表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 の商品レビュー
文章を読んでて、ラジオの若林の姿が浮かんだ。文体や口調にここまで本人が現れてくるか!と思った。 私は旅行が好きで、いわゆる秘境も含め色んな所に行ったけど、東京から逃げ出したい、とか1人になって現実と向き合いたい、とかそういう理由を持って旅をした事がないから何だか新鮮だった。 ...
文章を読んでて、ラジオの若林の姿が浮かんだ。文体や口調にここまで本人が現れてくるか!と思った。 私は旅行が好きで、いわゆる秘境も含め色んな所に行ったけど、東京から逃げ出したい、とか1人になって現実と向き合いたい、とかそういう理由を持って旅をした事がないから何だか新鮮だった。 自分は旅行中知らない街を散歩する時、一体何を考えてたのかな、、
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タレントが書いたエッセイと思っていると痛い目に遭う。 まず自分を表現する文章がうまい。 単なる読みやすさとか、表現力ではない。 自分の感情というか、日本という(いや多分東京かも)環境の中における、若林正恭という芸人の取り扱いというものを、第三者的に醒めた目で俯瞰して見せて、それで...
タレントが書いたエッセイと思っていると痛い目に遭う。 まず自分を表現する文章がうまい。 単なる読みやすさとか、表現力ではない。 自分の感情というか、日本という(いや多分東京かも)環境の中における、若林正恭という芸人の取り扱いというものを、第三者的に醒めた目で俯瞰して見せて、それでいて虚無的でなく、読む側に少しだけ共感を求めるような、「あなたもそんなとこあるでしょ?」という感じで進んでいく語り口がすごい。 基本的に独白調なのだけれども、自分の中なら特に説明も不要で、あえて説明もしないような感じ方、感性をちゃんと説明しているのだ。 個人的に興味を持つのは、この文章をスラスラと書き綴るのか、何度も何度も書き直すのか?というところかな。いや、どっちがいいという話ではなく、単に興味だけど。
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自分はこの頃、エッセイ本やそれ系統の本を読むことが多くなっていて、この本もそういった何かこちらに訴えかけるような本なのではないかと読む前までは思っていました。ですが、読めば読むほどそう言った考えは消えていきました。自然と自分の中にすっぽりと落ちるようにとても自然に読むことができて、若林さんと一緒にこの旅を歩んでいるような感覚を抱きました。自分が密かに求めているものがこの本の中にあったように思いました。
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そうだ、キューバへ行こう 突如取れた夏休みに、偶然1席だけ空いたキューバ行きの飛行機、キューバへ行く理由はそれだけで十分だった。 社会主義と資本主義のどちらの元で生まれた方が幸せだったか、それを確かめに行く旅かと思っていた。 最後まで読むとキューバでなければいけない理由が...
そうだ、キューバへ行こう 突如取れた夏休みに、偶然1席だけ空いたキューバ行きの飛行機、キューバへ行く理由はそれだけで十分だった。 社会主義と資本主義のどちらの元で生まれた方が幸せだったか、それを確かめに行く旅かと思っていた。 最後まで読むとキューバでなければいけない理由があった。キューバ以外では務まらない旅だった。その理由に少し心が洗われた。
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ゲバラのことは(うっすらと)知ってるけど カストロ(議長?)のことはよく知らない。 自分にとって如何にキューバが遠い国なのか この本を読んで思い知った。 それでもモヒート的な味の飲み物は好きだったりするので 知れば遠い国ではなくなるのかもなーなんてちょっと思った。
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2020.8.29 あーやっぱり若林さんの本すき、とあらためて。 人間の面倒な部分とかを、それでいいやと少し思えるような。 旅に出て感じる感性は人それぞれ。 ばばばっと一気読みしてしまったけど、もう1回読み直したい。
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「このシステムを相対化するためのカードを一枚手に入れるのだ。」 「おしゃれな服を着たい、という欲求が人間にデフォルトで備わっているということ」 「元々人間は競争したい生き物なのかもしれない」 「死ぬ直前に食べたくなるようなものが、コンビニですぐ買える世界にぼくたちは生きているんだ。」 何不自由ない日常に埋もれ、小さな違和感に目をつぶって生きているうちに、歳をとり、感受性を失っていく。 知った風な顔で小器用に世渡りをしているうちは、彼のように世の中や人生の本質に近づく濃密な一人旅は出来ないだろう
