不死身の特攻兵 の商品レビュー
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素晴らしい本に出会った 私はまだ特攻隊の勉強中最中ですが、9回出撃し帰還した佐々木さんの人生 それから9回の出撃がどういったものだったのか 内容がとても興味深く、あっという間に読み終わりました。 筆者の鴻上さんという方はシナリオライターされてることもあって文章がうまく、誰しもに情景を想像させるような とても文才に溢れた素晴らしい言葉で私達を当時に連れて行ってくれます。 佐々木さんの幼少期 飛行機に憧れてパイロットを夢見ていた頃や どんな時でも、戦争のさなかであっても 空が飛ぶことが好きだという佐々木さんの まっすぐな気持ちは 微笑ましいと感じるほどで、心が暖かくなる事が多々ありました。 何より感動したのは離陸シーンの描写です。まるで共に空を飛んでるかのような、思わず没入してしまう程の鴻上さんの文章に 拍手を禁じ得ませんでした。 そして終盤 読者と現代人に語りかけるような問いかけに胸を打たれました。 この本は特攻隊とはなんだったのか、根本的な所を考えるきっかけをくれるものだと思います。 『昔は特攻隊について、真実を言うと叱られた事も ようやく話せるようになってきたのではないか』そう書かれていたのを拝見して、そうであってほしいと強く願います。 特攻隊とは何だったのか そして今私達にできることはなんなのか 日本人はどうあるべきで、どう変わっていくべきなのか。彼らの想いや今に繋がれたものを途切れさせないためにできることとは?とても考えさせられます。 特に民俗学について触れている部分では、現代社会に通ずる部分が多く、とても参考になりました 日本人が何故反対意見を述べないのか、社会においての過ごし方、命令される方とされた側の責任の所在等 今を生きる社会人にとても読んでもらいたい1冊です
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何気なく、本当にただ何気なく図書館の棚から手に取った一冊にここまで感動を与えられるとは思いもしなかった。特攻隊に関する記述は涙無しには読めない。戦争に関することを教科書程度でしか理解していないので、今後も関連書籍を多く読みたいと思った。
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特別攻撃隊、多くの勇敢な若者が戦った 特攻飛行なのか処刑飛行なのか 悔しい気持ち 「命令する側」「命令される側」どちらの立場もわからない僕は、日本のために戦った全ての人に感謝します 感謝という言葉でいいのかもわからない
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「9回出撃して、体当たりしろという上官の命令に抗い、爆弾を落として、9回生きて帰ってきた人」佐々木友次さん。 鴻上さんの凄さは、特攻の真実を明らかにするために、消え入りそうな声に耳を傾けて丹念に取材したところ。 佐々木さんは、生きて帰ったことは寿命だと語る。軍神になったことになっ...
「9回出撃して、体当たりしろという上官の命令に抗い、爆弾を落として、9回生きて帰ってきた人」佐々木友次さん。 鴻上さんの凄さは、特攻の真実を明らかにするために、消え入りそうな声に耳を傾けて丹念に取材したところ。 佐々木さんは、生きて帰ったことは寿命だと語る。軍神になったことになっている佐々木さんは、「今度こそ死んでこい」と処刑飛行?を命じられるが九死に一生をえたりして生き延びる。仲間が台湾に渡った時は、死んだことになってるからとフィリピンに残されて飢えと闘って生き抜く。戦争が続いていたら日本兵に殺されていたかもしれない。 佐々木さんは、反骨の人ではない。飛ぶことを愛し、飛ぶことに誇りをもって、生きたいという本心と本能に忠実であった人だ。 鴻上さんは、「命令した側」と「命令された側」の違いを明確にして、「命令する側」の責任を追及する。「当事者」にしかわからない真実を掘り続ける。 「哀調の切々たる望郷の念と 片道切符を携え散っていった 特攻という名の戦友たち 帰還兵である私は今日まで 命の尊さを噛みしめ 亡き精霊と共に悲惨なまでの 戦争を語りつぐ 平和よ永遠なれ」佐々木友次 上からの命令や理不尽な慣例に従順な構図は確かにある。少なくとも私の仕事にはそれは存在していた。 ひとりひとりが、あれ?を飲み込まず声をあげていくことが何かを変えていくことにつながるのではないか。 佐々木さんの存在は戦争の理不尽さを改めて教えてくれる。それに屈することなく生き抜いた佐々木さん。ネガティブをポジティブに変えていくエネルギーをいただいた気がする。
