木曜日にはココアを の商品レビュー
+++ 僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙...
+++ 僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。 +++ 登場人物もエピソードも、何ひとつ無駄がなく、点と点が見事にひとつながりになっている。次の話しでは、誰が誰とどんな風につながっているのだろう、という興味でどんどん愉しくなっていく。じんとしたり、ほろりとさせられたり、微笑ましく眺めたり、それぞれの物語もしっかりしているので、なお愉しめる。ただ、ひとつ気になったのは、「等親」という言葉。ない言葉ではないと思うが、「親等」の方がずっと一般的ではないだろうか。それとも何か意図があって、使ったのだろうか。いささか気になった。それ以外はとても愉しい一冊だった。
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僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。 必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。 僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。 ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。 心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。 主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。 厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。 誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。 銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。 人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。 (アマゾンより引用) オムニバス形式の短編集。 めっちゃ良かった!! 1編読むたびに、「あ~っ」ってなる。 最後の1編が最高の締まり方。 この絶妙な人の繋がりが素晴らしい。 ほっこり気分になれる1冊。
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僕が働く喫茶店に、木曜日に同じ席でココアを 頼む不思議な常連さんがいる。ある木曜日、 その女性の様子がおかしくて…。 東京とシドニーをつなぐ12色の物語。
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