いちまいの絵 の商品レビュー
ルソーの夢、ピカソのゲルニカなど、『 楽園のカンヴァス』を読んでいたので、とくにそこにでてくる作品について知れて良かった。また、本書の解説を読んではじめて『楽園のカンヴァス 』の主人公が著者に準えられていることに気づいた。
Posted by
子どもたちが幼い頃、佐倉の川村美術館によく出かけた。その頃住んでいた八街から近かったからだ。今回、この本を読んで初めて『シーグラム壁画』マーク.ロスコ作を知った。ロスコの意思を汲んで、一室彼の作品ばかりを展示しているらしい。今度の週末是非行ってみたい。
Posted by
とっても勉強になったし、また興味が増えた。実際に見るべき名画に会いに行きたい。特に日本にあるものはすぐにでも見に行きたいな。
Posted by
ミュージアムショップで手に取り、パラパラとめくっていったら、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」の 事が書いてあって「これは運命だ!」と感じ購入しました。私は川村記念美術館にあるシーグラム壁画(ロスコルーム)の空間が好きで、時々足を運びます。なんとも言えないあの空間。そこで感じる感...
ミュージアムショップで手に取り、パラパラとめくっていったら、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」の 事が書いてあって「これは運命だ!」と感じ購入しました。私は川村記念美術館にあるシーグラム壁画(ロスコルーム)の空間が好きで、時々足を運びます。なんとも言えないあの空間。そこで感じる感覚をまさにこの本でマハさんが説明されてて嬉しく感じました。その他の作品の説明もとても分かりやすく、まだ直接観たことの無い作品も興味が持て、いつか本物に会いたいなと思いました。
Posted by
Posted by
美術史・技術に疎くても、作品それぞれの特徴や作者の生い立ちがわかり易く説明されていてすんなりのみこめた。美術館へ行きたくなる。なにより、著者のアートへの愛と情熱が伝わってきた。
Posted by
著者が影響を受けた26枚の絵について、著者が鑑賞したときの印象の共有、そしてその作者がどのような人であったか、どんな時代であったかの説明が連なっていく。 いい意味で、作家が書いた本だった。明るくて読みやすくて穏やかになる。まさにいちまいの絵を鑑賞しているようだった。 著者の小説が...
著者が影響を受けた26枚の絵について、著者が鑑賞したときの印象の共有、そしてその作者がどのような人であったか、どんな時代であったかの説明が連なっていく。 いい意味で、作家が書いた本だった。明るくて読みやすくて穏やかになる。まさにいちまいの絵を鑑賞しているようだった。 著者の小説が好きなので、こう感じた印象をもとにあの作品ができあがっているのか〜っと想像しながら読むのが楽しかった。 時代ごとに登場人物メモ。 ◆ルネサンス前 ・ジョット:1267年。聖フランチェスコ(小鳥の聖人)を生き生きと表現。当時は聖人を人間らしく描くことはタブーだった。 ◆ルネサンス ・ボッティチェリ:1445年。プリマヴェーラ ・ダ・ヴィンチ:1500年頃 ◆ポスト宗教改革 ・カラヴァッジョ:1571年 ・フェルメール:1632年。真珠の耳飾りの少女。スカートは何色だったんだろう。赤かなー。 ・ゴヤ:1746年。ベラスケスと同じく宮廷画家。1808年5月3日。 ◆印象派 ・クールベ:1819年。写実主義の始まり。印象派ではないけど。 ・マネ:1832年。バルコニー ・ドガ:1834年、アングル派。 ・セザンヌ:1839年。セザンヌ夫人。マハさんはこれが特に好きそう。 ・モネ:1840年。印象、日の出。睡蓮。 ・ゴッホ:1853年。どちらかというと後期印象派かな。 →ムンクやマティスにつながっていくよね。 ◆シュルレアリスムの系譜 ・アンリ・ルソー:1844年。「夢」の女性の手、カラヴァッジョの「マタイの召命」に似たものを感じた。マタイ=徴税人、ルソー=税関吏という共通点があるし、意識したのかなーと思った。ピカソに影響与える。 ・ムンク:1863年。自然の叫びを聞くまいと耳を塞いでいるという解釈が可能性高いんだって。ゴーギャンやゴッホの「思ったとおりに表現する」作品に触れ、それを自作に取り込んだ。