地の星 なでし子物語 の商品レビュー
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以前読んだ「なでしこ物語」の続編。小学生だった耀子は、28歳。18歳で龍治と結婚し、一女の母になり、常夏荘の女主人「おあんさん」となっていた。 えっ?そんなに早く結婚していたの?しかも立海と結婚すると思ってたのに龍治と?!とちょっとショックだった。 峰生の有力者、遠藤家もバブル崩壊を経て、経済的に大変な状況に。代々、お高くとまっているはずの遠藤家のおあんさん、耀子も峰前の集落のスーパーで働き始める。だが、過疎化が進む集落で、そのスーパーさえも閉店の危機に。 閉店にしてはいけない。アイデアを出せと、同年代の店長に発破をかけられて、お客様へのお弁当の配達や送迎、ミネパン(撫子の形のパン)、ミネシュー(シュークリーム)、ミネロール(ロールケーキ)など、独自の商品開発を仲間達と行い、それが成功する。 しかし、それでも閉店は免れないことに。 自分たちの働く場所を失ってはいけないと、耀子はスーパーで開発してきた商品を売る会社を立ち上げる決意をする。そのためには、常夏荘の敷地を利用したい。耀子は事業計画書を書き上げ、常夏荘を売却しようとしていた、夫の龍治を説得し、資本金を集めるため、仲間に頭を下げる。 「なでしこ物語」では、最初あんなに自分に自信がなかった耀子が、困難に立ち向かい自分の道を切り拓いていく、前向きな姿が頼もしかった。ずっと支えていたのは、子供の時、立海と一緒にお世話になっていた家庭教師の先生の「どうして私は出来ないの?ではなく、どうしたら出来るようになるか考えてごらん。」という言葉。 閉店の危機にあるスーパーくらいしか働く場所がない所で一介の店員さんから、自分たちの働く場所を作る夢を追いかけて行動を始めた耀子。 耀子は私と同じ歳。今の耀子に会ってみたい。
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『なでし子物語』の続編。出版は『なでし子物語』『地の星』『天の花』の順だけど、時系列としては『なでし子物語』『天の花』『地の星』の順。『天の花』から読めば良かったかなぁ?とちょっとモヤモヤ。 『なでし子物語』では10歳だった耀子も今は28歳で一児の母。 高校卒業と同時に結婚、出...
『なでし子物語』の続編。出版は『なでし子物語』『地の星』『天の花』の順だけど、時系列としては『なでし子物語』『天の花』『地の星』の順。『天の花』から読めば良かったかなぁ?とちょっとモヤモヤ。 『なでし子物語』では10歳だった耀子も今は28歳で一児の母。 高校卒業と同時に結婚、出産した耀子は社会人経験がないが、家庭の事情や色々思うところあってスーパーでパート勤めを始める。そこから起業するまでのお話。 これだけ書くと奥さんの奮闘記って感じだけど、耀子が嫁いだのは地域の名士の家。そんな家の奥さんがパートに出ていることで陰で没落したのかと噂を立てられ、起業しようとみんなに出資金を募れば、あんたんちみたいにお金はないわよ、と断られる。 しかし「守られるだけじゃない、守る力がほしい」「自分の足で立っていられる力がほしい」と思う耀子はうまくいかなくても、子どもの時に家庭教師に教えてもらったように『どうして』と思わず『どうしたら』と考えて進んでいく。 「とにかく進む。欠けているものがあるなら、満たす方法を探す」 『なでし子物語』では自分に自信を持てない女の子だった耀子が、自分で考え、自分で勉強し、自力で進んで行っている姿に胸を打たれます。
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「どうして」じゃなく「どうしたら」 働く場所がなければ自分で作る この物語の土地とは違うけど 私の地方も「やらまいか」っていうんや いい言葉やな ずっと 変わらないままではいられない 良くも悪くも せつない でも 前を向いて
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読んでから時間が経ってしまったー。 天の花を読んでから、こちら地の星を読んだのでいきさつは色々と分かっていたけど。 耀子が仕事に奮闘する話がメインで、あんだけ耀子のことを好きになってくれた龍治とはなんか距離あるしなかなか立海が出てこないしで少し悶々。からの、最後の立海の登場場面。蔵での耀子と立海の会話。切なすぎて何度も読み返した。2人は心が通い合ってるはずなのに。耀子は一歩踏み出さない。ちゃんとわきまえてる。立海の手を掴んでしまえばいいのに。。 立海との場面の後も、耀子は仕事に切り替えてどんどん進んでいく。もしかして私は耀子以上に立海を引きずってるんじゃないか、、笑 もちろん耀子が仕事に奮闘する話も読み応えがあった。ちえやゆかり、スーパーでできた仲間と紆余曲折ありながらも頑張っていく。それをよく思わない龍治と後押ししてくれる立海、という構図もできて、最終巻ではどうか、どうか…!と思わずにはいられない。(でも不倫はしてほしくない。)
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8月-27。3.5点。 なでし子物語、続編。 大人になった耀子中心に描かれる。 娘と共に常夏荘にきた耀子。スーパーで働き始めるが。 前作のメンバーも多く出てくる。読みやすい。 ここに至るまでのストーリーが少なく、情報が欲しかった。 次作で穴が埋められるのかな。
