商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 紀伊國屋書店 |
発売年月日 | 2018/02/08 |
JAN | 9784314011549 |
- 書籍
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アウシュヴィッツの歯科医
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アウシュヴィッツの歯科医
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商品レビュー
4.1
32件のお客様レビュー
ホロコーストを生き延びた著者の悲惨な体験が綴られる。 普通の善良な人間が特定の状況下に置かれると躊躇なく悪に変異する過程は、悪の凡庸さやLucifer effectなどで語られているが、悪の定義が例えば平和時と戦時下等の状況下で異なる限り人間は悪への変異を防ぐことは出来ないのだろ...
ホロコーストを生き延びた著者の悲惨な体験が綴られる。 普通の善良な人間が特定の状況下に置かれると躊躇なく悪に変異する過程は、悪の凡庸さやLucifer effectなどで語られているが、悪の定義が例えば平和時と戦時下等の状況下で異なる限り人間は悪への変異を防ぐことは出来ないのだろう。ナチス隊員はユダヤ人を抹殺するのは善と信じて殺めることに毫も心を痛めることはなかったのだろうか。 本書の中で唯一救われる箇所は、彼と父親を救おうと奔走するポーランド人女性ゾーシャとの出会いだけ。母親からの最後の手紙の末尾に添えられた絶望からの救いを希む言葉が痛々しい。 Mama added two lines of good-bye to Papa and me. “Perhaps we’ll all meet in another world,” she wrote.
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どのようにしてユダヤ人への締め付けが厳しくなっていったのか、筆者が自分の体験を元に時系列を追ってしかも淡々と描写していくさまに何がしかの憤りを通り越した哀しみを垣間見るような気がした。 なぜこのようなことが行われ、普通の人だと思われていた人達までもが加担することになったのか?人が...
どのようにしてユダヤ人への締め付けが厳しくなっていったのか、筆者が自分の体験を元に時系列を追ってしかも淡々と描写していくさまに何がしかの憤りを通り越した哀しみを垣間見るような気がした。 なぜこのようなことが行われ、普通の人だと思われていた人達までもが加担することになったのか?人が人を憎み争うということの闇はいつまでたっても終わらないことなのだろうか??
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あまりに重くて、読み終えるのに時間がかかった。 収容所にいた人たちにとって、生き残れるかどうかはもはや運であるということ。 筆者も「歯科道具を持っていた」「歯科大学1年生であった」ことによって何度も何度も難を逃れ、また最後の海難でも奇跡的に生き残ることが出来た。 逆に言うと、...
あまりに重くて、読み終えるのに時間がかかった。 収容所にいた人たちにとって、生き残れるかどうかはもはや運であるということ。 筆者も「歯科道具を持っていた」「歯科大学1年生であった」ことによって何度も何度も難を逃れ、また最後の海難でも奇跡的に生き残ることが出来た。 逆に言うと、アウシュヴィッツや収容所から生き残った人は全員何かしらの点で運が良かった人達であることを忘れてはいけない。 ただただ労働し、チャンスにも恵まれず、死んでいった『口なし』の人々がその背後にどれだけ多くいるのかということも今回考えさせられた。 文体があまりに淡々としていて、だからこそ惨さが強調されている。今まで主人公と関わりのあった人が次の行には死亡情報があったり。
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