ハケンアニメ! の商品レビュー
高校生の頃どっぷりアニメにハマり、所謂「アニメオタク」になった。 大人になり、読書が好きになってこの本に出逢った。 アニメが大好きな自分にとって、アニメ制作を題材にしたこの作品は、とても馴染みやすくスラスラと読めた。 もちろん、普段アニメを観ない人にもオススメできる内容であり、...
高校生の頃どっぷりアニメにハマり、所謂「アニメオタク」になった。 大人になり、読書が好きになってこの本に出逢った。 アニメが大好きな自分にとって、アニメ制作を題材にしたこの作品は、とても馴染みやすくスラスラと読めた。 もちろん、普段アニメを観ない人にもオススメできる内容であり、むしろ観るきっかけになると思う。 この作品の素晴らしいと思う点は、アニメ制作の裏側を詳細に丁寧に書かれていることと、当時の世間から見た「アニメとそのファンの立ち位置」をわかりやすく表現していること。 アニメ一つを制作するには、莫大なお金・人・時間がかかること。 「アニメーター」と一言で言っても、様々な立場や役割があること。 などなど本当に勉強になることが多い。 また、単行本が発売したのが2014年とのことで、この時代はまさにアニメ業界が盛り上がりを見せている真っ最中の頃だった。 それと同時に「オタク」という言葉は世間一般から見たらどちらかと言うとマイナスなイメージを持たれていたので、主に王子監督や並澤さんの心情やセリフが痛いほど共感できた。 読了した今(2024年)でこそ、VODが普及し、注目作品の人気アーティストタイアップが当たり前となったことにより、もはやアニメを観ることが世間的に当たり前で、何の躊躇いもなく「好き」と公言できる。 しかし、当時は「陽キャ陰キャ」「リア充非リア」の境界線がアニメを中心とした「オタク」で線引きされることが多く、そういった繊細な部分も読み進めながら懐かしく感じた。
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1クールごとに組む相手を変え、 新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。...
1クールごとに組む相手を変え、 新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。 ファンの心をつかむのはトウケイ動画「サウンドバック 奏の石」か?スタジオえっじ「運命戦線リデルライト」か? 今クールも、熱き戦いが始まっている――。
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しょっぱな、消えた監督のエピソードで、 無理。と思った。 アニメは好きだし、妥協しないクリエイターの姿勢は尊敬するし、ゼロから作り上げる不安やプレッシャーも何となく理解は出来るけど、これはいけない。 こんな人とは一緒に仕事出来ない。無理。 からスタートしたけど読了出来た。 最初...
しょっぱな、消えた監督のエピソードで、 無理。と思った。 アニメは好きだし、妥協しないクリエイターの姿勢は尊敬するし、ゼロから作り上げる不安やプレッシャーも何となく理解は出来るけど、これはいけない。 こんな人とは一緒に仕事出来ない。無理。 からスタートしたけど読了出来た。 最初のエピソード以外はよかったけど、 最初がいけなかったので、印象はあまり良くない。
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小説読了後、実写映画も観る。 小説では主人公がリレーする構成のため、人物に対する三様の見方を通じて読者のキャラクターに対する印象を変えさせていくのが、読みどころがあって良い。 映画は演じるキャストのしっくりくる感じに加えて作中作のアニメが動いているのを見られるのがよい。でもその辺...
小説読了後、実写映画も観る。 小説では主人公がリレーする構成のため、人物に対する三様の見方を通じて読者のキャラクターに対する印象を変えさせていくのが、読みどころがあって良い。 映画は演じるキャストのしっくりくる感じに加えて作中作のアニメが動いているのを見られるのがよい。でもその辺を想像で補ってナンボなのが読書ですから、できれば読んでから映画を見てほしいタイプの作品だと思う。 いずれにしても、キツさ、人間関係、やり甲斐など、「お仕事小説で読みたいこと総て」が全部入っていて、いい読書体験でした。
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輝かしくて羨ましいお仕事の泥臭い部分。それでもこの仕事が好きだ!っていうエネルギーと誇りが、やっぱり輝かしくて羨ましい。
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とても面白かった! 最近見ているアニメは極めて限られているものの、やはり現代日本の文化だと強く思います。長年にわたって培われてきた。 「ハケンアニメ」を書かれるにあたって、辻村さんも業界の方々から学びながら作品を作られたとおっしゃっていましたが、全く門外漢の私でもアニメ作成現場...