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2019/11/30 びっくり、ヨウヨが大人になってる!母になってるしおあんさんやし旦那は龍治って! どういうことやねん、それは!リュウカ君は? あの後どんな風に成長して、二人はどう再会してどんな関係になるのかすごく楽しみにしてたのに全部すっ飛ばしたよ!なんだそれ!と憤っていたのもつかの間、読んでいくうちに熱を帯びて物語にどっぷり引き込まれたのでした。 ヨウヨが頑張りだしてからは興奮して顔真っ赤になった。 頑張れ!負けるな!ってね。 最後は一緒に「やらまいかー!」って本を閉じたけど、やっぱりどうしても龍治と結婚したのは残念としか言いようがない。 最後まで読んでもわからなかった。 龍治がなぜヨウヨを選んだのか。選んだというより手折ったような印象。龍治の籠に閉じ込めたみたいでどうしたって龍治を好きになれないよ。 千恵があっちに行っちゃわなくてよかった。 ハム兄弟の再生も見たいしこの後みんなどうなるか見たいんだけど続編は今回すっ飛ばした時期のことらしい。 過去に戻るんだ。 すごいね、大胆な展開。私には怖くてできないわ。
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ヨウヨはおあんさんになって・・子供もいて、なんと時が流れていたものか。自立と自律。強く優しく母として女性として友として。自分で生活したいこと、素敵な美味しそうな試み。ぜひ成功してほしい
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なでしこ物語の続編。 前作から随分と時間が経っていて、状況理解するまでに少し時間がかかったし、読み終えても分からない部分があるけど、それは3作目で分かるのかな。 伊吹有喜さんの描く食事はとても美味しそう。素朴で身体に良さそうで、そんなお弁当私も食べたい。 女性の自立しようと言...
なでしこ物語の続編。 前作から随分と時間が経っていて、状況理解するまでに少し時間がかかったし、読み終えても分からない部分があるけど、それは3作目で分かるのかな。 伊吹有喜さんの描く食事はとても美味しそう。素朴で身体に良さそうで、そんなお弁当私も食べたい。 女性の自立しようと言う気持ちの一番の壁は身内。そういう時代だったなぁ。 莫大なお金が儲からなくても、楽しく働ける場があって、利用してくれる方が笑顔になって、みんなが同じように幸せになる。そういう成功もある。
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皆さん高評価なのですが、わたしはちょっと。。。 没落過程とは言え膨大な資産を持つ遠藤家。母の育児放棄にあっていた少女・耀子は林業で財を成した遠藤家発祥の地・峰生に建てられた広壮な常夏荘で働く祖父の元に引き取られ、病気療養のために転地していた遠藤家の孫・立海が出会う。ちょっと『秘密...
皆さん高評価なのですが、わたしはちょっと。。。 没落過程とは言え膨大な資産を持つ遠藤家。母の育児放棄にあっていた少女・耀子は林業で財を成した遠藤家発祥の地・峰生に建てられた広壮な常夏荘で働く祖父の元に引き取られ、病気療養のために転地していた遠藤家の孫・立海が出会う。ちょっと『秘密の花園』等を思い出させる少年少女を主人公にした良い話『なでし子物語』の続編です。 前作から一気に18年。なんと今度は”お仕事小説”でした。 遠藤家の家長・龍治の嫁になった28歳の耀子が、何故か過疎化が進む峰生のスーパーのパートです。大手スーパーの傘下に下り、東京から来た店長が遠藤の分家の娘。閉店に追いこまれようとするスーパーを耀子たち従業員が建て直していきます。そして。。。 ただねぇ、お仕事小説としての出来は良くない。美味しくて健康的で安いお弁当、一口食べた人から直ぐに口コミで広がる可愛らしいスイーツ。確かに登場人物の中に腕っこきの料理人を配しているとはいえ、そんなものがたちどころに生まれて、しかも大量に作ることができる。そりゃ成功します。しかも、作るところは常夏荘の巨大で何故か最新設備を備えた台所。「苦難を頑張り抜いた果ての機知」がお仕事小説なら余りにご都合主義という気がします。 では人が描けているかと言うとそうでもなく。全国模試10位という頭脳明晰なはずの耀子は28歳になった今でも何故か愚図キャラですし、他の登場人物もどうもキャラが不安定な気がします。 『秘密の花園』的な話が「お仕事小説」に、資産家の嫁がスーパーのパート、そんな木に竹を継いだような無理な設定です。 いっそ別の話として切り出した方がすっきりする気がするのですが、物語のバックには遠藤家の物語が流れ続けます。娘の喘息治療の為と言いながら長く別居し、会話の無い耀子と龍治夫妻。何故か避けあうような幼馴染の立海と耀子。そのあたりの謎が最終編『天の花』で明かされるのかもしれません(どうも話は遡り耀子の結婚にまつわる物語の様です)。 とは言え、手を出すかどうか・・・・。
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耀子が大人になって、自立をしようと頑張るストーリー。なぜか貧乏クジな耀子。でもそれをクヨクヨしないでプラスに変える力がある。立海じゃなくなんで龍治と?運命のいたずら?そこは切なかったが概ね元気をもらえた。
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