風神の手 の商品レビュー
風が吹けば桶屋が儲かる・・・的なwww 彼/彼女らの人生は重なり、つながる。 隠された因果律の鍵を握るのは、一体誰なのか? 舞台は、遺影専門の写真館「鏡影館」がある街。 些細な嘘が、女子高校生と若き鮎漁師の運命を変える「心中花」 まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭...
風が吹けば桶屋が儲かる・・・的なwww 彼/彼女らの人生は重なり、つながる。 隠された因果律の鍵を握るのは、一体誰なのか? 舞台は、遺影専門の写真館「鏡影館」がある街。 些細な嘘が、女子高校生と若き鮎漁師の運命を変える「心中花」 まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件"「口笛鳥」 死を前にして、老女は自らの“罪"を打ち明ける 「無常風」 そして、各章の登場人物たちが、意外なかたちで集う「待宵月」 章を追うごとに出来事の“意味”が反転しながら結ばれていく・・・。 数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化した長編小説。 道尾ワールドを、ご堪能あれ!!!♡
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いやあ、良かった。さすが道尾秀介。最近はコメディータッチでドタバタ系の作品が多かっただけに、この作品を描いてくれたことは嬉しい。 全ての章にタイトルが付いているが、1つ1つは独立した作品で、それが実は全てが繋がっているという道尾秀介ならではの技。 1つ1つの作品が素晴らし...
いやあ、良かった。さすが道尾秀介。最近はコメディータッチでドタバタ系の作品が多かっただけに、この作品を描いてくれたことは嬉しい。 全ての章にタイトルが付いているが、1つ1つは独立した作品で、それが実は全てが繋がっているという道尾秀介ならではの技。 1つ1つの作品が素晴らしく、もちろんその繋がりでアッと驚きたい気持ちもあるのだが、その章が終わってしまうのが本当に残念なくらい素晴らしい作品群。 私の1番のお気に入りは『心中花』。女子高生と漁師の不器用な恋愛がなんとも微笑ましい。そしてその心中が痛いほど伝わってくる。少しの嘘がきっかけで運命が翻弄されてしまう。 『口笛鳥』では少年2人が事件に遭遇。子どもの心理描写を描かせたら道尾秀介の右に出るものはいないんじゃないかな?と思わせるほど。そういう感覚わかるなあと、自分も子どもに戻り、その世界に入り込んでしまう。 『無常風』。いよいよ事件のきっかけが明らかに。 さあ、ラスト!『待宵月』。登場人物が全員集合。 人間は常に選択を迫られていて、どっちを選ぶかによってその未来は大きく変わってしまう。いつも自分が信じた道を選択していきたいなと思う。
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4編からなる連作短編集。 風が吹けば桶屋が儲かるではないが、ちょっとした出来事が話が展開していくにつれ、思いがけない連鎖となっていく。 読み終わって、タイトルの上手さに納得。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近の道尾秀介作品の安定感は、際立っている。かつてのようなダークな作風は、すっかり鳴りを潜めつつある一方、これぞ道尾作品という安心感はある。過去の作風との比較に意味はないのだろう。本作こそが、道尾秀介の「今」なのだから。 舞台は、鮎の伝統漁が行われている、川沿いの町。モデルがあるのかわからないが、そんな町には特異な写真館が存在していた。川と写真館と町が、数奇な運命を紡ぐ。視点が異なる物語の繋がりが、最後に明らかになるという趣向である。 趣向自体に目新しさはないが、自分の知る限り、道尾作品としては珍しい。一時期、自らの作品を、頑なにミステリーではないと主張していた道尾さんだが、本作は謎の要素も読みどころであり、いい意味で角が取れてきた印象を受ける。 事情により、町から引越すことが決まっていた女子高生と、事情により、夢を諦め町に戻っていた漁師の青年との恋。引越し直前に起きた出来事とは…。おいおいおいおい、最初の章から先が思いやられるじゃないかと、この時点では思っていた。 続く章では、小学5年生の少年2人を中心に進む。先の章と共通するキーワードはあるものの、この時点では繋がりがわからない。あまりに危険な少年たちの冒険譚。昭和の頃なのだろうが、ここまで付き合える友情は、なかなかないのでは。 雰囲気が異なる2編に続き、次の章へ。……。そんなの聞いてないよという告白の連続に、複雑な反応を見せる、「当事者」2人。確かに、「過去」があって「現在」がある。しかし、その「過去」が作られた原因は…。簡単に咀嚼はできない。 とはいえ、様々な運命のいたずらがあったけれど、「現在」は悪くはない。全体的にはハッピーエンドと言える。だが逆に、「過去」の運命のいたずらのせいで、「現在」が不幸だと感じるケースもあるはずだ。現実にはそちらの方が多いだろう。 人間は弱い生き物だから、苦境を外的要因のせいにしがちであり、そこに「過去」も含まれるだろう。本作の登場人物たちも、解釈に悩みつつ、最後には前を向いた。それは簡単なことではない。だからこそ、本作に安心感を抱くのかもしれない。
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ここ最近低調の感があった道尾さんだが、この新作は面白かった。 遺影専門の写真館に訪れる人々。飾られていた写真が過去の出来事を思い出させ、それぞれの数奇な人生がクロスする連作短編集。謎解きの楽しみは無いが、途中途中に共通のキーワードを挟みながら最終章に連動していく構成はミステリその...
