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十六夜荘ノート の商品レビュー

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54件のお客様レビュー

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2025/01/11

人生に満ち欠けがあり,大切な事に気付くのは欠けていく辛い時。十六夜荘相続人雄哉の視点で,戦禍を生き抜く(大叔母)玉青の人生を追体験。他人に左右されず自分の信念に従い後悔なく生きたい。

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2025/01/04

とてもドラマチックな物語。1人の青年の成長と再生の物語でもあり、玉青さんの生きた過酷な時代を描くことで、戦争、人種、性別、現代にも通ずる問題を提起して散りばめていてすばらかった。玉青さんのように、戦後過酷な時代を強いられた没落華族の人々が実際にいたらしいので、そこももっと詳しく深...

とてもドラマチックな物語。1人の青年の成長と再生の物語でもあり、玉青さんの生きた過酷な時代を描くことで、戦争、人種、性別、現代にも通ずる問題を提起して散りばめていてすばらかった。玉青さんのように、戦後過酷な時代を強いられた没落華族の人々が実際にいたらしいので、そこももっと詳しく深掘りしたくなった。

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2024/12/01

先月末ロンドンで亡くなった大伯母笠原玉青から、都内一等地にある赤い三角屋根の屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。 雄哉は、親戚からは生涯独身の変わり者と噂されていた、ほとんど面識のない大伯母について調べるために、現在シェアハウスとして使われている「十六夜荘」を訪れ、奇妙な住人4人と関...

先月末ロンドンで亡くなった大伯母笠原玉青から、都内一等地にある赤い三角屋根の屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。 雄哉は、親戚からは生涯独身の変わり者と噂されていた、ほとんど面識のない大伯母について調べるために、現在シェアハウスとして使われている「十六夜荘」を訪れ、奇妙な住人4人と関わるようになる。 雄哉が「十六夜荘」の過去を探る現在と、玉青がこの屋敷で家族と、離れのアトリエに集まる画家たちとともに過ごした昭和初期の戦中の頃のことが交互に書かれていて、二つの時代が一つに重なっていくような壮大さを感じさせられます。 屋敷に集まる個性的な人たち、芸術に情熱を燃やす若者たちが、戦争というすさんだ時代にもいたということが瑞々しく感じられ、戦争に翻弄され、身の程知らずと言われようとも凛とした玉青の生きざまが、本当に素晴らしい。 大伯母玉青の家族に対する深い想いと守り抜いたもの、積み上げてきた暮らしという温もりを、後に遺された者は大切にしていきたい。 過去を知らされることによって、自分が今生きていることを充分に嚙みしめられるのではないかと思います。

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2024/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前進することだけを考えてきた雄哉が、初めて挫折を味わったことで見えてきた、過去に与えられてきた、いろいろなもの。 戦争という苛酷な状況の中、自らを「身の程知らず」と評した玉青が決して失わず、手放さなかったもの。 まるで目の前で展開されているかのように鮮やかに描かれていた。 戦中~戦後の、目を逸らしたくなるような光景は、その時代に生きた人の弱さや傲慢さをまざまざとつきつけられる。 自分が知っている知識と合わせて考えれば、たしかにそうだったのだろう。でも、そうならざるを得ない状況にあったのも想像にかたくない。 その中で自分の信念を持ち続けられたひとは少なかったと多くはなかったと思う。 兄の一鶴や若き画家たちと生きて再会できるんじゃないかと期待する気持ちもあったけれど、戦争の中ではそれこそファンタジーだ。

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2024/10/02

歴史物が苦手なので、あまり読み進まないシーンもありましたが、十六夜荘にまつわるストーリーや、たくさんの人の愛がそこにあってとても感動しました。

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2024/09/22

元華族である大叔母の遺産として、古い洋館を相続することになったエリート社員の雄哉。 華族だった大叔母の玉青と館に集っていた画家や作家たちが、華やかに過ごす昭和13年から戦後の激動まで、ちょっとした大河ドラマのよう。この時代に華僑と呼ばれた人たちの複雑な変遷もあり、読後感は思いの外...

元華族である大叔母の遺産として、古い洋館を相続することになったエリート社員の雄哉。 華族だった大叔母の玉青と館に集っていた画家や作家たちが、華やかに過ごす昭和13年から戦後の激動まで、ちょっとした大河ドラマのよう。この時代に華僑と呼ばれた人たちの複雑な変遷もあり、読後感は思いの外重厚でした。 現代の雄哉の章が、ありがちな感じで邪魔に思えたのが残念。

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2024/09/16

満月の前の十四番目の月ではなく、十六番目の月、これから欠けていき最後には空に溶けていく月。 満ちる物は必ず欠けていく、絶頂期の次には後退がやっていく、いつもいつも順風満帆なわけはない。 自分の力の及ばない巨大な渦に巻き込まれることもある。その最たるものが戦争なのかも。その渦の...

満月の前の十四番目の月ではなく、十六番目の月、これから欠けていき最後には空に溶けていく月。 満ちる物は必ず欠けていく、絶頂期の次には後退がやっていく、いつもいつも順風満帆なわけはない。 自分の力の及ばない巨大な渦に巻き込まれることもある。その最たるものが戦争なのかも。その渦の中を凛と生き抜いた(元)華族の玉青のかっこいいこと。その彼女が守ろうとしたもの、伝えようとしたもの、それを受け止めた「現在」に生きる雄哉のお話でもあります。

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2024/09/13

ここ最近読んだ本の中で1番感性にぶっ刺さった気がした。離れに集まっていた先人たちがむごく、理不尽な世の中でも、彼らの輪の中心に灯る何かを希望として支え合い、お互いを必要とし、暗い世の中にも光を見出し生き抜いた日々が、時代を超えて1人の末裔を大きく変えたその繋がりの力にとても感銘を...

ここ最近読んだ本の中で1番感性にぶっ刺さった気がした。離れに集まっていた先人たちがむごく、理不尽な世の中でも、彼らの輪の中心に灯る何かを希望として支え合い、お互いを必要とし、暗い世の中にも光を見出し生き抜いた日々が、時代を超えて1人の末裔を大きく変えたその繋がりの力にとても感銘を受けた。 そこに込められた想いが人を大きく変えるということも戯言では無いのだなと感じた。

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2024/09/12

失恋後26作品目 「満ち欠けがあるのが自然なのよ。人も国も社会も仕事も、恋愛もね。」 月の満ち欠けと雄哉と玉青の2人の物語。時代に翻弄された玉青さんのカッコいいこと!すごいなぁ。読みやすいし、時代背景も知れるし、繋がっていく感じがとても良かった。いい読後感。

Posted byブクログ

2024/09/02

万人にウケるかというとそうではないかもしれない。 ただ、最後の数ページ、あぁ、この本を読んできた時間はここに繋がるんだなと。 本を閉じたあと、目をつぶって登場人物の一生を思い出し、じんわり。 自分の生き方を見つめ直したいと思いました。

Posted byブクログ