こいしいたべもの の商品レビュー
食べ物と人の思い出一つ一つが具体的でなんだか羨ましく思う。京都の手土産のエピソードやコロッケパン、沢村貞子さんのエピソードが印象的で良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前作「いとしいたべもの」は読んだときそんなにピンときませんでした。読んですぐ手放してしまいました。けれど今作はスラスラと楽しく読みました。なぜだかわからないです。 好きな作品は3つ。 「小さなものにこそ、心を籠める」 茶道を習う著者。四季折々の珍しいお菓子を取り寄せてくださる先生。いつも驚かされるが、逆に先生を驚かせたいと思って著者が京都から張り切って買ってきたものは落雁。暑い夏の盛りのことで、もう少し涼しげなお菓子はなかったのかしら、あなた、なんの勉強をしてるの?と先生に言われてしまう。そうそう、茶道ってそういう世界だよなぁ。私は高校生のときに茶道部だったのでこの手厳しさというか、妥協しないというか、ときに傷つくことがあるんだよなぁと少し苦い思い出と共に読みました。その後著者は「練習だ」と奮い立ち、努力して先生に「このお菓子、どこで知ったの?」と言わせるまでになります。いいお話。 2つ目は、その次に出てくるお話、「父と焼きビーフン」。焦げたくらいを喜ぶお父さん。若い頃から胃潰瘍を患っていて食が細いが、ビーフンのときばかりは旺盛な食欲を見せる。私もビーフン大好きなので、楽しく読みました。 3つ目は、「コロッケパンは自由の味」。いつもお母さんの作るお弁当を持って行っていた給食のない小学校時代。クラスメイトにはお母さんがお弁当を作る時間がないために校門の脇のパン屋さんで美味しそうなコロッケパンを買う。著者はそれが食べたくて食べたくて仕方がない。でも、お弁当を作ってくれるお母さんに悪くて言い出せない。わかるなぁ。そんなある日、お母さんが風邪を引いて寝込んでしまう。その日だけはコロッケパンを買って食べる著者。お母さんへの小さな後ろめたさをも感じながら、でもおいしく味わう。 以上3つの話が好きで、この本はずっと取っておくと思います。
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記憶の中の、美味しい食べ物が、未来の自分を支えてくれることがある。 じんわり、じわじわ、優しい気持ちになるエッセイだった。 挿入されるイラストも本当に優しく温かい。 心のお守りになるような一冊。 「いとしいたべもの」も、今すぐ読みたい!
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食べ物の記憶ってその人の記憶だったりする。 あんなに美味しかったものも あんなに苦手だったものも いま振り返れば一緒にあった記憶の味かもしれない。 誰かと何を食べたことを覚えているって すごく幸せなことなんだ
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この時代の料理のあたたかさが挿絵からも伝わりました。あたたかくて豊かな時代だったんだろうなぁと味わいました。
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『いとしいたべもの』の続編。 森下典子さんの22の味の思い出がエッセイと素敵なイラストで綴られています。 今回の表紙のホットケーキのイラストも おいしそうで大好きです。読み進めていくうちに、自分の子どもの頃のたべものの思い出を懐かしく思い出しました。 「かっくまらの鳩サブレー」「...
『いとしいたべもの』の続編。 森下典子さんの22の味の思い出がエッセイと素敵なイラストで綴られています。 今回の表紙のホットケーキのイラストも おいしそうで大好きです。読み進めていくうちに、自分の子どもの頃のたべものの思い出を懐かしく思い出しました。 「かっくまらの鳩サブレー」「一筋の梅の香り」「父と焼きビーフン」「中学受験、合格発表の日」「ちびくろサンボのホットケーキ」など、よかったです。
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メモ 太宰府 清香殿 卵白の半生菓子 梅の時期 6月 末富 上生菓子 沢辺の蛍 7月 琥珀色の寒天 ハマグリ 京都 9月 清水五条 高台寺観月茶会 虫の音 大船軒 鯵の押寿し 紫と黄緑縞模様 鎌倉駅 横川駅 峠の釜めし 横浜元町 喜久屋 チョコレートケーキ
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『いとしいたべもの』は読んでいて楽しい気持ちになった記憶があるけど、こちらはしんみり、ほろ苦い話が多かった気がする。思い出も色々あるよね。
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作者の食べ物をベースとした 思い出が綴られたエッセー。 お話もカワイイのだけど、 挿絵がまたカワイイ! ほんわり、優しいタッチで 話を彩りを添えてくれてます。 ホッとしたい時、な、一冊。
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食べものに対する描写がとても詳しく、美味しそうで、こちらも同じ物を食べたくなる程だった。またイラストも温かく、次はどんな挿絵かな〜とページを捲るのが楽しみだった。 「幸せって何?」と聞かれたら、作者は「あの日の夕方」と答えるそうだ。4人家族の家で、何十回となく繰り返された休日だ...
食べものに対する描写がとても詳しく、美味しそうで、こちらも同じ物を食べたくなる程だった。またイラストも温かく、次はどんな挿絵かな〜とページを捲るのが楽しみだった。 「幸せって何?」と聞かれたら、作者は「あの日の夕方」と答えるそうだ。4人家族の家で、何十回となく繰り返された休日だったけど、その夕方我が家に流れていた匂いと物音と空気を思い出すそうだ。 父は明るいうちから早々と風呂に入った。父が上がると、弟、そして私と、次々に早めの風呂に入った。台所では、母が野菜をスタスタと刻み、卵をカカカカッと溶き、熱い鍋にジャーッ!と流し入れる音がする。 もう2度と戻る事はない、夕方の一コマに幸せを感じると言うことに共感しました。 私も亡き父と母と囲んだ食卓、家族で大好きだった洋食レストランでご飯を食べたことなどを思い出す一冊になりました。
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