十六夜荘ノート の商品レビュー
2024年47冊目 古内一絵さん/十六夜荘ノート エリート社員の転落と再生を描く現在と、 彼に遺産を残した大叔母が生きた戦前〜戦後が立ち替わる物語。 「遺産」とは、「価値観」とは何なのか? 心に刺さる言葉が多く、久しぶりにカフェ読書しながら目頭が熱くなりました
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ほとんど面識がないと言っても良い元華族の大伯母から、古い屋敷を相続する。大崎雄哉は受け継いだ資産を売却しようとするが、登記簿に謎の名前を発見する。十六夜荘とな作られた古い屋敷に今集う人たちと、大伯母がまだ家族であった頃に集った人たちの物語が交錯する。
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会ったこともない大叔母からの遺産相続。それは大叔母の記憶が詰まった十六夜荘だった。相続人の大崎雄哉は自分の目的のためなら、周囲の気持ちなど顧みない鼻持ちならない男だったが、ある事件をきっかけに自分の歪んだ考え方に気がついていく。そして大叔母がなぜ十六夜荘を大切にしていたのか、戦争...
会ったこともない大叔母からの遺産相続。それは大叔母の記憶が詰まった十六夜荘だった。相続人の大崎雄哉は自分の目的のためなら、周囲の気持ちなど顧みない鼻持ちならない男だったが、ある事件をきっかけに自分の歪んだ考え方に気がついていく。そして大叔母がなぜ十六夜荘を大切にしていたのか、戦争の傷跡の中で大叔母はどう生きていたのか知ろうと思うようになる。戦争の悲惨さを物語として目の当たりにするから、とても辛い物語。目を背けてしまいたくなる。事実を知って戦争を行ってはいけないと改めて思う。
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英国で亡くなった大叔母から、古い屋敷「十六夜荘」を相続した雄哉。彼にとって、ほとんど会ったことがない大叔母が何故遺産を残したのかは謎でした。除け者にされていた大叔母の意図を解明すべく、雄哉は彼女の過去を探り始めます。 その過程で、十六夜荘への深い愛情と大叔母の生き様に触れること...
英国で亡くなった大叔母から、古い屋敷「十六夜荘」を相続した雄哉。彼にとって、ほとんど会ったことがない大叔母が何故遺産を残したのかは謎でした。除け者にされていた大叔母の意図を解明すべく、雄哉は彼女の過去を探り始めます。 その過程で、十六夜荘への深い愛情と大叔母の生き様に触れることになります。物語は、雄哉が現代で生活する中で展開される現在と、大叔母が生きた戦前・中・後の時代とが交互に語られます。 特に、大叔母が経験した戦時中のエピソードは心を揺さぶります。過去と現代を比較し、「やりたいことに無制限にチャレンジできる現代」の価値を新たに認識させられる一冊でした。また、雄哉が十六夜荘との関わりの中で悟った「他人の評価は移り変わるもの」という言葉は、雄哉の仕事への姿勢にも影響を与えました。 この本を手に取ったきっかけは、本屋さんで見つけた「埋もれてしまうには惜しい本」というポップアップでした。その言葉に惹かれ、読んでみて本当に良かったと感じています。
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『百年の子』を読んでからこれを読んだら、過去と現在を交互に描いて、主人公が(読者が)知らなかったことを読み解いていく方式が同じだった。 雄哉が生きる現代と、玉青の生きる昭和、戦争の時代がフラッシュバックしながら、物語が進む。 雄哉が疑問に思っていることや、困っていることが、玉青の時代にスイッチされると理解できるようになっているので、混乱することはない。 もちろん、物語の素晴らしさがその手法によって損なわれることはない。古内さんならではの、魅力あふれる個性的な人たちが次々と現れて、ドラマを作っていく。 以下、ネタバレあり。注意。 玉青と雄哉が出会うこともなければ、雄哉が玉青の人生を知ることもないまま、物語のラストで意外な人物が現れる。 安心した。この人物が大叔母のことを知る限り雄哉に語ってくれるだろうから。 安易に恋愛で幕引きしたりしないところ、雄哉の人生を決めつけない終わり方にも好感が持てた。
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戦時中や戦後の華僑の人たちの様子がよくわかる感じで書かれているなぁと思って読んでいたら、著者は中国語の翻訳者をされていたのですね〜。 人も月の満ち欠けと同じで、ずっと同じではいられなくて、欠けていく時期っていうのもとても大事なもんなんだなと。 欠けていく時期だからこそ気づけるこ...
