ルビンの壺が割れた の商品レビュー

宿野かほる(著者)

2018/03/10

若い知人が、読んでみて、と持って来た本。
ただ、その人も、「面白いんだけど、何と言ったらいいのか･･･」と、うにょうにょ言っていた。

かつては婚約者の間柄だった男女。
男がフェイス・ブックで女の存在を知り、やがて二人の間でメッセージが取り交わされる。
結婚式の日、なぜ彼女は突然姿を消したのか？
それが次第に明かされていく。

一読して、その「うにょうにょ」の理由を了解した。
たしかに、読みやすいし、ストーリー・テリングが巧み、と言えるだろう。
繰り返されるどんでん返しの楽しさはあるのかな。
SNS上のメッセージに枠づけられた語りというのも、そういった筋を運ぶのにうまく使われている。

でも、読み終わって殺伐とした感じしか残らない。
人間の暗部を暴くのが目的だとしても、何か下世話な関心を満たす程度のものでしかない。
う～ん･･･。
まあ、自分では決して選ばない本を読む経験ができて、よかったと考えようかな。

2018/03/06

二人のメールでのお話で物語が進む。

水谷一馬　と　美帆子　という二人のメールのみで進む話。
もともと、結婚直前まで進んでいた彼等。
が。
結婚式当日に新婦　美帆子　が姿をくらます。
数年後、関西に居ることを風のうわさで聞くが。

何故、美帆子は姿をくらませたのか。
真実はとてつもなくエグい方向へ。
FBのなんとなくの一枚の写真から、一馬は美帆子と断定してメールを送る。
一馬としては何処に居るのか聞くが答えない美帆子。
そして物語は　結婚式場に現れなかった美帆子　への真実へ。
一馬の過去。
義妹との許嫁だった過去。
義父と義妹の肉体関係。
そして。
美帆子の大学との両立する職業「ソープ嬢」。
コレを知って一馬はロリへと走る。
その加速度的は劇的。
一馬の「処女」に対する神聖は完全にロリコンへと。
そのロリに選ばれし女の子は行方不明。

一馬は捕まって尚、自分が悪くなく、彼女達が悪いと。
自分の正当性だけを信じて刑務所で過ごしていた。
そして。
この現況を作ったとずっと信じていたのであろう義妹が失踪。

メールの　とっとと死にやがれ、変態野郎！　の一文。

コレが凄く効いてる。

ものすごく読みやすく、今時っぽくて、面白かった。
ガーッと読めます。

2018/03/04

読後感がもやもや気分悪いという点ではイヤミスと呼んでもいいかもしれないけど……ミステリとしてのレベルは低い。というより、小説としても低レベル。
ラストが衝撃的❗とか煽っていたけれど、大したことなかった。男「水谷さま」の自己中心的な性格はどんどん自己弁護につれて最低なことが分かるし、ラストが来る前には、コイツ誰か殺してても驚かないな、ぐだぐだ不幸ぶってるからせっくがらみだな、というくらいの予想はできる。
こんな男の自己陶酔した前半生をだらだら読まされて、何の意味があるんだろうと思った。
「未帆子」が、また、何を考えて、SNSの文通に付き合っていたのかが、不明。新たな犯罪の影に気づいたなら、とっとと警察に連絡するなりすればいいのでは。彼女の最後のセリフ=ラストは、別に衝撃的でも何でもなかった。

時短小説という説明だけが、正解でしたね。

2018/03/04

賛否両論ある書のようですが、私は先が楽しみで仕方なかった。
読む度に彼女の気持ちの背景が知りたいとワクワクしました。かつて恋人だった彼らの昔話・背景・理由。

『わたしはあなたに抱きしめられて、喜びに震えていました。キスされて、全身がとろけました。（文中より）』

そんな恋をした人となぜ離れてしまったのか。
こんがらがった紐を解いていくと、意外な真実に『えーーー』となりました（笑）。

賛否両論ある出来事ってそれだけで価値があるとわたしは思う。だって、自分の価値観を素直に投影できるから。ぜひ感想を言い合いたいです(*´꒳`*)

2018/02/28

結末が知りたくてあっという間に読みました。意外な結末でしたが、なんだかスッキリしない。感動を期待してたのかもしれません。

2018/02/16

あまりに内容が凄すぎてタイトルがつけられないからタイトルを公募するために無料公開した小説。

SNSのやりとりで物語が進みます。
あまり本を読まない方には逆に読みやすいんじゃないかな。
やりとり系って説明が不自然になる場合が多いので私はあまり好きじゃないんだけど。

普通に面白いけど、ちょっと周りが煽りすぎた感はあるかな。
そこまで褒める？っていうのがあって引いてしまった。
読む前にハードル上げすぎなので★３で。

2018/02/10

他人同士のfacebookのメッセージを読んでる感覚
現代の身近でありがちな題材と流れ
そして最後の最後の言葉
もう最高としかいいようがない
しかも数時間で読み切れる
これは面白い！
まぁつっこみどころもあるけど、きにならない程度ｗ

2018/02/08

所詮男なんて未練がましいものなんだろう。しかもあんな切ない別れをしたなら尚更だろう。
やっと見つけた彼女に、長年の想いをぶつけたメールを送る。3年が経ち待ちに待った返信からお互いが少しずつ近づいていく。どんなエンディングになるのと読み進めていくうちに、何か変だと思い始める。お互いが何かを隠しているようだが、それが何かわからない。メール交換が進むにつれ、それらが少しずつ明らかになっていく。
しかしだ、こんなエンディングになろうとは全く持って思ってもみなかった。最後の数ページ、そして最後の一言、強烈である。

全編、メールのやり取りだけというのは新鮮だった。

2018/02/04

うーん、やっぱりこんな感じか…というのが読後の感想。いい暇潰しになったか？で言えばYESかもしれないが、本を読むという娯楽に求める面白さか？でいうとNO。なんか2チャンネルで上がってそうなレベルの話。ただそれだけかな。

2018/02/01

かつての婚約者と、SNSを通してやり取りをする中年の男女。そのやり取りから、互いの過去が徐々に明らかになっていく。

発想はいいけれど、読者を驚かせたいと盛り込んだ要素ありきの、それも手垢のついたものの寄せ集めで、あらすじを読んでいるかのような味気なさ。わざわざ図書館で予約した理由も、記憶にないのだけれど、う～ん。