス隊員はユダヤ人を抹殺するのは善と信じて殺めることに毫も心を痛めることはなかったのだろうか。 本書の中で唯一救われる箇所は、彼と父親を救おうと奔走するポーランド人女性ゾーシャとの出会いだけ。母親からの最後の手紙の末尾に添えられた絶望からの救いを希む言葉が痛々しい。 Mama added two lines of good-bye to Papa and me. “Perhaps we’ll all meet in another world,” she wrote.
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どのようにしてユダヤ人への締め付けが厳しくなっていったのか、筆者が自分の体験を元に時系列を追ってしかも淡々と描写していくさまに何がしかの憤りを通り越した哀しみを垣間見るような気がした。 なぜこのようなことが行われ、普通の人だと思われていた人達までもが加担することになったのか?人が...
どのようにしてユダヤ人への締め付けが厳しくなっていったのか、筆者が自分の体験を元に時系列を追ってしかも淡々と描写していくさまに何がしかの憤りを通り越した哀しみを垣間見るような気がした。 なぜこのようなことが行われ、普通の人だと思われていた人達までもが加担することになったのか?人が人を憎み争うということの闇はいつまでたっても終わらないことなのだろうか??
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あまりに重くて、読み終えるのに時間がかかった。 収容所にいた人たちにとって、生き残れるかどうかはもはや運であるということ。 筆者も「歯科道具を持っていた」「歯科大学1年生であった」ことによって何度も何度も難を逃れ、また最後の海難でも奇跡的に生き残ることが出来た。 逆に言うと、...
あまりに重くて、読み終えるのに時間がかかった。 収容所にいた人たちにとって、生き残れるかどうかはもはや運であるということ。 筆者も「歯科道具を持っていた」「歯科大学1年生であった」ことによって何度も何度も難を逃れ、また最後の海難でも奇跡的に生き残ることが出来た。 逆に言うと、アウシュヴィッツや収容所から生き残った人は全員何かしらの点で運が良かった人達であることを忘れてはいけない。 ただただ労働し、チャンスにも恵まれず、死んでいった『口なし』の人々がその背後にどれだけ多くいるのかということも今回考えさせられた。 文体があまりに淡々としていて、だからこそ惨さが強調されている。今まで主人公と関わりのあった人が次の行には死亡情報があったり。
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第二次世界大戦の最中、ユダヤ人としていくつかの強制収容所へ送られながらも生き抜いて生還できたのはやはり歯科医療が出来るというスキルがあったのは大きいかもしれないが、運や意外にも収容者を助けてくれた人たちがいたのもまた大きい。ナチス時代のドイツ人の中にもヒトラーの言葉を鵜呑みにしな...
第二次世界大戦の最中、ユダヤ人としていくつかの強制収容所へ送られながらも生き抜いて生還できたのはやはり歯科医療が出来るというスキルがあったのは大きいかもしれないが、運や意外にも収容者を助けてくれた人たちがいたのもまた大きい。ナチス時代のドイツ人の中にもヒトラーの言葉を鵜呑みにしない人がいたり、監視する側でも温情をかけてくれた人がいたとは驚き。それでも作者が語る収容所生活はまさに凄惨。こんなことが二度と起きないように、また過去にこんな悲しい出来事があったことが風化されませんように。
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可愛らしい表紙と対照的に、重い内容でした。 フィクションだと思いたくなるようなノンフィクション。 主人公の体験した実話です。 淡々とした文章だから読めた、でも、耳を塞ぎたくなるような内容ばかりでした。 なぜ同じ人間同士でこんな冷酷で残虐なことができるのか、それがそんなに遠くない時...
可愛らしい表紙と対照的に、重い内容でした。 フィクションだと思いたくなるようなノンフィクション。 主人公の体験した実話です。 淡々とした文章だから読めた、でも、耳を塞ぎたくなるような内容ばかりでした。 なぜ同じ人間同士でこんな冷酷で残虐なことができるのか、それがそんなに遠くない時代に起きている。 その事実が恐ろしい。 勇気を出して文章にしてくれた彼は、とてもすごい人だと思った。 (カタカナの名前ばかりで誰が誰だかわからなくなることが個人的には多かった)
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〜悪には多くの顔があるものだ〜 ・強制収容所の残酷さもさることながら、人間の内面性の恐しさを感じた。内面は、決して良心だけで構成されていない事、おそらく全ての人に悪の顔があり、悪の顔も含めてそれが人間なのだ。そして自分も考えが及ばないと情報を鵜呑みにしそちら側に落ちてしまう可能...