ムンクの場合は、更に一歩踏み込んだ心象風景を描き出そうと試みた。 ・ピカソ:1881年 ・クリムト:1862年、ジャポニスムの影響。 ・アンリ・マティス:1869年。ダンス。ゴッホやゴーギャンの影響。ロシア人実業家に評価される。それまで「どんな色で描くか」よりも「どんな構図で描くか」が重視された欧米のアートルールを打破。それが評価されたのはまさに欧米的だと感じた。 ◆モダン ・ビアズリー:1872年。挿絵。 ・マレーヴィチ:1878年。黒の正方形 ・ジャクソン・ポロック:1912年。シックで好きな作品。俯瞰する視点の獲得。ポンピドゥーセンター、大学時代に行って全然楽しめなかったけど、今なら違う視点でみれる気がする。 ・マーク・ロスコ:1903年。他の作者と同じ空間に飾られることを嫌った。DIC川村記念美術館にある。 ◆分類できんかった ・モランディ:1890年。知らない画家だったけどなんだか惹かれる静物画。 ・フリーダ・カーロ:1907年 ・東山魁夷:1908年。まじで好き。
Posted by
原田マハさん流、1枚の絵との向き合い方。 ・直感で感じる ・疑問を持つ ・芸術家の生い立ち、生きた時代背景を知る ・もう一度絵を見る 美術館に足を運ぶものの、どう見たらよいか分からない方にオススメしたい。めちゃくちゃ良かった。
Posted by
2016年末に手にした「デトロイト美術館の奇跡」。 破綻寸前の美術館に起きた奇跡を描いた作品に魅せられて、上野の森美術館の「デトロイト美術館展」に出かけた。 美術館に行ったのなんていつ以来だっただろうか。学生時代は、キャンパスに隣接した美術館に頻繁に通っていたのに。 社会人...
2016年末に手にした「デトロイト美術館の奇跡」。 破綻寸前の美術館に起きた奇跡を描いた作品に魅せられて、上野の森美術館の「デトロイト美術館展」に出かけた。 美術館に行ったのなんていつ以来だっただろうか。学生時代は、キャンパスに隣接した美術館に頻繁に通っていたのに。 社会人となってからも、都内の美術館を訪れるのが楽しみだったのに。 だが、いつの間にか時間と心の余裕がなくなっていた。 ただただ絵画と対峙して楽しむ。 美しさに圧倒される。 作品の背景を知ることで様々なことを思索する。 そんな大切なことを思い出させてくれ、美術館に呼び戻してくれた著者は、私の恩人の一人であると言っても過言ではない。 専門家としての豊富な知識と経験。 純粋にアートを愛する無垢な心。 それが両立する彼女の作品は、気取りがなくわかりやすい。 「青春と読書」の連載記事をまとめた本書には、28作品すべてがカラーで掲載されている。 アヴィニョンの娘たち、ゲルニカ パブロ・ピカソ 最後の晩餐 レオナルド・ダ・ヴィンチ セザンヌ夫人 ポール・セザンヌ バルコニー エドゥアール・マネ 大壁画「睡蓮」 クロード・モネ エトワール エドガー・ドガ 星月夜 フィンセント・ファン・ゴッホ アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ グスタフ・クリムト 真珠の耳飾りの少女 ヨハネス・フェルメール マドリッド、1808年5月3日 フランシスコ・デ・ゴヤ 叫び エドヴァルド・ムンク 道 東山魁夷 「その絵は世界中のどこかの美術館に収蔵されていて、いつでも観にいくことができる。そのこと自体、世界中のすべての人に与えられた幸運であると私は思う」(P42) 「美術館訪問は『遅きに失する』ということがない。そこがいいところなのだ」(P123) 「たったいちまいの絵。そう、ただそれだけである。けれど、そこには光がある。私を、あなたを、私とあなたが生きる世界を変える力が、その絵には秘められている」(P253 あとがきにかえて) 移動が制限されて、人と自由に会うことができない2020年。 美術館だけでなく、あらゆるイベントが中止や自粛に追い込まれる世界的危機と対峙している今。 そんな時に、時間も空間も超えた芸術との対話の機会が得られた。 それは、著者のアートを心から愛する情熱があったればこそだ。
Posted by
★原田マハ氏の解説で、美術史を変えた26枚の絵画を味わえるなんとも贅沢な本。最後は東山魁夷氏の人生と、原田マハ氏の人生が交錯する。
Posted by