戦時中や戦後の華僑の人たちの様子がよくわかる感じで書かれているなぁと思って読んでいたら、著者は中国語の翻訳者をされていたのですね〜。 人も月の満ち欠けと同じで、ずっと同じではいられなくて、欠けていく時期っていうのもとても大事なもんなんだなと。 欠けていく時期だからこそ気づけることもあって、人の評価を気にするのではなくて、自分にかけられた想いを感じていくというのが大事なんだなと思った。
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図書館で。 遠い親せきが残した不動産賃貸業をいきなり受け継ぐことになるって大変だな、と思いました。その場所を残して行きたいのであればもっと早くアクションを起こすべきなんじゃないのかなぁ?外国にいるオバサン?が無理なら代理人でも、住民でも。でも多分そういう話ではないんだろうな、とい...
図書館で。 遠い親せきが残した不動産賃貸業をいきなり受け継ぐことになるって大変だな、と思いました。その場所を残して行きたいのであればもっと早くアクションを起こすべきなんじゃないのかなぁ?外国にいるオバサン?が無理なら代理人でも、住民でも。でも多分そういう話ではないんだろうな、という事は分かったので途中で断念しました。
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とても面白かった。中盤あたりから止められなくなりあっと言う間に読み切ってしまった。戦前、戦中、戦後、そして現代。みんなみんな、悩んで藻掻いて愛されて生きている。人も月と同じで、満ちてくときもあれば、欠けてくときもある。とても刺さった言葉だった3.7
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力作ですね! 現代青年の雄哉は 仕事バリバリ人間 無駄は嫌い 出世と仕事だけの人 そこに東京の一等地 十六夜荘が 大叔母によって譲られる 面識もない人 と思う そこから雄哉が会社を辞める 周りで働いている人たちの気持ちを理解するゆとりもなかった。 現代の生活と 大叔母の玉...
力作ですね! 現代青年の雄哉は 仕事バリバリ人間 無駄は嫌い 出世と仕事だけの人 そこに東京の一等地 十六夜荘が 大叔母によって譲られる 面識もない人 と思う そこから雄哉が会社を辞める 周りで働いている人たちの気持ちを理解するゆとりもなかった。 現代の生活と 大叔母の玉青が生きた 戦中戦後の世界が交互に描かれる 会社を辞め 自分が認められている存在だ という プライドは なくなっていく。 十六夜荘に住む人たちは超個性的で 雄哉には理解できなかった。 自分のプライドがなくなっていく分 十六夜荘の人たちを受け入れることができるようになっていく。 玉青さんの生き方はかっこいい 最後に ひとりで生きてきた気になっていた雄哉が 実は 愛されていたんだ と気がつく ドラマになっても映画になっても よさそうな本です。
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十六夜荘というお屋敷を巡って 現代と昭和初期の第二次世界大戦あたりの時代が 交互に進められています。 本当の豊かさとは何なのか、人生とは生き方とは などエリート人生まっしぐらの雄哉と 大伯母にあたる玉青の物語を通じていろいろ 考えさせられました。 戦後大混乱の中、家族を背負って...
十六夜荘というお屋敷を巡って 現代と昭和初期の第二次世界大戦あたりの時代が 交互に進められています。 本当の豊かさとは何なのか、人生とは生き方とは などエリート人生まっしぐらの雄哉と 大伯母にあたる玉青の物語を通じていろいろ 考えさせられました。 戦後大混乱の中、家族を背負っていきぬいた 玉青さんや家族、仲間達 平等でもなく理不尽すぎる世の中に 押さえ込まれながらも温かさや、人としての尊厳を曲げず一歩一歩歩く姿に惹かれ 今現在 そこに住む奇妙だけれど、真っ直ぐに生きている住民達にいつしか心動かされ、雄哉も自分の心や 居場所を見つけていく そんなお話です。 毎日毎日追われるように生きる人生だけど 一度しかない人生 たまには 空に向かって大きな深呼吸をしよう。 それだけでも幸せな気分になります。
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