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日航123便墜落の新事実 の商品レビュー

3.7

70件のお客様レビュー

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2018/02/06

 著者は東京大学大学院を卒業、現在は大学や専門学校で教鞭をとっているが、日航123便が御巣鷹山に墜落した当時は、日本航空客室乗務員、当時の呼称でスチュワーデスだった。この事件では(「事故」と呼ぶのはためらわれる)機長をはじめ、勤務中だった乗務員は全員亡くなったが、彼ら、彼女らは、...

 著者は東京大学大学院を卒業、現在は大学や専門学校で教鞭をとっているが、日航123便が御巣鷹山に墜落した当時は、日本航空客室乗務員、当時の呼称でスチュワーデスだった。この事件では(「事故」と呼ぶのはためらわれる)機長をはじめ、勤務中だった乗務員は全員亡くなったが、彼ら、彼女らは、著者のよく知る先輩であり、友人であった。本書は著者が、当時日航に勤務していた者の責任として、また、尊敬していた先輩たちへの恩返しとして、いくつもの疑問を多く残したまま風化させられようとしているこの事件を丹念に調査し、後世にきちんと伝えるべく著わした記録である。  この事件は、墜落の原因そのものの調査がきちんとは行われておらず、墜落機の発見を意図的に遅らせ、救えたはずの命を見殺しにしたように思える疑いが濃厚と言われている。それを「陰謀論」と軽く片付けるには不可解な点が多すぎることを、本書は説得力を持って語る。例えば、墜落したとされる場所が二転三転したのは、現場の特定が困難だったからとしながら、実は墜落後ほどなく現場を発見していた米軍機は救助を行わず引き返すよう指示されているし、123便を追尾する2機の自衛隊機が何人もに目撃されている。ここまでは他の関連書にも書かれていることだが、本書で注目すべきことは、著者が小中学生の文集に着目したことである。  墜落現場である上野村の小中学校では、事件が子どもたちの後の人生に活きるよう、また、犠牲者への供養となるよう、その日見たこと、感じたことを生徒が書き、それを文集にまとめていた。「小さな目は見た」(小学校 148名分)、「かんな川5」(中学生 87名分)の2冊である。この手書きの文集の記述は信頼できる。詳しくは本書を読んでほしいが、子供たちが、記憶が鮮明なときに書いたものは正直であり、何らかの意図を持って事実を曲げて書くことなど、まずありえないからである。  著者は、事実はこうであったという結論は述べていないが、子どもたちが書き残した証言を参考に、これまで指摘されてきた不可解な点をさらためて検証すると、恐ろしいことが、大変現実味を帯びて浮かび上がる。 最後に、著者の思いを引用しておく。  「この事件で命を落とした人への供養は、まだ生きている関係者が「真実を語ること」、それだけである。そして私たちに出来ることは、長い歴史の中で一時的な政権に惑わされることなく、それぞれの場でゆがみのない事実を後世に残す努力をし続けることではないだろうか」  是非とも一読を。

Posted byブクログ

2018/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

えっ、いきなり事件性帯びてきた? もし、これがほんとなら(普通の墜落事故では検出されないタールがの存在、米国のファントムと赤い物体を見たという多数の目撃者) 不完全の修理まま飛行を続けてきたボーイング社の誠に不幸な墜落事故ではなかったのか。 この本が出版だれた以上、徹底的に調べてほしい。 でないと遺族がうかばれない。

Posted byブクログ

2018/01/21

なぜそれが起こったのか解明して、同じことが起きないためにどうしたらよいのか考え行動するのが文明社会ってもんだと思うけど、私の生きているこの国はどうなんだろうか。

Posted byブクログ

2018/01/20

1985年に起きた、日本航空機墜落事故の原因を追究する本。日航機墜落事故については何冊もの本を読んできた。 一番最初に感じたのは、なぜ33年経った今出版したのか、ということ。著者は事故当時日航のスチュワーデスだったことで、特別の思い入れがある。それは理解できるが、亡くなった方たち...

1985年に起きた、日本航空機墜落事故の原因を追究する本。日航機墜落事故については何冊もの本を読んできた。 一番最初に感じたのは、なぜ33年経った今出版したのか、ということ。著者は事故当時日航のスチュワーデスだったことで、特別の思い入れがある。それは理解できるが、亡くなった方たちの中で、同僚の死にフォーカスしすぎ。気の毒とは思うが、それが仕事で危険を承知で乗っているのと、たまたま乗り合わせた乗客と、どちらがよりかわいそうか、比べるだけナンセンス。同僚の最後の仕事ぶりを讃えるところは、とても感情的に書かれている。 確かに、30年以上前に起こったことを調べ上げる執念はすごい。ただ、膨大なリサーチをしたものの、それがうまく構成されていない。人から聞き取った箇所も意味がわかりづらい。 最後に事故原因の仮説が出てくるが、衝撃的で驚愕した。個人的には痛みにあえぐ人々を無視して、証拠隠滅をわざわざしたとは到底考えられず、関係者が聞いたら不快だろう。こういう大規模な事故や天災へのトップの対応は、後から必ず問題視されるが、擁護するわけでもないが、彼らだって初めてでやむをえない部分もあろう。 当時子供だったが、それはショッキングで、事故の甚大さを改めて認識した。