〜悪には多くの顔があるものだ〜 ・強制収容所の残酷さもさることながら、人間の内面性の恐しさを感じた。内面は、決して良心だけで構成されていない事、おそらく全ての人に悪の顔があり、悪の顔も含めてそれが人間なのだ。そして自分も考えが及ばないと情報を鵜呑みにしそちら側に落ちてしまう可能性がある。または暴力をもって強制的に、そちら側につかされることもある。 ・平和であれば道徳的・倫理的な判断をするかもしれない人が、人権や人命を奪うような悪のプロパガンダを理由に、非道な行動する可能性がある。「社会で認められていたから非道かもしれないが正しい」と自己正当化するのだ。 ・そして大勢が変化した時には、「あの時はそれが正しかったから」「強制されてそうするしかなかった」となるのかもしれない。映画の「愛をよむ人」を思い出す。 ・本の中では「あの人が」と思える人が、当然のように「ユダヤ人だから」という理由で残虐に殺害したり、ユダヤ人同士でさえ「非ユダヤ人が言うように働いていないから」と自発的に身体の弱った仲間を暴力を振るって殺害したりしていたことが書かれていた。 ・人の心はいかに簡単に操縦されやすいことか。強いものから聞いた事を信じやすいか。でもそれは正しいとは限らない。なぜ鵜呑みにしやすいのだろうか。ここではこう言っているけど、なぜそれは正しいのか。そもそも正しさの基準になるものは何か。 ・恐ろしい社会の流れになるとそこから逃れるのは難しいように思える。だからこそ、恐ろしい社会の流れが生まれないように願いたい。 〜なぜ生きられたのか〜 ・沢山の偶然と、歯医者としての知識と、先を読み抜け目なく道を外さない判断力、服従されてばかりではなく自分の為に行動する行動力、忍耐力、若いゆえの体力などがあったからなのだろうか。本当にすごい事だ。
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SSや看守、労働環境には比較的恵まれていた人であったのだと思う ナチスに奪われ、殺されてきたがナチスから助けられた点もあったはずだ(まあ、一度や二度の親切で覆せるほどの罪では無いが
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この本には筆者の壮絶な人生が書かれていました。 筆者の視点から、家族との理不尽な別れ、ユダヤ人であることだけで迫害される筆者の4年間にわたる収容生活について語られています。 「いつ、誰が、何をしたか 」が分かりやすく書かれていて、登場人物が多い場面でも混同せずに読めました。 同...
この本には筆者の壮絶な人生が書かれていました。 筆者の視点から、家族との理不尽な別れ、ユダヤ人であることだけで迫害される筆者の4年間にわたる収容生活について語られています。 「いつ、誰が、何をしたか 」が分かりやすく書かれていて、登場人物が多い場面でも混同せずに読めました。 同じ人間にも関わらず、なぜここまで他者を虐げることができるのか疑問に思いました。 筆者の感情や体験を全て理解することは、現代のような恵まれた環境で生活する私にはきっとできません。 ですが、この出来事は事実であること胸に刻み、多くの人々の犠牲によって今があることを忘れないでいたいです。
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読みやすい文章だけど、内容は重い。 今では考えられないような出来事の連続です。(たぶん当時でも信じられない出来事だったでしょう) 中でもわたしは、付録の覚え書きにある、資料館からの報告を見て心に冷水を浴びせられたような気持ちになりました。 筆舌に尽くしがたい苦難の連続に、いくつも...
読みやすい文章だけど、内容は重い。 今では考えられないような出来事の連続です。(たぶん当時でも信じられない出来事だったでしょう) 中でもわたしは、付録の覚え書きにある、資料館からの報告を見て心に冷水を浴びせられたような気持ちになりました。 筆舌に尽くしがたい苦難の連続に、いくつもの奇跡が重なり、なんとか守り抜いた命。その筆者の経験も、過去に残されるのは、たった2文の情報なのです。 この本を書いて下さったことが本当に有り難いと思います。 忘れてはいけないのは、ドイツ人も同じ人間であり、彼らにも家族や生活がある「普通の人間」だったということです。 わたし達は、状況によっては、ユダヤ人にもドイツ人もなり得るのだと思います。 自らの心や行動を、自らの頭で考え、自らコントロールできなければいけません。肝に銘じます。
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ヨーロッパ人の人の名前や地名が 馴染めず混乱しがち ユダヤ人がどのように迫害されたのか どんな歴史があったのか 少しわかった
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