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ラジオで話していた内容だったが、より詳細に説明があってラジオリスナーとしては、映画を観た後に原作を読んで興奮するような感情になった。 最後の章で描かれていた父親との話を読んで、自分が思ってるより若林さんは父親を愛していることを知った。 自分は家族に対してそこまで本気で愛せている自信はないし、これからも関係性が変わっていくのか分からない。もっと家族の時間を作らなくてはと感じさせられた。
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「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」 声に出して読みたい文字列、タイトルからセンスが絶妙すぎる、めっちゃ読みやすかったし丁寧だったし面白かったし考えさせられたしにやにやできたしエモかった 『5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れ去ってくれ。…ぼくは今から5日間だけ、灰色の街と無関係になる。』 『…目覚めると飛行機は着陸態勢に入っていた。眼下に深夜の暗い夜に浮かぶキューバの島が見えてきた。日本とは比べものにならないほど明かりが少ない。夜に経済活動をするための明かりではなく、眠るまでの明かりであることが上空からでもなんとなくわかる。空の上からでもキューバが資本主義ではないことが伝わってくる気がした。不気味なダークホース感。機体は暗い滑走路に吸い込まれると、乾いた衝撃が腰から伝わってきた。速度を落としゆっくりと自走する飛行機は、あまり整えられていない芝生の間の誘導路を行進していく。ついにキューバに到着した。』 『けど、ぼくはきっと命を「延ばしている」人間の目をしていて、彼らは命を「使っている」目をしていた。』 臨場感、着眼点、伏線回収、表現力がすごい、なにより答え合わせが気持ち良くてカタルシスがあってよかった、構成力まじですごいなあ 社会主義の国には広告がない 看板やモニター越しにギラギラに押しつけられる無限の選択肢に囲まれた資本主義大都会と、目の前の日常だけを信じて生きていける 色とりどりでほこりっぽいクラシックな街、セレブ犬と野良犬、どっちが本当の意味で自由なんだろう ちょっとズレるけど、「人間は自由の刑に処せられている」って言葉を思い出した あととにかく自分もひとりで海外旅行行かなきゃと本気で思った 追記 文春文庫の方も読んだ 何か一つのものに半端ない自分だけの興味を持って駆り立てられるように異国の地に向かうのすごくいいなあ ガイドブックに遍く載っているようなパッケージ化されてお膳立てされた魅力に惑わされるとか、得体の知れない概念としての「国」になんとなく行ってみたいとかじゃなくて、その土地にしかない実体を持った何かに引き寄せられて自分だけの文脈で血の通った出逢いを掴み取る力 まさに『血の通った関係と没頭』だ 『ずっとぐじゅぐじゅしてて、熱くて、抑圧されていて、でもある瞬間、誰もが口を開けてどん引きするぐらい吹き上げて一瞬で空に消えて行っていいならば、ぼくがずっとぐじゅぐじゅして抑圧されて恥ずかしいから熱い部分を隠していることも、これから死ぬまでずっとそうであることも救われる。そして、自分でそれを肯定できる。』
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オードリー若林さんのエッセイ。 ガイドブックには載ってない濃厚なキューバを旅した気分になれる。 若林さんのすごいなと思うところは、小さいことにも疑問を持って自分なりの答えとか納得を見つけているところ。社会主義と資本主義の差をキューバ人の暮らしや生活から感じ取るなんてなかなかでき...
オードリー若林さんのエッセイ。 ガイドブックには載ってない濃厚なキューバを旅した気分になれる。 若林さんのすごいなと思うところは、小さいことにも疑問を持って自分なりの答えとか納得を見つけているところ。社会主義と資本主義の差をキューバ人の暮らしや生活から感じ取るなんてなかなかできないと思う。 資本主義の競争社会の中で、一番の味方は家族とのこと。争わなくてよくて自分を任せられるのは確かに家族なのかもしれない。 こういうこと考えて、結婚した若林さんの奥さんってほんとに安心感を与えてくれる人なんだろうなと思わずにはいられない! イーグルス『Take It Easy』を聴きながら最後浸る。
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