Posted byブクログ

2017/12/31

日航機墜落の時、大学生だった。 原因は、政治的な決着の結果、ボーイング社の修理ミスという事になったと聞いた。 真実は自衛隊の地対空ミサイルの誤射だったのではないかというのが著者のたどり着いた結論。 しかし、事実の追い方に納得感がなく、記述も甘いと思う。誤射の可能性を感じさせたのは...

日航機墜落の時、大学生だった。 原因は、政治的な決着の結果、ボーイング社の修理ミスという事になったと聞いた。 真実は自衛隊の地対空ミサイルの誤射だったのではないかというのが著者のたどり着いた結論。 しかし、事実の追い方に納得感がなく、記述も甘いと思う。誤射の可能性を感じさせたのは認めるが、ドキュメントとしてはいかがなものかと疑問が残る。

Posted byブクログ

2017/12/25

当時はまだ生まれたばかりで実際のニュースは知らないが、ある時このことを知ってから本やネットで色々と調べたり、題材にした映画などもみました。 今回のこの本は、終始力強い言葉で、筆者の鋭い眼差しを感じる…そんな印象が常に感じられた。 当時の事故、ではなく、事件を風化させまいと、本...

当時はまだ生まれたばかりで実際のニュースは知らないが、ある時このことを知ってから本やネットで色々と調べたり、題材にした映画などもみました。 今回のこの本は、終始力強い言葉で、筆者の鋭い眼差しを感じる…そんな印象が常に感じられた。 当時の事故、ではなく、事件を風化させまいと、本当に細かに様々な方のインタビューや関係機関の動向を時系列にまとめている。 日本の報道については、たびたび疑問を感じていたので、ジャーナリズムや正しい報道というものと合わせて、このことの真実がいつか明らかになればと思った。

Posted byブクログ

2017/12/03

文字の記録がたくさん存在していることに驚いた。 著者の前書を読んだ当時の山下運輸相が連絡してきたという事実も重い。 墜落の真因が明らかになることがあるとすれば、米国の公文書が公開された場合? それまでは飛行中の状況は推測するしかないけれど、墜落してから一晩墜落地点を隠蔽した...

文字の記録がたくさん存在していることに驚いた。 著者の前書を読んだ当時の山下運輸相が連絡してきたという事実も重い。 墜落の真因が明らかになることがあるとすれば、米国の公文書が公開された場合? それまでは飛行中の状況は推測するしかないけれど、墜落してから一晩墜落地点を隠蔽したことは、間違いがないようだ。 中曽根の言動はいまさら呆れるまでもないけれど、日航の本社の、現場対応に送り込んだ社員への処遇は、聞きしに勝る。

Posted byブクログ

2017/11/21

 陰謀説であろうと、単なる事故であろうと今この時点では本当の真実は表に出てこないだろう。  事故にあった犠牲者とその遺族に対し何をもって終わりとなすかという点がうやむやになりかねない。これが俗にいう陰謀論であるとするならばこれをただ単に否定するだけでは遺族は浮かばれないだろう。...

 陰謀説であろうと、単なる事故であろうと今この時点では本当の真実は表に出てこないだろう。  事故にあった犠牲者とその遺族に対し何をもって終わりとなすかという点がうやむやになりかねない。これが俗にいう陰謀論であるとするならばこれをただ単に否定するだけでは遺族は浮かばれないだろう。  その裏に隠された真実はもう表に出ないだろう中ここまでの証言等をまとめ上げた資料的価値のある本もこれ以上の真実は暴くことはできないと思う。  米軍か自衛隊かはたまたその両方かがかかわっているだろうという疑いは決して晴れることはない。

Posted byブクログ

2017/11/06

日航機123便 御巣鷹山墜落を扱ったノンフィクション。 様々な証言や状況証拠を提示した本。 いわゆる、陰謀説 を疑った作品とは違って 客観的な主張がメインのため、真実性が高いと思う。 小中学高の文集は特に重要だ。

Posted byブクログ

2017/11/04

当日の報道や確実な目撃証言をもとに墜落を再現。 上野村の小学校、中学校の文集などから丹念に事実を収集する。 事故後33年、その間に日航が破綻、再生を経験したことに時間の流れを感じる。

Posted byブクログ