さよなら、田中さん の商品レビュー
小学6年生の主人公と聞いて、作者の身近な体験を元に書かれたのかなと思ったらとんでもなかった。まず冒頭で父親のいない主人公が父親がいるってどんな感じなのかを想像している描写で度肝を抜かれた。作者の鈴木るりかさんは10年と少しの間に、一体何人分の人生を本の中で生きてきたんだろう。 ...
小学6年生の主人公と聞いて、作者の身近な体験を元に書かれたのかなと思ったらとんでもなかった。まず冒頭で父親のいない主人公が父親がいるってどんな感じなのかを想像している描写で度肝を抜かれた。作者の鈴木るりかさんは10年と少しの間に、一体何人分の人生を本の中で生きてきたんだろう。 主人公田中花実についてのエピソードが主人公の目線から短編形式で語られている。第一編では「花ちゃん」としか出てこない主人公の名前が第二編、三編と進むうちに花ちゃんは「花実」で、そして「田中花実」だとわかる。フルネームを知る頃には主人公や彼女を取り巻く人々についてだいぶ分かるようになっている。表題作でもある最後に収録されている作品だけは、彼女のクラスメートの視点から。 全編を通して、子ども目線だからか、切なく爽やかに感じられるけれど、裏には現代の社会問題にも通じるかなりヘビーなテーマが潜んでいる。。だからといって、そういった問題を解決してほしい(したい)というのではなく、誰しも問題を抱えているこの世の中でそれぞれの問題と下手なりに付き合っていく姿が人間くさく描かれている。登場人物たちが今後どうなるか気になるところ。中学生や大人になった田中さん達にもいつか会いたいと思う。
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3.6 父親を知らず、破天荒な母と二人暮らしの小学生・花実の日常。 同級生・優香の実父との再会劇と秘密の共有。 アパートの大家のおばさん、そして引きこもりの息子・賢人との交流。 母に持ち上がった縁談の相手、スーパー風間の社長とは・・。 テンポの良さと、自然に織り込まれたギャグで...
3.6 父親を知らず、破天荒な母と二人暮らしの小学生・花実の日常。 同級生・優香の実父との再会劇と秘密の共有。 アパートの大家のおばさん、そして引きこもりの息子・賢人との交流。 母に持ち上がった縁談の相手、スーパー風間の社長とは・・。 テンポの良さと、自然に織り込まれたギャグで結構笑えるし、ホロっとさせるシーンも結構あるのだけれど、どうもどこかで読んだ本のコピー感が・・・ 嫌な言い方をすると、ちょっと気持ち悪かったかな。 むしろ等身大の部分だけで充分感動出来たと思う。 作者の年齢を知らなければ気にならなかったのだろうか? 物語の発想や全体の構成とかを見ると中学生(何話かは小学生時?)とは思えない完成度。 この子が大人の女性になってから書いたものが読みたい。
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中学生が書いた本ということで、もっと子どもっぽい内容かと思っていたけれど、とんでもなく期待以上の内容だった。 お母さんと花実は貧乏だけれど明るく毎日を過ごしていて、自分たちの境遇を周りのせいにしたり恨んだりすることがなくて、逆に周りの人たちに勇気をくれたり大切なことに気づかせたり...
中学生が書いた本ということで、もっと子どもっぽい内容かと思っていたけれど、とんでもなく期待以上の内容だった。 お母さんと花実は貧乏だけれど明るく毎日を過ごしていて、自分たちの境遇を周りのせいにしたり恨んだりすることがなくて、逆に周りの人たちに勇気をくれたり大切なことに気づかせたりしてくれる。きっとお母さんはとても苦しい時期があったのだと思うけど、それとうまく折り合えていてとても強い女性になっている。素敵なお話で、これの中の何話かは小学生の時に書いたものだということがとても信じられない。 逆境の中に希望や明るさを見いだしながら日々を生きるということをこの本から学んだ。幸せってこういうことなんだと感じた。
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とても子供が書いたとは思えないしっかりとした文章。 (この時点で子供という言葉が相応しくないのかもしれない) 最終章だけは視点を変えるあたりは大したもの。 ホント凄い。
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12歳の文学賞受賞作。藤井聡太君と同じ中学生の活躍に驚いた。中学生とは思えない洞察力やユーモラスで時にほろりとさせる人物描写に天晴。PCで確認したところ北区在住。アンバサダーになる日も近いかな??(まじろ)
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中学生でこの筆力って、どういうこと?テーマは貧困、母子家庭、お受験、いじめって深刻な社会問題てんこ盛りで、それを一笑に付すかのごとく豪放磊落で懐深い書きっぷり。その根底にある悲哀と温もり。拙い人生経験でこんな表現されちゃあ、その何倍も生きてきた身として立つ瀬がないわ。おっかさんの...
中学生でこの筆力って、どういうこと?テーマは貧困、母子家庭、お受験、いじめって深刻な社会問題てんこ盛りで、それを一笑に付すかのごとく豪放磊落で懐深い書きっぷり。その根底にある悲哀と温もり。拙い人生経験でこんな表現されちゃあ、その何倍も生きてきた身として立つ瀬がないわ。おっかさんの生い立ちやら、風間さんの真相やらを最後まで明かさないのもエラい。いろんな意味で感動した。
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田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた...
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが
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たくさん いろんなこと知ってるんだね。 でも 「死にたいんじゃないただ終わらせたいだけ」 この言葉が出たのが中学生だとういのが悲しすぎる。 いろいろピックアップするとこはあるけど 三上くんの言葉に この作者が経験した ことがきになる。
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中学生が書いたとは思えない。読みやすいし文章がうまい。表紙のイラストが西原さんだからか、主人公のお母さんのイメージが西原さんのように思えて仕方がない。
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驚いちゃう。文章力、語彙力、ニュースとかもよく見てるのだろうし、新聞もきっと読んでるのかな。 とにかくとっても面白かったし、感動しました。 ちょっとした言葉の使い方に本当におばさんは感動しましたよ。 田中花実ちゃんとお母さんの母子家庭の話なんだけど、1つ1つが本当に素晴らしい...
驚いちゃう。文章力、語彙力、ニュースとかもよく見てるのだろうし、新聞もきっと読んでるのかな。 とにかくとっても面白かったし、感動しました。 ちょっとした言葉の使い方に本当におばさんは感動しましたよ。 田中花実ちゃんとお母さんの母子家庭の話なんだけど、1つ1つが本当に素晴らしい。 最後の表題だけ花実ちゃんの同級生の男の子の目線で書かれてるってところもニクイ。 将来が本当に楽しみだな~
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