とても面白かった! 最近見ているアニメは極めて限られているものの、やはり現代日本の文化だと強く思います。長年にわたって培われてきた。 「ハケンアニメ」を書かれるにあたって、辻村さんも業界の方々から学びながら作品を作られたとおっしゃっていましたが、全く門外漢の私でもアニメ作成現場の厳しさがひしひしと伝わってくる内容でした。 監督、プロデューサー、アニメーター、声優等々それぞれの役割を持った人々がどのようにアニメの作成に携わっておられるのか、とても興味深かったし、よく理解できました。また、巨額のコストが必要となるため「・・・製作委員会」というスポンサーの協働組織が立ち上げられるというのも近年の常識になってきているようです。私が「・・・委員会」を認識したのは「となりのトトロ」が初めてでしたが。 読んでいて気がついたのが、最近のアニメは土曜日の夕方、あるいは平日、土日の深夜に放映されている事が多いということ(今頃何に気がついているんだ?)。そういえば、家人が録画した深夜番組を数日後に観ています。アニメの対象が子供だけではなく大人に向けたものも多くなってきているという事ですね。それらは深夜に放映されているアニメです。 時代遅れの私は、この作品を読んで「そういえばそうだよね!」という事象が数多く出てきたのでした。 しかし、この「ハケンアニメ」の構成やストーリーの作り方が、「さすが!辻村さん!!」という感じで途中から大きな盛り上がりを見せてくれました。最後の盛り上がりで、ひょっとして裏切られたらどうしようと危惧してしまうほど、素直に盛り上がる事ができました。複雑さはなくシンプルに楽しめました。 読み始めでは、「ハケンアニメ」の意味すら???の状態だったのに、読み終えた時には少しはアニメの世界に詳しくなれたような?そんな気がします。 ブクログの先輩方の情報によると続編が出ている様子。これは読まねばなりません。
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これは、これは! 黒辻村に白辻村が追い討ちをかけて ブラックと言われがちなアニメ業界を 憧れゴールドにしてしまうお仕事小説 第一章 王子と猛獣使い イケメン孤高の猛獣王子監督と 社畜根性女子プロデューサーとの 辛辣から信頼、そして愛情? 魔法少女モノ「リデルライト」深夜枠アニメ...
これは、これは! 黒辻村に白辻村が追い討ちをかけて ブラックと言われがちなアニメ業界を 憧れゴールドにしてしまうお仕事小説 第一章 王子と猛獣使い イケメン孤高の猛獣王子監督と 社畜根性女子プロデューサーとの 辛辣から信頼、そして愛情? 魔法少女モノ「リデルライト」深夜枠アニメで覇権を目指す 第ニ章 女王様と風見鶏 アニメ大好き女王様監督と根回し営業上等風見鶏敏腕プロデューサーが、土曜夕方アニメゴールデン枠、ロボットアニメ「サバク」で覇権をとりにいく 第三章 軍隊アリと公務員 業界の軍隊アリと自分を揶揄する極上アニメーターの地味目女子と 「サバク」で地域おこしを成功させたい市役所観光課の公務員男子 非リア女子が 誠実青年の思いに動き出す 連作の形態をとりながら、登場人物を見事に絡ませて読ませる 流れが上手いから 読み直さなくてもすっきり人物像が残る 制作されるアニメ2作もストーリーがしっかり考えられていて、作中作だけ収めるのは惜しいほど アニメが好きだから、だけでなく、応援したくなる作品です♪
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『ぼくメジャ』に続き、辻村作品六作目。わたしが元業界人なので、どこか懐かしく感じましたねぇ。「サバク」「リデル」共に設定等、もっと深く掘り下げればちゃんとアニメ化出来そうな内容でビックリ。ちゃんと取材して描いたんだなぁと嬉しく思いました(^^)
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アニメ業界で働く女性たちを描いたお仕事小説。 全3章+最終章に加え、特別篇という構成。 主に、天才アニメ監督を走らせるプロデューサー、 敏腕プロデューサーに食い物にされる新人アニメ監督、聖地巡礼事業に精を出す公務員に付き合う神原画の人気絵師といった、会社や立場も別々の3人の視点...
アニメ業界で働く女性たちを描いたお仕事小説。 全3章+最終章に加え、特別篇という構成。 主に、天才アニメ監督を走らせるプロデューサー、 敏腕プロデューサーに食い物にされる新人アニメ監督、聖地巡礼事業に精を出す公務員に付き合う神原画の人気絵師といった、会社や立場も別々の3人の視点を通して、リアルで熱い物語が紡がれる。 なかでも、厳しい業界で日夜戦う彼女らの思い、 人と人との繋がりといったものが結集していく 第3章のクライマックスは、特に読み応えあり。 アニメと言えば、「スロウハイツの神様」より懐かしい人が再登場。相変わらずのカッコ良いムーブで、最高でした。こういうの、もっと欲しいです。 映画の方は原作より先に鑑賞済みで、読了後に改めて観ましたが、配役など、完成度が高かったです。 あと、かつて観た「SHIROBAKO」というアニメを 思い出しました。
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