1,800円以上の注文で送料無料

R帝国 の商品レビュー

3.5

102件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2020/02/21

全体的にすっきりしなかった話でした。 人類の闇を表現した内容だろうか。 最後まで戦い切ったが、お先真っ暗闇ということでおしまい。 幸せな物語を読みたい私にとってはいまいちでした。

Posted byブクログ

2020/01/17

小説としては微妙だがメッセージ性があって、今の日本や世界を考える上で有用な本だと思った。例えば、事実がつまびらかになっても、抵抗の意思を示さない国民や愚民化、移民への敵愾心、自己責任論などは現代批判的な要素があるのだろう。

Posted byブクログ

2020/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本は色んな読み方があると思った。 あとがきより、 現実の何を風刺しているかすぐにわかるもの、何を風刺しているか、一見わからないもの、風刺ではなく、根元を見ることで、文学として表現したものなど、濃淡を帯びながらグラデーションのように、様々に物語の中に、入っている。 とある。 読んでいてひしひしとこの事を感じた。 絶対これでしょ!みたいな直接的な表現を用いたもの、現実の何の事か直接的には書かないが、恐らく現実で過去に起こったあの事を言っているのだろうという事がたくさん出てきてとても楽しめました。 他のレビューでR帝国は現実のどの国なのか結構意見が割れていたので私も書いてみますw R帝国は中国と戦時中の日本と今の日本とナチスドイツを混ぜたような国だと感じました。 国といっても様々な面から見る事ができますが、あくまで政治体制、現実世界の歴史から見た過去の過ちの面でです。 現実のこの事件、問題を言っているのだろうという事を、読んでいて気づいた範囲(あっているかは著者にしかわからない) AIが人間の頭脳を超したときにどう使うか ビッグデータの便利さと怖さ ロシア牽制でアフガニスタンに武器を送ったアメリカ 天安門事件 中国の一党独裁による国民監視社会体制 戦争をする国を支援する国が現れて規模がでかくなる構図 その支援によって莫大な利益が出ること イスラムの宗派対立 NATOとユーゴ ホロコーストの大虐殺 陸軍中野学校から沖縄県の子どもをゲリラ兵士に変えるために送られた日本人スパイ トルコからギリシャにボートで避難のため密入国する中東の難民 十字軍 人工知能戦闘機 外国人労働者問題 人権問題 マスコミの報道の自由とは 忖度 トランプ大統領の緊急事態宣言を使った壁建設 少子化問題 政治家の失言による任期が短過ぎる事 軍需産業の闇 戦争の民営化、ビジネス化、AI参入 軍需産業の大きすぎるお金の動き、それによって莫大な利益を出す国、会社がある事 戦争ビジネスで儲かる額があまりにも大きすぎる事 台湾と中国共産党の関係性 オメラスの理想郷 情報統制、情報規制の恐ろしさ 日本の戦争時における国家神道 LGBTQ あくまで中村文則さんが言いたかった事ととは違う解釈をしてしまったかもしれないし、あっているかもしれない。 それは参考文献がわかればある程度は判明する。 けれど著者は、あっているもあっていないも関係無くて、日本の事もっと考えようよ! 世界の事もっと知ろうよ! 今の政治、右傾化してるけど大丈夫? 承認欲求ってそんなに大事? など この現実世界について、半径5メートルより1メートルでもいいからもう少し規模が大きく考えたら世界はもう少し良くなるのでは?そして、まずは日本の事をしっかり考えようときっかけを作るための本なのかもしれない。 今、憲法9条の事がテレビやネットで論争になっていますが、憲法を変えるのも変えないのも国民投票で過半数が必要なのでその面から考えてもこの本は大いに考えるきっかけとして大いな価値があると私は思う。

Posted byブクログ

2019/12/20

救いのない物語。でも読む手は止まらなかった。 ひどく現代を風刺した近未来の物語で、作者のあとがきにもあるように、良心のある人物は数名しか描かれていない。  本著のキーワードは全体主義。本来民主主義とは対立的であるはずの政治思想を、上手くR帝国の影の部分(物語のメインであるが)と...

救いのない物語。でも読む手は止まらなかった。 ひどく現代を風刺した近未来の物語で、作者のあとがきにもあるように、良心のある人物は数名しか描かれていない。  本著のキーワードは全体主義。本来民主主義とは対立的であるはずの政治思想を、上手くR帝国の影の部分(物語のメインであるが)として描いていた。  ハンナ・アーレントが書いた「全体主義の起源」の感想を見ていると、次のような文があった。  “全体主義が起こるまでの流れに触れると、ナポレオンの登場によって国民と国家を一体のものとして捉える「国民国家」の概念が広まった。それによって国民の同質性を求める流れから、異分子排除のメカニズムである反ユダヤ主義が生まれる。そして絶えず領土の拡大に野心を燃やす帝国主義が人種主義という流れを作り、何ら政治的な意志を持たない大衆たちに擬似的な世界観を見せる「全体主義」が生まれた。つまり、全体主義は外から生まれたものではなく、元々近代ヨーロッパが抱えていた矛盾によって、内側から生み出されたものであると著者は記している。”  国民に同質性を求め、擬似的な世界観を与える。帝国主義、人種主義、全体主義。それらが民主主義の国家から生まれ得ると言う恐怖を感じた。  何が善か悪かは誰もわからない。それは立場や環境、歴史や信仰によっても大きく異なる。この物語を読んでただ“党”が悪かったという感想で終わりたくないと思った。彼らにも彼らなりの善があり、熱狂する国民たちにも一人一人の善がある。ただ、それは自分で見て聞いて感じたことなのか、周りに流されているだけじゃないのか、それは自分のなりたい姿か、行動を起こす前に最後に一度自分に問いかけようと思う。  「幸福に生きることと、正しく生きることは違う」心に刺さった言葉。全てを捨てて同質化した生が幸福かどうかも、これもまたわからないなと思うが。