ここ最近低調の感があった道尾さんだが、この新作は面白かった。 遺影専門の写真館に訪れる人々。飾られていた写真が過去の出来事を思い出させ、それぞれの数奇な人生がクロスする連作短編集。謎解きの楽しみは無いが、途中途中に共通のキーワードを挟みながら最終章に連動していく構成はミステリそのもの。感動もあり、久々に没頭して読む事が出来た。 近年の道尾さんの作品は必ずといって良いほど子供が出てくるが、今作は長い年月の話なので、子供の登場に必然性があったのも良かった。
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2018年最初の5スター!写真館を起点とした短編集。独立するのではなく時代と世代を超えて連鎖させるのは筆力のなせる技か。タイトルの意味も納得できて最後にスッキリ。短編集ですが1週間以内での読み切り推奨。
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遺影専門の写真館を訪れる人たちを巡って繰り広げられる連作ミステリ。少し痛々しく哀しくって、だけど穏やかで温かな物語という印象でした。タイトル「風神の手」の意味はそういうことだったのかあ。たしかにちょっとしたかかわりのせいで人生ががらりと変えられてしまうことは多いだろうけれど。それ...
遺影専門の写真館を訪れる人たちを巡って繰り広げられる連作ミステリ。少し痛々しく哀しくって、だけど穏やかで温かな物語という印象でした。タイトル「風神の手」の意味はそういうことだったのかあ。たしかにちょっとしたかかわりのせいで人生ががらりと変えられてしまうことは多いだろうけれど。それが必ずしも悪いことばかりではない、と思える方が幸せなのかな。 どの物語も素敵だけれど。「口笛鳥」がお気に入り。二人の少年たちの冒険が微笑ましくって、しかもユーモラスでした。いいなあ、こういう子供時代。救出作戦のあれは、大真面目なんだろうけど大笑いしちゃいました。 個々の物語の繋がりも見事。ある程度は予想がつくものの、あれもこれも全部繋がっていたのか! と驚きでした。ゆるゆるとした気分で読めるように思えて、実はとっても緻密な物語です。
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あの人のあの時のあの行動が、何十年も経てこういう結果につながる。どこかのだれかのなにか、が少しずつつながって一つの大きな物語となる。 遺影専門写真館、その地域独自の漁、物語の中では特別な設定の中で動いていく時間は、けれどももしかするとあり得たかもしれないもう一つに私の物語へとつな...
あの人のあの時のあの行動が、何十年も経てこういう結果につながる。どこかのだれかのなにか、が少しずつつながって一つの大きな物語となる。 遺影専門写真館、その地域独自の漁、物語の中では特別な設定の中で動いていく時間は、けれどももしかするとあり得たかもしれないもう一つに私の物語へとつながっていく。それが今より幸せな物語なのか、悲しい物語なのか。一つだけ確かなのは、今、はここにしかないということ。 道尾秀介のとてもとても道尾秀介らしい一冊。
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2018年9冊目。やっぱり道尾さんの紡ぐ世界はとても綺麗で美しい。些細な運命の悪戯に翻弄される人々がいる一方で、それによって新たに生まれるものもある。何かが少し違っても存在しなかったかもしれない⌈今⌋を生きる人々が濃密に描かれている。
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登場人物たちの人生が知らず知らずのうちに交差し、やがて大きな長編を構成する連作短編集。 趣を異にするひとつひとつの短編は、それぞれが心に沁みいる素敵な物語だが、読み進めるに連れて読者の予想や思い込みは小気味よく裏切られ、ひとつの事実に収斂していく。非常に面白く、読み応えのある作品...
登場人物たちの人生が知らず知らずのうちに交差し、やがて大きな長編を構成する連作短編集。 趣を異にするひとつひとつの短編は、それぞれが心に沁みいる素敵な物語だが、読み進めるに連れて読者の予想や思い込みは小気味よく裏切られ、ひとつの事実に収斂していく。非常に面白く、読み応えのある作品だった。 #風神の手 #NetGalleyJP
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