鶏小説集 の商品レビュー
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坂木司さんによる肉と人生の短編集第2弾。 本作も全て男性の一人称小説ですが、連作になっているのがおもしろかったです。 前作『肉小説集』収録「ほんの一部」のエピソードが本作の「丸ごとコンビニエント」で触れられていたりもして、ああおんなじ世界の出来事なんだなあと。 炭火焼だったり丸ごとローストだったり鶏肉料理はたくさん出て来るんですけど、読後一番脳裏に焼き付いているのはコンビニのあげチキだという……。 息子を好きになれない父親の心情が吐露された「地鶏のひよこ」が好き。 好きになれないけど愛していないわけじゃない、そういう機微ってあるよなあと納得してしまいました。もうひとりの父親・浅野さんとの対比が解りやすかったのかな。 一方で「とべ エンド」が私には全然ハマらず。 特に「『病気だからしょうがない』って思いたかった。親も、自分も。」(215頁)のくだりでずっとモヤモヤしています。小説の中であってもこういう描写はいや。読んでから3日くらい経ちますが、どう処理していいか今も悩んでいるところ。 【収録作品】 トリとチキン 地鶏のひよこ 丸ごとコンビニエント 羽のある肉 とべ エンド
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いろんな鶏肉料理が出てくる連作短編集。友情だったり家族だったり、テーマになっているものはいろいろとあり、どれもが希望の持てる物語になっています。そしてどの物語にも登場する鶏料理。これはどれも美味しそうだなあ。特に「あげチキ」が気になりますね。凄く美味しそうじゃないの! お気に入り...
いろんな鶏肉料理が出てくる連作短編集。友情だったり家族だったり、テーマになっているものはいろいろとあり、どれもが希望の持てる物語になっています。そしてどの物語にも登場する鶏料理。これはどれも美味しそうだなあ。特に「あげチキ」が気になりますね。凄く美味しそうじゃないの! お気に入りは「丸ごとコンビニエント」。物騒な雰囲気が、と思ったら一番スラップスティックな物語で、笑えました。ある意味もっともホラーなクリスマスの惨劇(笑)。
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肉小説集に引き続き読んだ。心理描写がとてつもなく上手くて、スッと入ってくる。思春期のこの気持ちから、大人の男の心情まで、それぞれの短編で全く違う描き方が出来るのは流石。今作も楽しく読ませてもらいました。
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鶏 短編集と思いきや 一連の話だった。 面白いような そうでないような ふつうに読み終えた1冊 ふと 思った事は 自分は 興味あるものにしか 情熱を注げないのかな? それでも それなりに こなすところが 欠点?
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家庭を疎む高三男子の家交換、子供を好きになれずでもぶれない父親、キャンセルされたコンビニの丸焼きチキン、成り行き委員な甘酸っぱい高校生男女と花火、元いじめっ子と彼に急襲され続きを請われプロになった漫画家のコミュニケーションがむしろ成立している関係。何気なくも凝縮された魅力の連作。...
家庭を疎む高三男子の家交換、子供を好きになれずでもぶれない父親、キャンセルされたコンビニの丸焼きチキン、成り行き委員な甘酸っぱい高校生男女と花火、元いじめっ子と彼に急襲され続きを請われプロになった漫画家のコミュニケーションがむしろ成立している関係。何気なくも凝縮された魅力の連作。鶏料理も美味しそう。
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肉小説集に続き、鶏肉に特化した短編集。肉小説集に出てきた人がちょっと出てきたりして、やっぱ再読して良かったと思う。前出てきた人やコンビニが出てきて連作短編集でもあった。全部わかるというか、共感しやすい。読みやすい。さすが坂木司って感じ。子供が好きになれない親、というのも斬新というか、いやー、いるだろうな、と思う。最後の「とべ エンド」は一番スカッと感があって面白かったかな。嘘が嫌い、吐いちゃう、って大変だよなー。コンビニのチキンも食べたくなった。鶏肉最近食べてないなー。
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肉小説まさかの2冊目! 豚小説集は食感描写とあいまった胸糞感が印象深いんだけど、鶏小説は救いのある話が多かったな。お互い好きになれない父子の父の話のラストすごくよかったし、最後の漫画家とバキ君と編集長の話、とても気持ちよかった。 微妙にそれぞれ繋がっていて、豚小説ともちょっとだけリンクしてるのが楽しいところ。コンビニ店長のくだりでは声出して笑ってしまった。なんというか、ものすごーいカタルシスがある、というわけではないんだけど、少しずつ救われる連作集。 豚、鶏ときたら、次は気長に牛を待ちます。
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(2018/9/19読了) 「肉小説集」に続く第2弾。今度は鶏。そして、連作短編集になっている。全てに通じているのは、貧乏神店長のいるコンビニ。第1話には前作に登場した塾も登場している。 連作好きなので、前作より楽しめると思っていたのに、最終話で急下降。なんで終わりにあんな話を持ってきたんだろう。胸糞悪くなっただけ。残念です。 (内容) 「和菓子のアン」シリーズの著者が贈る、肉と人生の短篇集。トリドリな物語。旨さあふれる「鶏」小説を召し上がれ。 (目次) 「トリとチキン」…似てるけど似てない俺たち。思春期のゆらぎと成長を描く/あげチキ 「地鶏のひよこ」…地方出身の父親と、都会生まれの息子/地鶏の炭火焼 「丸ごとコンビニエント」…コンビニバイトの僕が遭遇したクリスマスの惨劇とは/ローストチキン 「羽のある肉」…高校受験を控えた夏。彼女と二人で出かける/鶏手羽の照り煮 「とべ エンド」…死にたがりだった漫画家。そのエピソードゼロとは/鶏ハム
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2018.8.20 読了 第2弾! 鶏の料理に絡ませた短編集。 1話目に出てきた人が2話目の主役、 てなってゆく感じ。 読みやすくて、話もつながる部分もあったりで 面白かった!
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『肉小説集』は怖い話もあったな~~と思ったけど、これはハートフルオンリーって感じかしらん いや、いつもの苦めな坂木ワールド短編って感じもしたが
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