Posted byブクログ

2019/10/12

2019.1012 63 歴史的な台風がきているときに読了。 2017年の作品であるが、遠くない未来の姿が描かれているような気がした。重たくて暗いテーマの中に、aiや監視社会的な要素もあって、すぐに読んでしまった。 中村文則の作品は、極限の中での感覚、人間の汚い部分?汚いというよ...

2019.1012 63 歴史的な台風がきているときに読了。 2017年の作品であるが、遠くない未来の姿が描かれているような気がした。重たくて暗いテーマの中に、aiや監視社会的な要素もあって、すぐに読んでしまった。 中村文則の作品は、極限の中での感覚、人間の汚い部分?汚いというより本質的で、本質的であるが故に直視したくなく、蓋をしているような部分を、こじあけて、目の前にさらして、その中で物語が進んでいくように感じる。 救いがないけれど、それでも、前に進まなければならない。

Posted byブクログ

2019/10/09

終始心がざわつく 心に突き刺さる言葉、風刺の連続 自分もその一部と認めざるを得ない部分がいくつもあった 希望が見えない物語なのに読む手が止まらない 自然と色々な感情が湧き、考えさせられる

Posted byブクログ

2019/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[感想] 今より遥か未来の話のようで、数年後の日本の話のようにも感じ、今の生活を考えさせられた。 なかなか、期待するような展開にならず、読み続けると暗くなっていく。 終盤においても、この先にハッピーと感じるものが続くようには思えなかった。 今の日本もそうなのかもしれないと感じさせられる。 携帯ばかり見続ける現代人の未来は変わらないだろう… [登場人物] サキ 矢崎 アルファ 栗原 片岡 加賀 [組織] R国 矢崎、栗原のいる国 R会議 加賀 早見 B国 R国と戦争中 独裁国家 Y国 R国から離れた国 G国 Y国と戦争状態 革命グループL R国を転覆させ、独裁政権をつくろうとした [アイテム] HP ヒューマンフォン AI搭載の携帯電話 [言葉] わざわざ他人にアピールしなければ、自分を幸福と思えない人達。自分も含め、人の目ばかり気にしてしまう人達。 常に何かが気になり、常に"接続状態"でないと落ち着かないというのはそもそも個としての存在の不安の表れなのだ。 ぼんやり考えることより何かに気を取られることを人々は望むようになった。

Posted byブクログ

2019/09/10

陳腐な書き出しで始まる。 果たして、面白いのだろうか? レビュー 文章が、質の悪い推理小説のように、読み易すぎる。 主人公が住む都市。 畑が広がる島国である大R帝国の最北の島の地方都市、コーマ市。 登場人物 矢崎 栗原 Y宗国 ストーリー 戦争が始まる。 コーマ市では...

陳腐な書き出しで始まる。 果たして、面白いのだろうか? レビュー 文章が、質の悪い推理小説のように、読み易すぎる。 主人公が住む都市。 畑が広がる島国である大R帝国の最北の島の地方都市、コーマ市。 登場人物 矢崎 栗原 Y宗国 ストーリー 戦争が始まる。 コーマ市では、ネットにアクセスできなくなる。 Y宗国が、ビルを破壊。

Posted byブクログ

2019/08/26

右派系帝国主義的なるものの台頭とテクノロジーの進歩と現代に生きる人間の業を、合わせて当書が発刊された2年前に言い当てていて、2019年の今以てしてもさらにこの書で書かれている状況に近づいているとしか思えない恐ろしさよ。まさしく正しく中村文則は日本の現代作家なのだと思わされた。

Posted byブクログ

2019/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今まで読んできた他の作品たちに比べて、とても読みやすく感じた。 物語は「朝起きたら戦争が始まっていた」で始まる。 何の危機感も持たない登場人物たちが、自分と重なる。 戦争と宗教、沖縄戦、911、移民、ヘイトスピーチ、AI、原発… 「人が欲しいのは真実ではなく半径5メートルの幸福だ」 そうだろうな…と思う。 あの対戦の時、自分が生きていたとして、この戦争は間違っていると口にできる人間には絶対になれなかっただろう。 自分がラストのあの情報を知ったとして、やはり信じられないだろう。思考停止して、自分の信じたいものしか見ないのではないか。 少し前に選挙があったけど、考えさせないようにしてるのかな…と思ってしまう情報の少なさと中身のなさ。 でも、あとがきの言葉を見て、何か申し訳無いけど共に生きる一員なんだよな…と思った。 チンパンジーにはなりたくない。

Posted byブクログ