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実在の特攻兵、佐々木友次氏が9回の出撃から生還した生涯を、本人へのインタビューをもとに描いたノンフィクション。絶対命令に逆らい、なぜ命を守り抜けたのか、命を消費する日本型組織の問題に迫る。 ・・・ 本作、公正は概ね3パートに分かれます。 先ずは、特攻兵佐々木友次氏の生い立ちと9回の出撃および生還の過程。次に筆者鴻上氏と佐々木氏の対談内容、そして最後に所謂日本論のようなもの。 類書を幾つか読んできたため、戦争の悲惨なところ、とりわけ若くて優秀な兵隊が価値のない死に追いやられるシーンは多く読んできました。それは本作でも散見されます。 しかし、今回本作を読んで非常に印象にあるのは佐々木氏の寡黙さです。 これは無口というわけではありません。むしろ敢えて語らず、否、むしろ語りたくないという種類の寡黙であります。 ではなぜ語りたくないかといえば、畢竟それは理解されないからでしょう。というよりも体験者にしか分からない雰囲気というものがあるのだと思います。 当時、日本は、そして軍部はかなりおかしかったとは思います。 爾後、その異常さ声高に叫ぶでもなく、淡々と、たまたま生き残ったと語る佐々木氏の姿勢に、当時の異常さ・彼我の違いの大きさを感じずにはいられません。 それは被災・被害の体験者と周囲との圧倒的な違いに似ているのかもしれません。 ・・・ 他方、この古傷に塩を塗るかのようにインタビューを行う鴻上氏は、ある意味ちょっと悪者にも見えなくもありません。 でも、氏の考えもやはり分かる気もします。 異常な雰囲気のなか、上官に立てつき、筋を通すことがどうして可能なのか。 日本という国で、雰囲気・気合、精神論が跋扈する。この手のものは、今でもやはり亡霊のごとくあまねく世間に通底していると昭和生まれの私は感じます。その雰囲気・精神論がより明示的だった昭和初期、しかも国家総動員と全体主義が盛り上がるなか、その中でも筋を通す・理を通すということが可能である個人を発見した。その心の持ちようは、日本において、新たな可能性なのでは、と筆者は考えているのかな、と感じました。 因みに最後のパートは鴻上氏による日本文化論の雰囲気が大いにありました。『失敗の本質』や『一下級将校の見た帝国陸軍』もそうでしたが、原因追及を行うと、このあたりの話になりますよね。 ・・・ ということで鴻上氏の戦争関連本でした。 これまで幾つか戦争本を読んできました。上官を拒否し、かつ無事に日本に生還したという方は初めて見ました。あるいは戦争末期だったから可能な姿勢だったのかもしれませんが、戦争関連本としてはちょっと新しいテイストであったと思います。
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「特攻」というものの愚かさを論理的に説明してくれて、当事者では無いのに感謝したくなる。 2章が大事だったんだけど、3章以降の方が楽しめた 鴻上さん心、鴻上さんの書く文が好き
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秀作。力作。 作者の反体制感を感じる。武骨の人。 一貫して命令した人の責任を訴えている。全くその通りだ。現在でもまだ残っている。当事者の自己責任で逃れようとする組織の責任者たち。嫌なことはいやだと言えないといけない。
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他の戦記で、そういう人がいたという噂が書かれていたのだが、実際にこの人なんだな。 実在するとは思っていませんでした。
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特攻隊として9度出撃し、帰還した元兵士へのインタビューを元に、あまり一般には語られることのない作戦の本質・真実について述べられている。 直接本人の口から語られる言葉には、伝聞にはないリアリティと重みがあり、とかく美化されがちな特攻という作戦を、客観的に事実を積み重ねて解説していく...
特攻隊として9度出撃し、帰還した元兵士へのインタビューを元に、あまり一般には語られることのない作戦の本質・真実について述べられている。 直接本人の口から語られる言葉には、伝聞にはないリアリティと重みがあり、とかく美化されがちな特攻という作戦を、客観的に事実を積み重ねて解説していく。 精神論を振りかざす上官、若者や現場に最も負担を強いるやり方、志願という名の強制など、程度の差こそあれ現代社会においても、いまだに当然のようにこのような不合理が残っていると感じる。 歴史を変えることはできない。後の世代である我々にできることは事実を正確に把握し、学ぶことだ。 歴史を学べば学ぶほど、人間の愚かさや浅はかさも見えてしまうが、そういった負の側面から逃げずに思考していくことが大事だと感じた。 今を生きる我々も、いずれ過去の歴史の一部となるのだから。
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後半が特に興味深かった。 ・精神を語るのは容易だけれどリーダーがすべきことは分析と具体性を持たせること ・メディアの在り方 ・日本人の集団我 ・貴重な肉声が失われていくが、同時に冷静に「特攻」を考えられる時期が来た 佐々木さんの気持ちの強さに尊敬の念を抱き、特攻隊員のないがしろに...
後半が特に興味深かった。 ・精神を語るのは容易だけれどリーダーがすべきことは分析と具体性を持たせること ・メディアの在り方 ・日本人の集団我 ・貴重な肉声が失われていくが、同時に冷静に「特攻」を考えられる時期が来た 佐々木さんの気持ちの強さに尊敬の念を抱き、特攻隊員のないがしろにされた本当の気持ちに胸が痛み、命令する側・傍観する側に腹が立った。どうか同じことを繰り返したくない...南スーダンと自衛隊に関する記載で終わりハッとした。周りを見渡しても多方面で繰り返しているよう。
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