鶏小説集 の商品レビュー

坂木司(著者)

2018/11/15

豚肉の小説も出ていたのか。不覚であった・・・。
なぜか、こうの史代さんの「コッコさん」を連想していました。生きてる鶏は１話も出てこない小説集だったわ〜（笑）
でも面白かった！
すぐ隣にいる人の、細かな気持ちまで想像できるお話。親子それぞれの思い。ちょっとしたすれ違いが生む悲喜劇。コンビニにいる貧乏神。そんなきっかけで漫画家に？！５つの物語がどこかで繋がっているのは、同じ町内か、徒歩圏内の出来事なのだろうな。人間模様が楽しい。

2018/07/28

鳥の部位に絡めた短編集。豚の次は鳥ときましたか……。
今回は連続性というか１つ１つの話にちょっとクロスオーバーするところがあったりしている。コンビニ（ファミマかな？）の＜貧乏神＞とか。

隣の芝は青かったり、思わなかったところで出会いがあったり、現実は奇だったり……。
　クリスマスのコンビニの話は、ドタバタコメディに近かった。コンビニってなんでもあるんだなあ～。
　最後の漫画家の話は、藤本タツキ先生の「ファイアパンチ」を思い出した。こっちは殺しまくる話ではないんだけど、割と評価が分かれる作品なので。でも、疾走感というか勢いがすごくて好き。漫画はあまり描けないけれど、勢いのような何かはどこか共感できそうなところがある。

そして、何よりも前回に引き続きの飯テロ。主にコンビニのチキンが飯テロだったかな？と言っておきながら、これを読んでいる間にお昼にチキン南蛮弁当を買っていたりするのだけれどｗ
意外にもトリカラは出てこなかった。鶏ハムは初めて知ったけど、サラダチキンとは違うのね……。

2018/06/17

鶏肉料理に絡めた短編５編。
東京のどこかにあるコンビニを中心に描く、群像の連作。
・トリとチキン･･･あげチキ
　　塾友の男子二人。似てない生活、境遇、趣味。
　　似ている容貌、姿、そして家族に対する悩み。
・地鶏のひよこ･･･地鶏の炭火焼
　　都会育ちの子どもに対する地方出身の父親の悩み。
・丸ごとコンビニエント･･･ローストチキン
　　こだわりの薄い「別にそこまで」の僕がバイト先の
　　コンビニでクリスマスに遭遇した事件とは。
・羽のある肉･･･鶏手羽の照り焼
　　夏なのに、ついていない。
　　新聞委員になってしまった俺。
　　一緒に取材する女子はうざそう。だけど･･･夏！
・とべ　エンド･･･鶏ハム
　　人間関係が苦手な僕が漫画家になった、きっかけは。
　　乱暴なだけでない同級生、編集長の言葉。
　　「わからない」先には何があるのか。

人、境遇、生活等に対する違和感や距離感への葛藤。
誰にも打ち明けられないモノを心にため込む焦燥感。
そんなモヤモヤした感情を抱えて生活する者たちに訪れる、何か。
日常的なコンビニであっても、その導きになるのかもしれない。
な～んて思いながらあげチキを食べるのも良いなぁ(#^.^#)

2018/05/28

ゆるい連作短編集。
しかし鶏はかなりこじつけ。
キーになるコンビニチキン、
脂くどいし不味いから
想像して後味悪かった。
話の感じは嫌いじゃないんだけど…

2018/05/27

肉小説の豚肉に続く第2弾は鶏肉
今回はそれぞれの話がちょっとづつ関連してます。
高校生から父親、コンビニ店員、漫画家など
幅広い主人公で楽しめます。
父親の話が個人的には好きです。
次は牛肉か？

2018/05/13

前作(？)の肉小説集があんまり好みではなかったので
ちょっと不安になりつつ読んでみました。
大丈夫でした( ´∀｀)
キュンとする要素がもう少しあると嬉しいですが、
明るい気持ちになれるものが多かったように思います。
それぞれの物語が近い町？同じ町？の出来事なのか
同じキャラが違う話に出てくるところも好きです。
楽しく読めました。
次は牛かしら？笑

2018/05/05

若者に絶大な人気を誇るフライドチキン「あげチキ」を出すコンビニと、そのコンビニを利用する客それぞれの悩み多き日常が語られる短編集。BBQ、地鶏もも焼き、クリスマスの丸鶏、鶏ハムなど、いろいろな鶏肉料理が登場する。

一番好きなのは『地鶏のひよこ』だった。
私の父がまさにこの浅野さんのようなタイプだったので、レンくんのお父さんがとても好ましい人に思えた。子供と親の相性が悪いのは互いの性格のせいなんかじゃない。子供が親の本音を見抜いているからだ。

「羽のある肉」では思いがけず甘酸っぱい恋愛小説に遭遇。自分ではあまり選ばないジャンルなので久しぶりで新鮮だった。読後思わずニヤニヤ。

相変わらず読みやすく、どのお話も最後に光を見せてくれるので読んで損はないと思う。

2018/04/26

鶏肉連作短編！コンビニの「あげチキ」を食べまくる少年に胸焼け…。最後がハムでよかった。暴力的な内容だったわりにさっぱりしたお肉で終わった。

2018/04/18

鶏つながりの短編が５つ。
どのお話もみな、魅力的な主人公が登場します。
全員、これと言って目立つ存在でもなく
取り立てて不幸だったりドラマティックな人生なわけでもない普通の人々のお話です。
だからこそ傍から見たらちっぽけに思えることで、悩んだり愚痴ったりする主人公たちの姿が
とても愛おしく感じるのでしょう。
それぞれのお話が温かい場所へソフトランディングしているのも◎でした♪

2018/03/02

短編集。
今回はちょっとずつちょっとずつ、だれかが繋がってる。

繋がっている人たちのお話が大好きな私は
今回かなり満足しました。

「トリとチキン」の終わりがしっくりこなかったんだけれども、
「地鶏のひよこ」をよんで満足。
その後ずっと出てくる「貧乏神」というワードに笑ってしまいました(笑)